【講座実施報告】山野草と虫の見頃がドンピシャ(4月・里山ガーデン&四季の森公園編) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

<講座1週間前(4/9)の記録>

2023年度最初の散策講座「首都圏生きものめぐり」は、

本ブログでもお馴染みの里山ガーデン&四季の森公園へ。

2年前の4月、記念すべき最初の講座で訪れたのもここでした。

 

講座での記録をお届けする前に

まず開催1週間前の視察時の写真を何枚かお見せします。

4月前半ということもあり、四季の森公園のキンラン

まだほとんど開花していませんでした。

写真内で何本か見られる真っ直ぐ上に伸びる草が

全部キンランなのですが、見ての通りまだ花はゼロ。

ただ、蕾らしきものは確認できましたので

一週間後にはちょうど見頃になるだろうと踏んでおりました。

 

 

 

 

 

視察時にイロハモミジの木で見かけた

小さくて華奢なフォルムのカミキリムシです。

ヒメクロトラカミキリといい、

カエデなどの樹上の花に集まる習性があるそうです。

 

遭遇率・・・2(樹上生活ゆえに見つけにくいが珍種じゃない)

インパクト・・・2 (ゴマダラカミキリより遥かに小さい)

美しさ・・・3 (模様の入り方がお洒落)

俊敏性・・・3 (歩くのはそこそこ速い)

知名度・・・2 (メジャーなカミキリムシとは言い難い)

 

 

ヒメ(小さい)クロ(色)トラ(模様)カミキリということで

特徴をよく表したわかりやすい名前ではあります。

でも明日には忘れそう

 

ところでカミキリムシの仲間は非常に種類が多く

本ブログで登録している品種はあくまで一部に過ぎません。

特に、本種のように樹上生活をするような種は

ただ歩いているだけでは出合えないのが困ったところ。

対策としては、何度も森に足を運ぶ……くらいしかないかも?

 

 

 

 

 

ツマキチョウにも遭遇しました。

ここ数年、里山ガーデンで会えていなかったので

消えたかと思っていましたが、この日は数回遭遇。

単にタイミングが合っていなかっただけ……かな?

 

 

 

 

 

<講座当日(4/16)の記録>

ここからは講座当日の記録です。

今回は中山駅から徒歩で四季の森公園に行き

まず公園内を突っ切って里山ガーデンへ、

里山ガーデンを散策後、昼食を済ませて

解散まで再び四季の森公園内を歩く……というルートです。

 

ただ、前日雨→当日快晴&温暖という

昆虫にとっては最も好都合なコンディションが

災いした(?)といいますか、駅から公園までの道中にも

カラスアゲハ(写真)など色々な昆虫が出現。

その都度足を止めて撮影・解説をしていたら

予定よりどんどん時間が押してしまうことに(汗)。

まあ、これは嬉しい悲鳴と言えるでしょう。

 

 

 

 

 

 

本来のスケジュールでは四季の森公園は突っ切り

午後からゆっくり散策する予定だったのですが

道中で咲いている場所に通りかかるエビネやシュンラン

そしてクマガイソウなどは午前中に確認しました。

 

 

 

 

 

保護区域で大切に守られているクマガイソウ

ちょっとシーズンを外すと全く花が見られなくなるので

満開期に撮影できたのは幸運と言えるでしょう。

 

ちなみに今のところ、移植されたものではない

純天然のクマガイソウはまだ見たことがありません。

ただ、神奈川県内でもある場所に

ひっそり残っているという噂がありますが……。

それについては来年確かめに行きたいところです。

 

 

 

 

 

 

里山ガーデンに移動。ここで予定を変更し

到着後早めに昼食を済ませ、その後12時前から大花壇へ。

展望デッキからの見晴らしもお楽しみいただきました。

 

 

 

 

 

今年の大花壇です。白を基調としており

例年よりもちょっと落ち着いた佇まいに。

(太陽が隠れてやや暗くなってしまったのはご愛敬)

 

 

 

 

 

 

セイヨウミツバチ(左)やキアゲハ(右)など

昆虫も蜜を求めて訪れます。これもまた例年通り。

ただ、左のミツバチが止まっている花

形からしてネモフィラのようですが、

こんなドット柄の花は初めて見た気がします。

ちなみに、一般的な青いネモフィラよりもやや小さめです。

(キアゲハが止まっているのはお馴染みのリナリアです)

 

 

 

 

 

 

芝生には立ち入れないので、遊歩道から観賞します。

このルールは人間(とペット)にしか適用されないため

何か黒いのが1羽堂々と立入っていました(右写真)。

 

 

 

 

 

大花壇にもカラスアゲハが出現。

カラスはアレだがカラスアゲハは絵になる

しかも珍しく花にとまってくれました。

完全なご開帳シーンとはいきませんが

少しでもこの美しさを見られるのは幸運なことです。

 

 

 

 

 

日が出たところで、大花壇を再度撮影。

やっぱりピーカン時が一番映えますね。

 

 

 

 

 

大花壇を一周した後は、谷戸の方へ。

暖かかったゆえか昆虫だけでなく

トカゲの類も例年以上に多数出ていました。

(写真はニホンカナヘビ

 

谷戸は相変わらず菜の花と鯉のぼり以外は

少々地味な印象がありますが、

あちこちからシュレーゲルアオガエルの声が聞こえ

写真の通りカナヘビやニホントカゲも多く出現します。

 

 

 

 

 

他の来園者の方がチョウを捕まえていたので

ちょっと拝見しましたら、なんとツマキチョウ♀

視察時にも多数遭遇していましたので

今年はもしかしたら当たり年なのかも?

