2年前の夏からコンスタントに「来て」いたらしい(よみうりランド HANA・BIYORI) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

本ブログで紹介するのは恐らく今回が初めて。

よみうりランドの隣に3年前にオープンした

新施設「HANA・BIYORI(はなびより)」です。

写真の建物を中心として複数のガーデンが存在し

面積は広くないものの、季節感のある植物園となっています。

 

オープン当時は上記の建物と一年草花壇のみで

有料施設ということもあり、敢えて足を運ぼうとは

思わなかったのですが、昨年新しく写真手前に見える

ナチュラリスティックガーデンが誕生しました。

この手の自然派ガーデンの情報は仕事でも集めておりますが

さらに今回は例の青いハチが出ているという情報を掴み

お布施(入園料)1,200円は痛かったですが

朝のオープン前より並ばせていただきました。

 

 

 

 

 

 

こちらがそのナチュラリスティックガーデンです。

世界的に有名なガーデンデザイナーの

Piet Oudolf(ピィト・アウドロフ)氏

宿根草を主体としてデザインしたものとなります。

 

竣工したのが昨年なので、まだ一部の植物は

満足に成長しきっておらず、土の露出している部分も。

ただ、事前に私が掴んだ情報によりますと

青いハチはこちらのガーデンに多数飛来しているとか。

鎌倉ですら最近会うのに苦労しているのに

こんなところに来ているのかと懐疑的でしたが……↓

 

 

 

 

 

すぐに出ました

人気の青いハチ ルリモンハナバチです。

しかも、複数個体が飛び回っており

いつぞやの石窯ガーデンテラスのようでした。

 

写真の個体はマツムシソウで吸蜜中ですが

これ以外の植物にもやってきました。

 

 

 

 

 

これはラベンダーの仲間でしょうか?

他のハチやチョウでも同じですが

このような小さな花がたくさん集まった植物だと

長時間静止してくれるので撮影しやすくなります。

 

 

 

 

 

時には、2匹同時にシャッター圏内に入ることも。

事前情報でも「よく出る」とは書かれていましたが

こんなに簡単に会えるとは思いませんでした。

情報提供者様に心より感謝申し上げます。<(_ _)>

 

 

 

 

 

当然ながら、他の昆虫も多数飛来します。

イチモンジセセリと(多分)ヒメハラナガツチバチ

同じ花穂で蜜を吸っていました。

 

 

 

 

 

 

左はウラナミシジミ、右はチャバネセセリ

ルリモンハナバチだけでなく他の昆虫についても

数・種類が多いということが何より重要。

彼らにとっては相当の「お気に入り」スポットなのでしょう。

 

 

 

 

 

捕食者であるシオカラトンボ(写真)や

シオヤアブなども飛来していました。

この限られた宿根草ガーデンだけでも

しっかり食う・食われるの関係が

成立していることがわかりますね。

 

 

 

 

 

ガーデン的にはあまり有り難くないかもしれませんが

マメコガネも団体様で飛来していました。

ちなみにコイツは日本由来の外来種として

アメリカなど海外でクッソ嫌われているそうですが(爆)

まあ、自然派のガーデンでは駆除はされない……かも。

(言うまでもなく日本では在来の昆虫です)

 

 

 

 

 

クロアゲハも飛来。ほか、待機していれば

結構な数の昆虫が観察できます。

ちなみに目玉であるルリモンハナバチは

10:00のオープンから30分くらいで多数飛来し

それ以降は急激に確認数が少なくなります。

(詳細は後述します)

 

 

 

 

 

 

トップ写真にも登場した建物

「HANA・BIYORI館」の中に入ってみましょう。

スタバがあり、ベンチも充実しているので

休憩するにはもってこいです。もちろんエアコンも効いていますしね。

 

天井からぶら下がる鉢物植物や水槽なども美しく

体験教室などもよく開催されていますので

ぜひ一度は訪問していただきたいところです。

あと、コツメカワウソなんかも飼育されています。

 

 

 

 

 

再び外へ。こちらの花壇は一年草中心で

季節ごとに見られる植物が大きく変わります。

まあ、オーソドックスな花壇と言えるかもしれませんが

よくよく見るとちょっと変わった仕掛けも。↓

 

 

 

 

 

実はここで見られる一年草、

すべて黒いポット苗の状態で並べられているだけなんです。

無論、ただそのまま並べているだけでなく

保水性の高い特殊な基盤材「アクアセル」の上に

お尻に穴の開いたポット苗を配置する形になっています。

 

