ガラスを割れ
―100年後の空にはなにが見えるんだろう―
過去のエピソードは
下記からどうぞ!!
サヨナラの眼差し~表裏一体~
夏の到来
蝉の鳴く声がどことなく心地よい季節である
そんな夏の日の午後13時過ぎ
平手友梨奈はある屋上のビルで
仰向けで寝転がり空を見上げている
「ねえ、空って青いよね。」
友梨奈が声を出した。
すると傍に黒髪で
ロングヘアーの女性が近づいてきた。
「そうね。そんな当たり前のこと訊くの」
「青いって当たり前なのか・・・」
「どう云う意味?」
女性は友梨奈の顔をのぞき込んだ。
「昔は空が赤く見えたんだよね。」
「それは夕暮れの空じゃないの?」
「オレンジじゃないよ。深紅の朱。」
友梨奈は依然空を見ている。
「顔に血がついて
それが目に入ったんじゃないの」
「そっか、そうかもしれないね。」
「納得したの?」
女性は笑った。
「ところで君は誰?」
どうやら、友梨奈はこの女性と初対面のようだ
「私は齋藤飛鳥よろしくね。」
飛鳥はそう言うと
友梨奈の右横に腰を下ろして座った