回顧録「いつか見た映画 1991」80『愛を止めないで』 | やりすぎ限界映画入門

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ダイナマイト・ボンバー・ギャル @ パスタ功次郎

■「やりすぎ限界映画工房」
■「自称 “本物” のエド・ウッド」


■『愛を止めないで』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

1991年/フランス映画/97分
監督:エリック・ロシャン
出演:イヴァン・アタル/クリスティン・スコット・トーマス/マルク・ベルマン/シャルロット・ゲンズブール/フランシーヌ・オリベール

■1991年 劇場公開作品 80本目

『愛を止めないで』を「見てしまった」ことは強烈に覚えてた。恐るべき “極限ダイナマイトボンバーギャル” 「シャルロット・ゲンズブール」を「初めて」見た映画だったから。

「鶏」はどこの名画座の何の「2本立て」か忘れたが、同時上映で見る気がなかった『愛を止めないで』を見た。だが恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「シャルロット・ゲンズブール」を「見た」せいで、『愛を止めないで』を今日まで忘れなかった。

だが「LD」は発売されなかった。買う気だったので、レンタルビデオを借りたくなかった。「ビデオはいらない」とカッコつけてたら「30年間」の時が過ぎてしまった。「30年間」の間に記憶は薄れていき「殆ど何一つ覚えてない」状態となった。もはや「うっすら」「断片的」な記憶だけと化してしまった。

「今」日本で『愛を止めないで』は、「VHS」でさえ見るのが困難な映画にまで豹変した。本当に「鶏」だったことを「反省」「懺悔」「償い」しかない。こうなる前に簡単に借りられたうちに見直すべきだった。「30年間」の時を超え、やっと「2回目」を見直したのだった。

「殆ど何一つ覚えてなかった」。まず恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「クリスティン・スコット・トーマス」が出てたの「知らなかった」ことに、もはや「反省」「懺悔」「償い」しかない。「何一つ視界に入ってなかった」ことに、自分自身で「絶句」した。

『ピストルと少年2』にも見えたが、全く別の映画なので何も繋がりはない。「うっすら」「バスジャック」の話だと覚えてたが、『ピストルと少年』と似てる映画とは覚えてなかった。『もう一つのピストルと少年』というタイトルを思いつくほど、『愛を止めないで』と『ピストルと少年』は似てる映画だった。

「若木の至り」で済まないことがある。「知らなかった」で人を殺して「無罪」には絶対ならない。現代の通り魔殺人事件の実際が、「イヴァン・アタル」のような人間が起こしてる現実を無視できない。最初「イヴァン・アタル」が「凶悪犯」にしか見えなかった。全然共感できない映画にしか見えなかったが、「虫も殺せない男」だと解かってきて少し見れるようになった。

だが「知らなかった」「危うさ」こそが永遠に消えない「少年」の「普遍性」。また「知らなかった」ということは、この世の全ての人間が持つ「悲劇性」でもある。この世が「知ってる」人間ばかりだったら、「戦争」や「犯罪」は絶対起きない。「知らなかった」ことが起こす「人生の過ち」、「今」も変わらず「こういう人本当にいる」という極限のくそリアリズムが「かなり」哀しかった。

本来「好みではない」恐るべき “極限ダイナマイトボンバーギャル” 「シャルロット・ゲンズブール」に、僕が何で惹かれるのか自分自身が解からない。「シャルロット・ゲンズブール」の映画は『ニンフォマニアック Vol.1』『ニンフォマニアック Vol.2』まで「かなり」見てしまった。

『なまいきシャルロット』『シャルロット・フォー・エヴァー』『僕の妻はシャルロット・ゲンズブール』と、「本人」の名前がタイトルにつく映画が「3本」もあるのが「不思議」な魅力に見えた。容姿の「好み」ではない何かに惹かれた自分も「不思議」だった。言葉で表現できない人間の魅力を、僕は “恐るべき極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「シャルロット・ゲンズブール」に感じたのだろう。

「一瞬」の「判断」の誤りで、「人生全部失った人間」の極限のくそリアリズムに「震撼」「驚愕」「絶句」。自分の周りにいる人間が「こうならないために」、何をすべきかを考えさせられるしかなかった。




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画像 2020年 3月