ガラスを割れ―ラビリンス― 1 | じゅりれなよ永遠に

じゅりれなよ永遠に

じゅりれな・坂道小説書いてます。

ガラスを割れ―ラビリンス―

 

過去のお話は下記リンクからどうぞ

 

ガラスを割れ

 

ガラスを割れ ―氷を揺らす人―

 

ガラスを割れ ー風になりたい夜ー

 

 

あるマンションの一室

 

リビングルームが16畳はある広い部屋だ。

 

家具はなく、なにも床に敷かれておらず

 

人が住んでいる気配がないように思える。

 

だがこの部屋で二人の人間が格闘していた

 

ともにグローブをつけ、体には防具をつけている。

 

一人の男が先に仕掛けるも

相手は余裕で交わす。

 

仕掛けた男の名は森田剛志

 

そしてその森田を軽く一蹴するのが

平手友梨奈。

 

共に政治家である田原の

表向きは秘書であるが

裏では汚れた仕事をしている。

 

二人は田原の事務所から車で

10分ぐらいの場所にある

同じマンションのフロアーに住んでおり

たまに平手の部屋で

組み手を行っていたのだ。

 

「相変わらず強いな。

おまえ、一体どんだけ、

実践摘んできたんだ?」

 

森田が防具を外しながら訊ねた。

 

「あれ?言ってませんでしたっけ?

 中米でゲリラ部隊に所属していたんで

 もう、数なんて覚えていませんね。」

 

友梨奈も防具を外した。

 

「マジか??・・・こりゃ、一生勝てんな・・・

 でも体のナマリが解消できたよ。

 また、相手たのむは!」

 

森田はそう言って、部屋をでていった。

 

「私は全然だよ・・・」

 

友梨奈はため息をつくのであった。

 

先日の暗殺のターゲットであった

西野孝弘を“松井玲奈”

とられてからというもの

友梨奈は何かが狂い始めていた。