和のナチュラルガーデンというものがあるならば(向島百花園・2回目) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

東京においては、向島百花園を除いて

他にないのではないかと感じております。

 

 

 

 

今年2回目の向島百花園の記録。

前回はまだハギがほとんど咲いておらず

例年よりやや昆虫の数が少なかったので

約2週間の間を置いて再訪しました。

 

見ての通り、満開まではいかずとも

大分咲いており、秋らしい花風景に。

(9月後半の話なので今はもう散っているでしょうが)

奥のカメラマンは、ハギに来る昆虫を狙っています。

 

 

 

 

 

 

相変わらず、草庭という雰囲気の向島百花園。

あちこちからササキリ等の鳴き声が聞こえます。

 

 

 

 

 

吸蜜に訪れたキタキチョウ

幼虫もハギなどのマメ科の植物の葉を食べるため

秋にはウラナミシジミと並んで

ハギ周辺でよく見られる昆虫です。

(お尻をつけていたら、恐らく産卵中です)

 

 

 

 

 

ハギの隙間から、ツルボが顔を覗かせていました。

ここは東京都が管理している日本庭園なので

見られる植物も基本的に人の手で植栽・管理

されていると思われますが、ツルボはどうなんだろうか?

割とその辺の公園で咲いていることも多いですが

園芸店などで売られていることもありますし……。

 

 

 

 

 

 

ヤマトシジミ(左)とツバメシジミ(右)。

翅の表側が地味なので、ツバメシジミはメスのようです。

 

 

 

 

 

ウラナミシジミ(写真左)と

ウスイロササキリ(写真右)。

 

 

 

 

 

これもウスイロササキリだとは思いますが

ちょっと角度が悪いので自信がありません。

 

 

 

 

 

コバネイナゴも生息しています。

よく田んぼの畔に大量に生息していて

一歩踏み出すと3匹飛び出すなんてことも

ザラにあるイナゴの仲間ですが

市街地周辺の草原にも分布しています。

 

 

 

 

 

 

秋の向島百花園の名物 ハギのトンネル

これでもまだ見頃には早いと言えます。

 

10月下旬の現時点では既に終わっているでしょうが

ハギの開花期が毎年前後するので

Webサイトを確認することはもちろん

可能であれば9月中旬頃に一度足を運び

そこでの開花具合から満開期を予測するのが

見頃を逃さない最適解かなと考えております。

 

 

 

 

 

えらくハムシに食われている葉がありましたが

特に駆除はしていないようでした。

自然度の高い庭として魅せるために

敢えてそうしている可能性もありますね。

実際のところはスタッフさんに聞いてみないと。

 

 

 

 

 

 

ナンバンギセル(左)にカリガネソウ(右)。

郊外の里山では自生している所もある

秋の代表的な花といえます。

 

 

 

 

 

ハギのトンネル周辺の

この日最も華やかだったスポット。

この時点でもまだオミナエシが

たっぷりと花をつけています。

 

 

 

 

 

お馴染みのウラナミシジミ

ハギの開花が遅れていたのと同様に

本種の発生も例年よりやや遅れています。

10月に入ってようやく本格的に

目にする機会が増えたかな……という印象。

 

ちなみにとまっている花はハギではなく

ハギのトンネルの目の前に植栽されていた

別の植物のものです。

 

 

 

 

 

シロテンハナムグリにも遭遇。

ここで会ったのは初めてかも?

 

 

 

 

 

小さいながら、新顔の昆虫にも遭遇。

ヒメツツハキリバチといいます。

 

遭遇率・・・3 (少なくはない模様)

インパクト・・・1 (ミツバチより小さい)

美しさ・・・3 (胸部を覆う毛が可愛い)

俊敏性・・・4 (ハチなので)

知名度・・・2 (図鑑には掲載されています)

 

 

 

向島百花園では今回、1時間程度滞在しただけでも

実に15種類もの昆虫を撮影することができました。

後述しますがあまり天気もよろしくなかった中

限られた面積ながらこれだけ出合えたというのは

偏に彼等の暮らしやすい環境が整っているから。

無論、江戸時代に開園した時には

「生物多様性」などという概念は存在しなかったでしょうが

もしかしたら虫の鳴き声を楽しめるように……という

考え方は開園当時からあったかもしれません。

 

 

 

 

 

この日はやや悪天候で時折にわか雨が降りました。

でも、こうした藤棚(?)などの下に入れば

ゲリラ豪雨とかでもない限りは

ほとんど濡れることもありません。

(しっかりした造りの東屋もありますが

数が限られているので注意が必要です)

 

 

 

 

【9/22 向島百花園で撮影した生きもの】

鳥類・・・オナガ、ムクドリ

昆虫類・・・アメンボ、イチモンジセセリ、ウスイロササキリ(?)、ウラナミシジミ、キイロクビナガハムシ、キタキチョウ、クマバチ、コバネイナゴ、シロテンハナムグリ、チャバネセセリ、ツバメシジミ、ナナホシテントウ、ナミテントウ、ヒメツツハキリバチ、ヤマトシジミ

 

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2022年11月20日(日)に開催いたします。

 行先は「石神井公園」でございます。

 (白子川は今回行かないことになりました)

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。