ついに対面してしまった天然危険物(里山ガーデン~みなとガーデン) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

に続き、今年も開催されていました

秋の里山ガーデンフェア。例年通りに

中山駅→四季の森公園→現地と移動し

秋らしい横浜の谷戸エリアを散策してまいりました。

 

この時点ではまだ10月上旬ということもあり

紅葉は進んでおりませんでした。

とりあえず秋らしく、手前にアキアカネを据えて1枚。

 

 

 

 

 

 

で、ついに現物に遭遇してしまった。orz

これこそが日本最強を持つという

究極の毒キノコ カエンタケです。

ナラ枯れを起こした樹木から生えるとのことで

近年各地の公園で発生していると情報が出回っていましたが

その都度公園管理者の皆さんが除去していたため

まだ私自身は直接目にしたことがありませんでした。

 

今回は比較的朝早めだったこともあってか

看板(左写真)のすぐ下に1つだけ小さな株が……。

ただし、半分以上地中に埋まっている形なので

現物はもっと大きいのだと思われます。

 

見た目がアレなのでこれを誤食する人はほぼおらず

中毒死案件はほとんど耳にしていませんが

その毒性は一口であの世に行けるレベルらしく

さらには触って汁が付着しただけでも皮膚炎を起こすとか。

一体どういう進化の経緯を経てこんなオーバーキルなキノコが

自然界に生まれることになったのか小一時間問い詰めたい……。

 

 

 

 

 

 

朝のカエンタケで気が抜けてしまいましたが

まあ気分を変えて里山ガーデンへ。

ちょうどヒガンバナが開花していました。

カラスアゲハ(左)やナミアゲハ(右)など

ヒガンバナを蜜源とする大型のチョウが複数舞いました。

 

ちなみにヒガンバナも毒性を持っているそうですが

それはあくまで「人が食べたらダメ」というもので

蜜を吸ったチョウが死ぬことはありません。

(もちろん毒性はカエンタケに遠く及びません)

 

 

 

 

 

前回の記事で新顔登録したキオビコシブトヒメバチ

こちらでも草むらに姿を現しました。

腹部の形状や顔の色など、結構特徴がハッキリしているので

長い名前ですが結構憶えやすいかも?

 

 

 

 

 

2027年の花博「GREEN EXPO 2027」に向けて

着々と準備の進む横浜市。本会場は瀬谷の方らしいですが

そちらはまだ工事中ゆえ、お披露目は開催当年までおあずけ。

その間は例年通り開催されるガーデンネックレスと

秋の里山ガーデンを楽しむこととしましょう。

 

上記のモニュメントは今年初めて設置されたもの。

このほか横浜市(というか神奈川県)各地で

2027に向けてのPRが展開され始めています。

 

 

 

 

 

 

エントランス付近の人がわんさか行き来する場所に

ハラビロカマキリの姿がありました。

右写真の赤い円の中にもいます。わかりますでしょうか?

 

昆虫にとって花壇がレストランなのは間違いないですが

時には死の罠が潜んでいるということですね(汗)

 

 

 

 

 

今年の秋の里山ガーデンです。

残念ながら観賞期間は既に終わってしまいましたが

10月上旬に見頃を迎え、来場者もたくさん。

実は9月にも一度来てはいたのですが

その時は開花期の遅れであまり見栄えがしなかったため

今回こうして再度訪問したというものです。

 

 

 

 

 

 

グラス類の数・種類が更に増えました。

より自然派のガーデンへと向かいつつあるようです。

チカラシバが特に多く使われていましたが

目立ったのは左のカピラリス(と思われる)の赤い穂。

大きくふんわりと広がるため、俯瞰で見ても存在感が大きく

近くで見るとその独特の質感に魅了されます。

つい触りたくなってしまう人も多いようです。

 

カピラリスは最近色々な花壇・公園で使用されており

一気に市民権を獲得してきた感があります。

 

 

 

 

 

グラス類の存在感がわかる一枚。

最初に秋の里山ガーデンがお披露目された頃と比べ

立体的かつナチュラルな雰囲気になってきたことが

よくわかるかと思われます。コスモスも見事。

 

 

 

 

 

ペンタスにはホシホウジャクが多数訪れます。

 

 

 

 

 

口吻を巻き上げた状態のヒメクロホウジャク

これまた、なかなか良い写りです。

 

