ガラスを割れ ―悪魔と死神―
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サヨナラの眼差し~表裏一体~
ガラスを割れ ―世直し―
ガラスを割れ ―コスモスは死の香り
ガラスを割れ ーcompletionー
ガラスを割れー悪人退治ー
ある月夜が綺麗な夜。
平手友梨奈はいつもの屋上で
座りながら三日月を見ていた。
そこに白石麻衣が現れる。
「なんなの?こんなところに呼び出して。」
「今から、前田敦子の
マンションに行ってくるよ。」
「え??彼女に招かれたの?」
「うん、今まではホテルでしか
会っていなかったけど、初めてだよ
自宅に招かれるのは?」
「貴方の勘だと
前田敦子は危ない人物なんでしょ?
のこのこ行って大丈夫なの?」
「まあ、その時はそれが私の運命と思うから。」
「それで、私に用ってなんなの?」
「万が一、私が死んだら、
あの花瓶に花を絶やさないで欲しいの。」
友梨奈は
屋上の端の方にある花瓶に視線を送った。
そこには1本のバラが添えられている。
「あの花は?」
「あそこは
私の親友の墓なの。だからよろしく。」
かつての相棒である齋藤飛鳥のことである。
彼女はこの屋上で息を引きとっている。
友梨奈は彼女の死後、花を1日も欠かさずに
添えていた。
「まあ、貴方が死ぬなんて
考えられないけどね
だから、答えはNOよ。
これからも自分でやりなさい。」
「ちぇッ、麻衣さんは冷たいなあ。」
友梨奈は軽く笑みを浮かべた。
