過去のエピソードは下記からどうぞ
サヨナラの眼差し~表裏一体~
ガラスを割れ ―冷酷―
11月の夜
友梨奈は
行きつけの六本木クラブで一人飲んでいた。
仲間であった齋藤飛鳥を失い
友梨奈の心に少し穴が空いたようだった・・・
そんな時だった
友梨奈の右斜め前の
スタンディングテーブルに
一人でアルコールを飲む
女性が目に入った。
只ならぬ色香を醸しだしたちまち
周りから注目されることに
友梨奈の視線に気づいたのか
女性は上品で優雅な笑みを浮かべた。
少しドキっとする友梨奈であった。
暫くすると二人ずれの男性が
その女性に声をかける。
「ねえ、一杯おごるから
一緒に飲まない?」
「ごめんなさい。先約があるの。」
「今は一人じゃん。約束の相手が来るまで
俺たちと飲もうよ。」
「もう、来てるわよ。」
女性はそう発言すると歩き出し
友梨奈のいる
スタンディングテーブルに来たのだ。
「ごめん、そこにいること気づかなかったわ。」
「え??」
突然のことで友梨奈は戸惑った。
彼女の名は“小嶋陽菜”
新たな嵐の予兆だった・・・