サヨナラの眼差し ~表裏一体~
ある冬の大阪の夜
街は若者で溢れかえっている。
外は雪が舞い散り、
恋人たちの憩いの時をロマンチック演出している
様々想いを抱きながら玲奈と七瀬も
街並みを二人で肩を並べて歩いている。
二人は外食して帰宅する途中であった。
「玲奈さん・・・もう一緒に暮らして
1年半になりますね。」
「1年半か・・・早いね・・・」
「どうしたんですか?」
「この1年半色々あったなあと思って。」
「そうですね。
私は折角仲直りした父が死んで
絶望しましたけど、玲奈さんとこうして
一緒に暮らせて幸せです。
神様はいるんだなあって思いましたよ。」
玲奈は七瀬の父親を殺したことを思い出す。
自分が暗殺しなければ
七瀬にはちがった人生が
あったはずだと思っている。
「玲奈さん???どうしたんですか?」
哀しげな表情の玲奈に七瀬は少し驚いていた
「なんでもないよ。
さあ、帰って早くお風呂に入ろう」
玲奈は七瀬の肩を抱いた。
七瀬は玲奈の温かみに幸福を感じる。
いつまでもこうしていたいと切に願う七瀬であった。