「植物は土に植えるもの」という固定観念もあるので

人によっては少々受け入れ難いものがあるかもしれませんが

これでもちゃんと植物は基盤材の中に根を張り

元気に長期間花を咲かせてくれます。

また、土を使用する必要がない上に植栽工事も簡単なので

コスト面にも優しく、今後いわゆる「都市緑化」の分野で

広く活躍していくことが期待されています。

 

 

 

 

 

植えてある所が土だろうが人工物だろうが

花が咲けば関係なく虫はやってきます。

(写真はイチモンジセセリ

 

 

 

 

 

ルリモンryのような美麗種ではないですが

これもまた青みのあるハチ アオスジハナバチです。

上記の一年草花壇周辺で多数確認できました。

 

 

 

 

 

こちらはハイビスカス(タイタンビカス)

吸蜜中と思われるアオスジハナバチ

あの花の蜜線って、そんな深い所にあったんですね……

何気に初めて知りました。

 

 

 

 

 

あまり敷地は広くないので

散策するだけなら2時間もかかりません

そういうわけで午後はまた別の所に移動しましたが

その前にもう一度、ナチュラリスティックガーデンで

ルリモンハナバチを撮影しておきました。

たくさん撮れましたので、これでお布施のもモトは取れました

 

暑い真昼間になるほど数が減る傾向にありますが

そもそもの母数が多いのか、11時半を過ぎても

何個体か飛んでいるのを確認できました。

 

 

 

 

 

人気のルリモンハナバチがコンスタントに飛来するからか

HANA・BIYORI館には特設ブースまで設けられていました。

実際、それだけの高い人気のあるハチですからね。

 

なお、ルリモンryが飛んでくるようになったのは

一昨年(2021年)からとのことでした。

その時点ではまだナチュラルガーデンは存在しなかったので

一年草花壇の方に飛来していたものと思われます。

(宿根草でないと来ないというわけではないので)

 

 

 

 

 

あー、ここにも書いてありますね。

夏場に出現するハチではありますが

やはり涼しい時間帯を選んで行動するようです。

 

HANA・BIYORIは10時開園なので確かめようがないですが

もしかしたら早朝(7時~8時?)はもっと多いのかも?

あるいは時間に余裕があるのであれば

夕方まで残って(17時まで開いてます)待つのも

一つの作戦かもしれません。既に9月中旬ということもあり

今から行っても遅いかもしれませんが、

来年以降に見に行きたいという方は

開園直後か閉園間際を攻めることをお勧めします。

 

 

 

 

 

そのほか、夏らしく風鈴の展示も。

 

 

 

 

 

決して広過ぎず、休憩ポイントもあり

室内でのプロジェクションマッピングなど

コンテンツは結構充実していますので

デートでイチャコラ訪問するのにも適しています。

 

 

 

 

 

 

なお、最寄りの京王よみうりランド駅からは

シャトルバスが出ていますのでぜひご利用を。

帰りはともかく、行きは上り坂なので

暑いシーズンには結構身体に応えます。

 

ただし、道中のちょっとした植え込みには

ショウリョウバッタモドキ(右写真)など

バッタの仲間がよく出現するため

私は行きも帰りも歩きで通してしまっています。

 

 

午後は神代植物公園に行ったのですが

長くなりますのでそちらはまた後日お送りします。

 

 

 

 

 

【8/12 よみうりランド HANA・BIYORIで撮影した生きもの】

鳥類・・・シジュウカラ、ハクセキレイ、メジロ

昆虫類・・・アオスジハナバチ、アブラゼミ、アメンボ、イチモンジセセリ、ウラナミシジミ、オンブバッタ、キンケハラナガツチバチ、クマバチ、クロアゲハ、クロバネツリアブ、シオカラトンボ、シオヤアブ、ジガバチ、ショウジョウトンボ、ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキ、チャバネセセリ、ツクツクホウシ、ツマグロヒョウモン、ヒナバッタ、ヒメアカタテハ、ヒメハラナガツチバチ、フタモンクロベッコウ、プラタナスグンバイ、ホシホウジャク、マメコガネ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ、ルリモンハナバチ

その他・・・ニホントカゲ

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年9月17日(日)に開催いたします。

 行先は「朝夷奈切通~鎌倉市北東部」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。