ガラスを割れ ―世直し―
私の名は、松村沙友理
長かった・・・
本当に長かった。
今の日本は腐っている
絶対に浄化しなければならない。
10年前、私は世直し組織“ブラウンキャット”
の一員だった
2件の世直しを実行し、
これからと云う時に
幹部達が逮捕され
リーダーの野間口さんは海外に逃亡した
そして、私はテロの補佐をしたことで
逮捕されたが未成年だった為
少年院に1年収容されただけだった。
その後、きっと野間口さんが帰国して
また世直しを始めると思ったから
私は真面目に働き、警察の目を欺いて
ひたすら連絡をまった。
やがて9年が経過した・・・
もう、野間口さんは死んだのだと思った
だが、彼から連絡が来た。
世直しの活動する為
資金が必要だと言ってきた。
私は大金を稼ぐため、売春を始めた。
稼いだお金は指定の口座に振り込んだ。
やがて1年が経過した
そして今日、野間口さんから1か月後に
具体的な計画を連絡すると言ってきた。
私はついにこの日が来たんだと歓喜した
そうだ!
私も小さな世直しをしよう。
私は一軒の家の前にいた。
ここは、ある市会議員の家だ。
こいつは世の中を悪くするゴミだ。
こんなやつ野間口さんの手を借りることなく
私が成敗してあげる。
今は夜中の2時
寝静まって辺りはだれもいない。
私は用意した水筒を取り出す。
この中には灯油が入っている。
これをまいて火をつければ世直しができる。
よし、やるぞ。
「だめだよ。火をつけちゃあ?」
え・・・?誰?
気配なんて感じなかったのに・・・
「平手友梨奈、覚えておいて。
地獄にいっても
悪いことはさせないからね。」
平手友梨奈と名乗る女は
サバイバルナイフで私の右胸を刺した。
待ってよ。
私はまだ死ねないよ。
だって、やることがあるんだから。
あれ・・・
目の前が暗くなってきた。
これが死ぬってこと・・・
嫌だ・・・
死にたくないよ・・・
私、世直しするんだから・・・