 

 

 

 

 

ヤマカガシも出現。園路から離れた湿地にいたので

皆さんも安心して観察されていました。

 

ところでここの谷戸の湿地

ずっとこのままなのでしょうか?

カエルやヘビやトカゲやツマキチョウや私にとっては

確かに居心地のいい場所ではあるのですが

放置しておくにはもったいないという意見もありますし

写真のようにオオフサモ(外来種)が繁茂したりと

色々と課題もありますので、今後が気になるところです。

 

 

 

 

 

四季の森公園に移動しました。

まず、例年と同じ場所でトゲアリを確認。

レッドリストにも掲載される絶滅危惧種ですが

小さくて目立たない故に見落としてしまいがち。

こういう種にも目を向けてもらえるよう

講座内ではしっかりと案内させていただいております。

 

 

 

 

 

これは驚き。ハラグロオオテントウです。

しかも交尾中の個体というおまけつき。

最後に撮ったのは昨年の舞岡公園ですが

やはり分布が拡大しつつあるのでしょうか?

(関西方面から北上しているらしいので)

 

なお、上記の最初の講座開催時には

カワセミの求愛シーンを観察・撮影しております。

総合的に見てかなり運がいい……のかもしんない。

 

 

 

 

 

エナガの食事シーンも撮影。

でも食っているものを見せないでくれ

 

 

 

 

 

狙い通り、キンランも最盛期を迎えていました。

トップの写真とほぼ同じ角度で撮影しましたが

黄色い花がしっかり多数確認できますね。

 

 

 

 

 

キンランをクローズアップ。

やはり春の四季の森公園といえばこの花です。

 

前にも書きましたが、多彩な山野草が自生するこの公園と

華やかな園芸花壇で魅せる里山ガーデン、

この2つは1日で両方見てこそ、両者共に真価を発揮すると

勝手ながら考えております。そのため最近の講座にしては珍しく

参加者の皆さんには昼食をご持参いただき、

9:30~15:30とたっぷり時間を割いてご案内しました。

(ここ最近はお昼で解散ということが多かったので)

 

 

 

 

 

 

この日、キンランはあちこちで見られた一方

ギンランはなかなか見つかりませんでした。

ちょっと開花期がキンランよりも遅いのかもしれません。

一応、数株咲いているものを見かけましたので

皆で撮影を楽しみます。(右のはササバギンランっぽいですが)

 

この日は、目標としておりました

エビネ、キンラン、ギンラン、ササバギンラン、

クマガイソウ、イカリソウ、ヒトリシズカなどの山野草を

すべて確認することができました。

こういう探す楽しさ見つける喜びを楽しめるのは

植物の中でも山野草ならではの魅力と言えるでしょう。

 

 

 

 

 

最後に、いつもの池でカワセミの姿を確認し

この日の講座を締めくくらせていただきました。


次回の5月の講座(5/21開催)では

ガーデンネックレス横浜のもう1つの会場

「みなとガーデン」を散策します。

里山とはまた違う、都会ならではの散策のおもしろさを

お伝えすることができればと願っております。

応募フォームのリンクを貼っておきますので(こちら

興味をお持ちいただけましたらぜひご参加ください。

 

また、最後になりましたが

里山ガーデンは5/7までの開催となっております。

興味のある方はぜひGW中に行ってみてくださいませ。

 

 

 

 

【4/16 里山ガーデン&四季の森公園の講座で撮影した生きもの】

鳥類・・・エナガ、オナガ、カルガモ、カワセミ、キジバト、シジュウカラ

昆虫類・・・アオスジアゲハ、カラスアゲハ、キアゲハ、キタテハ、キリギリスの幼虫、クマバチ、クロアゲハ、クロボシツツハムシ、コアシナガバチ、シオヤトンボ、シマサシガメ(幼虫)、スジグロシロチョウ、セイヨウミツバチ、ツバメシジミ、ツマキチョウ、ツマグロオオヨコバイ、トゲアリ、ナガメ、ナミテントウ、ニッポンヒゲナガハナバチ、ハグロケバエ、ハラグロオオテントウ、ベニシジミ、ホソオビヒゲナガ、ホソハリカメムシ、ムシヒキアブ、モモブトカミキリモドキ、ヤマトシジミ、ルリタテハ、ワカバグモ

その他・・・アカミミガメ、ドジョウ、ナミギセル、ニホンカナヘビ、ニホントカゲ、ヒキガエルのオタマジャクシ、ミスジマイマイ、ヤマカガシ

 

※4/9の視察時の記録は含まれません。

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年5月21日(日)に開催いたします。

 行先は「横浜みなとみらい(神奈川県横浜市)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。