 

 

 

 

一通り里山ガーデンを堪能した後

四季の森公園に戻って、カワセミを観察。

アメリカザリガニらしきものを捕食していました。

 

ここのカワセミは実にコンスタントに出現し

毎回足を運ぶたびに姿を見かけます。

 

 

 

 

 

 

お昼で里山ガーデンの視察がほぼ終わってしまったので

午後からはみなとみらい(みなとガーデン)へ。

桜木町から新港中央広場(写真)を経て

山下公園→港の見える丘公園という

まあいつものコースで移動しました。

 

広場のバーベナではウラナミシジミ(右)を始め

秋らしい昆虫が多数出現しておりました。

 

 

 

 

 

 

そして山下公園。噴水広場周辺の花壇で

オオスカシバ(右)が出現しました。

今年はオオスカシバの数が本当に多い……。

せっかくなので正面アングルを狙ってみました。

 

腹部の赤い縞模様が見えないと

ビジュアル的にはイマイチかもしれませんが

なかなかに躍動感のある一枚になりました。

 

 

 

 

 

日が傾いていたのでやや鮮やかさに欠けますが

港の見える丘公園です。写真だとわかりにくいですが

ちゃんと虫も多数飛び回っていました。

 

 

 

 

 

ジニアの裏に潜む、これまたハラビロカマキリ

これでは蜜を求めて飛んできたチョウも

気づくことはできません。まあ、カマキリの方も

チョウの飛来に気づけないかもしれませんが(汗)

 

 

 

 

 

上に出てきたところで撮影。

ハラビロカマキリのいる風景です。

 

 

 

 

 

もういっちょ。香りのバラ園に出現した

別のハラビロカマキリです。

ちなみにバラに吸蜜に来る昆虫は少ないので

こちらではダリアでスタンバイしていました。

まあ、写真の位置では露骨すぎるので

待っても無駄なような気もしますが(爆)

 

 

 

 

 

 

さて、ウラナミシジミ(左)は秋の常連ですが

この日は公園内の一角で異様に多くの

クロマダラソテツシジミ(右)を見かけました。

ソテツを食草とする外来種のシジミチョウですが

港町である横浜の高級住宅街であれば

ソテツの植栽されているところも多いでしょうから

出現したとしても不思議はありません。

 

ただ、あそこまで多数湧いているのを見たのは

今回が初めてなので、今後の動向が気になるところです。

 

 

 

 

 

最後に、お馴染みのアオスジアゲハです。

前回の記事で紹介したツマジロエダシャクと同じく

クスノキを食草とする昆虫の代表種。

まあ、クスノキの植栽が増えたことで

個体数が増えたチョウというと

圧倒的にこちらの方が有名なんですけどね。

 

一言で横浜といってもあまりに広く

見所は多岐にわたりますが

2017年の都市緑化フェアに端を発して生まれた

2つの元会場は、毎年訪れても飽きが来ません。

願わくば、今後も末永く続いてほしいものです。

 

 

 

 

 

【10/7 里山ガーデン~みなとガーデンで撮影した生きもの】

鳥類・・・ウミネコ、カルガモ、カワウ、カワセミ、シジュウカラ、ヒヨドリ、モズ

昆虫類・・・アオスジアゲハ、アオマツムシ、アキアカネ、イチモンジセセリ、ウラギンシジミ、ウラナミシジミ、オオシオカラトンボ、オオスカシバ、カラスアゲハ、キアゲハ、キオビコシブトヒメバチ、キタキチョウ、キタテハ、キンケハラナガツチバチ、クマバチ、クロマダラソテツシジミ、コガタスズメバチ、コバネイナゴ、コミスジ、ザトウムシ、セイヨウミツバチ、チャバネセセリ、ツチイナゴ、ツバメシジミ、ツマグロヒョウモン、ナミアゲハ、ハエトリグモの一種、ハラビロカマキリ、ヒメアカタテハ、ヒメクロホウジャク、ヒメツツハキリバチ、ヒメハラナガツチバチ、ヒメホシカメムシ、ホシササキリ、ホシホウジャク、ヤマトシジミ、ヨコヅナサシガメ

その他・・・アカミミガメ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年11月19日(日)に開催いたします。

 行先は「神代植物公園」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。