ハギの開花に合わせて、一斉に出現しました(向島百花園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

9月下旬と10月中旬の2回に分けて、

例年通り向島百花園に行ってまいりました。

当初、秋の見所である「ハギのトンネル」

ピークを迎えたタイミングで行こうと思ったのですが

あいにく今年は猛暑の影響もあってか

ハギの開花期が例年よりもやや遅れており

9月24日時点でもまだ満開期には程遠かったです。

 

上の写真でも、右下にハギの大株が入っています。

件のトンネルだけでなく、随所に植えてあるので

秋最大のシンボルプランツと言っていいでしょう。

 

 

 

 

 

9月24日のハギのトンネルです。

このあと10月13日にも行ったわけですが

どうやら一気に満開になることはなく

長期間にわたって5~6分咲きが続く感じでした。

 

必要があるのかどうかはわかりませんが

ハギの生存戦略みたいなものなんだろうか?

(一気に咲くと受粉機会を損なう可能性があるので)

 

 

 

 

 

 

例年より開花の遅れていたハギですが

さすがに9月下旬ともなるとそれなりに咲き出し

これに伴ってハギに依存する昆虫たちも

一気に姿を見せるようになりました。

(左:懲りずに盗蜜中のクマバチ、右:キタキチョウ

 

 

 

 

 

秋のハギシーズンとくれば

自分の中ではやはりウラナミシジミ

ハギの開花遅れの影響なのか

本種も例年より出現が遅れていましたが

単に「遅れた」だけであって減ってはおらず

この時以降は向島百花園のみならず

あちこちの公園・花壇で見るようになりました。

(むしろ例年より多いような気すらします)

 

 

 

 

 

意外と身軽なニホンカナヘビ

民家の軒下等を好むトカゲとは異なり

どちらかと言うと草原環境に依存しています。

 

ここは身を隠す場所も多いですし

獲物となる昆虫も多いので

暮らしやすい環境なのでしょう。

 

 

 

 

 

小さなハチがハギの花に来ていました。

これはミツクリヒゲナガハナバチですね。

エメラルドグリーンの複眼がポイントの

なかなかに美しいハチです。

 

 

 

 

 

 

オオスカシバ(左)にホシホウジャク(右)。

後者はウラナミシジミと同様に秋の象徴で

今年はやはり発生が大分遅れていました。

しかしながら秋真っ盛りに突入した今

これまた例年以上にあちこちで見るように。

街中でもアベリアやランタナなどを見ると

一株に数匹まとわりついていることも多々あります。

 

 

 

 

 

 

ススキの草原からはオナガササキリの声が。

右が同種のメスであることはすぐにわかりますが

左はオナガササキリのオスのようです。

 

これまでホシササキリだと思い込んでいました(汗)

 

 

 

 

 

こちらはまだ成熟し切っていない

メスのオナガササキリです。

オナガササキリたる所以ともいうべき

やたら長い産卵管が目立ちますね。

 

あまりに長過ぎて重いからか

葉の上においてリラックスしているようです。

 

 

 

 

 

ちょっとしたものですが、こんな新顔も。

モンシロナガカメムシという小型のカメムシの仲間で

オミナエシなどによく出現するそうです。

 

遭遇率・・・2 (希少種ではない)

インパクト・・・1 (小型で目立ちにくい)

美しさ・・・2 (模様の入り方などはそれなりに美しい)

俊敏性・・・3 (この個体は交尾中で動きませんでした)

知名度・・・1 (まあ、知らなくても無問題(爆))

 

見た目の感じからしてカスミカメムシと思いましたが

どう検索してもヒットせず、検索ワードを変えてみたら

ナガカメムシの仲間として見つかりました。

「先入観」はやはり大敵ですね……。

 

 

 

 

 

ノウゼンカズラを訪れたニホンミツバチ

この花に虫が来ているのは何気に初めて見たかも。

 

 

 

 

 

最近、百花園周辺に住み着いているオナガ

そういえばオナガはツミの営巣ポイントに

好んで巣を作ると聞いたことがありますが

やはり夏に撮ったアレと何か関係しているんだろうか?

 

 

 

 

 

10月13日ハギのトンネル

トンネルの案内人のようなウラナミシジミです。

アングル等は個人的に最高だと思っていますが

肝心のハギがピークを過ぎてしまったのが無念。orz

 

 

 

 

 

そういやウラナミシジミは毎年秋にかけて北上し

関東でハギなどのマメ科の植物に産卵するも

ほとんどは寒さに耐えられず死ぬと聞きます。

 

それでもなお同じことを毎年繰り返すのは

これまた何かの生存戦略なのか?

勝ち目の薄い「勝負」を続ける彼らから

今後も目が離せません。

(逆に関東で定着したらちょっと危機感を抱く)

 

 

 

 

 

キタテハとヒヨドリバナ

これもまた絵になります。

 

 

 

 

 

10月13日のミツバアケビの実。

美味らしいですがもちろん百花園のものなので

食ったらアウト。見るだけです。

 

 

 

 

 

以上、秋らしい向島百花園を堪能しました。

この時期が一番生きものの出現率が高く

かつ風情があるので、いつ行けばいいか?と問われたら

まずは秋をお勧めするようにしています。

 

 

 

 

 

依然としてちょっとまだ暑かったため

梅ミントジュースをいただきました。

 

もうさすがに今年夏日になることはないと思いますが

ここからの気温の変化は生きものの発生状況を

大きく左右します。引き続き気象情報は

よくチェックしておきたいところです。

 

 

 

 

 

【9/24&10/13 向島百花園で撮影した生きもの】

鳥類・・・オナガ、キジバト

昆虫類・・・アキアカネ、アジアイトトンボ、アメンボ、イチモンジセセリ、ウラナミシジミ、オオスカシバ、オナガササキリ、キタキチョウ、キタテハ、クマバチ、コバネイナゴ、シオカラトンボ、ダンダラテントウ、チャバネセセリ、ツバメシジミ、ツマグロヒョウモン、ツユムシ、ナナホシテントウ、ナミアゲハ、ニホンミツバチ、ヒメカメノコテントウ、ホシホウジャク、ホソメヒラタアブ、ミツクリヒゲナガハナバチ、モンシロチョウ、モンシロナガカメムシ、ヤノトガリハナバチ、ヤマトシジミ

その他・・・アメリカザリガニ、ニホンカナヘビ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年11月19日(日)に開催いたします。

 行先は「神代植物公園」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。