ガラスを割れ ~スタンダード~1 | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

ガラスを割れ ~スタンダード~

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ガラスを割れ

ガラスを割れ ―氷を揺らす人―

ガラスを割れ ー風になりたい夜-

ガラスを割れ―ラビリンス― 

ガラスを割れ―Reunion-

サヨナラの眼差し―Kissで女は薔薇になる―

サヨナラの眼差し~表裏一体~

ガラスを割れ―木枯らしに抱かれて―

ガラスを割れ ー非情の決断― 

ガラスを割れ ―100年後の空にはなにが見えるんだろう―

ガラスを割れ―宿命―

ガラスを割れ ―In the moonlight―

ガラスを割れ ―相棒―

ガラスを割れ ―覚悟―

ガラスを割れ ―再会―

ガラスを割れ ークリスマスイブー

ガラスを割れ  ‐anniversary‐

ガラスを割れ -涙、ひとひら-

ガラスを割れ ―冷酷―

ガラスを割れ ―世直し―

ガラスを割れ ―コスモスは死の香り

ガラスを割れ ーcompletionー

ガラスを割れー悪人退治ー

ガラスを割れ -血の香り-

ガラスを割れ ―本能― 

ガラスを割れ ~死神と悪魔~

ガラスを割れ ~名もなき未来~

 

ガラスを割れ―戦士の休息― 

ガラスを割れ―最終便に間に合えば―

 

ガラスを割れ ー雪白の月ー

 

冬にしてはやや暖かい夜

 

友梨奈は元締めである内藤剛志が経営する

喫茶「ブラックレイン」に来ていた。

 

店はすでに閉店しており

 

店内ではカウンター席に

友梨奈と白石麻衣が座っており

カウンター内に内藤と北村匠が立っている。

 

「いやに神妙な顔ね。大仕事なの?」

 

白石麻衣が内藤の顔色を読んだ。

 

「ああ・・・大仕事だ。」

 

内藤が写真を4枚取り出した。

 

そのうちの1枚を麻衣が取り

少し取り乱しながら立ち上がった

 

「ちょと、これ現幹事長の西村昌彦じゃない。

 こんな大物をやるの?」

 

「ああ、そうだ。」

 

内藤は淡々と言ってのけた。

 

「この人ってそんなに有名人なの?」

 

友梨奈は何時のもポーカーフェイスを崩さない。

 

「何言ってるの!

次の総理大臣と言われている人よ。」

 

麻衣は声を大きくした。

 

「そうなんだ?

まあ、内藤さんが取ってきたってことは

極悪人なんでしょ?

だったら、何の問題もないよ。」

 

「いいわね、その性格。私も見習いたいわ。」

 

麻衣は冷静になり椅子に座った。

 

内藤が背景を説明する。

 

「この西村は1年前、

高級クラブで働く女性を部屋に誘い込み乱暴した。

だが、女性が告訴しようとしたので

秘書3人をに命じて

この女性を自殺に見せかけて殺した。

そしてその真相を調べていた両親までも

ころしている。」

 

「依頼人は誰なの?」

 

「この被害者の妹だよ。まだ、19歳だよ。」

 

麻衣の問いに内藤は答える。

 

「依頼料は30万。一人15万だ。」

 

「これだけの大物なのに15万?

冗談じゃないわ。」

 

麻衣は憤慨した。

 

「俺がやるよ。」

 

内藤の近くに立っていた北村匠が発言した。

 

「何言ってるの、

貴方は殺しに関しては素人でしょ?」

 

「依頼人の気持ちがよくわかるよ。

俺たちと一緒でしょ。」

 

匠と麻衣は

両親をテロで殺された被害者遺族である

 

「俺は友梨奈達のおかげで

 無念を晴らすことが出来た

 だから、今度は俺が

 被害者の無念を晴らしたいんだ。」

 

それを訊いた友梨奈が立ち上がった。

 

「男らしい顔になったじゃん。見直したよ。」

 

友梨奈はそう言って、内藤から10万受け取った。