回顧録「いつか見た映画 1991」75『真夜中の恋愛論』 | やりすぎ限界映画入門

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■『真夜中の恋愛論』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

1990年/フランス映画/85分
監督:ミシェル・ドヴィル
出演:ジャン=ユーグ・アングラード/マリー・トランティニャン

■1991年 劇場公開作品 75本目

『真夜中の恋愛論』を「見てしまった」ことだけ覚えてた。「鶏」はどこの名画座の何の「2本立て」か忘れたが、同時上映で見る気がなかった『真夜中の恋愛論』を見た。その頃「見た映画のプログラムは絶対買う」という、「自分で勝手に決めたルール」に雁字搦めだった。今思えばプログラムを買わねばならない理由など全くないが、「鶏」は「勉強した証拠」を残したかったのだろう。

『真夜中の恋愛論』のように、この頃の僕には見る気がなかったのに「見てしまった」、しかも「プログラムを買ってしまった」のに、「何一つ砂粒ほども何も覚えてない」映画が「かなり」ある。『回顧録「いつか見た映画」』を書くのにこの「悔しさ」「愚かさ」を挽回したい気持ちがあって、「見てしまった」「プログラムを買ってしまった」映画を極力見直そうと、「レンタル店」「SNS」を探しまくった。

残念ながら「プログラムを買ってしまった」までの映画なのに、「もう見れない映画」も何本かあったが、『真夜中の恋愛論』は「ギリギリ」見ることができた。そして改めて見直し、「本当に」「何一つ砂粒ほども何も覚えてない」自分の「愚かさ」に、「震撼」「驚愕」「絶句」するしかなかった。

「男は絶対見たくなかった」僕が「ジャン=ユーグ・アングラード」の映画を「かなり」「見てしまった」のは、「ネオ・ヌーベルバーグ」の『ベティ・ブルー インテグラル 完全版』の影響だった。「女子に大人気」「お洒落」な『ベティ・ブルー インテグラル 完全版』の「圧倒的存在感」で、「ジャン=ユーグ・アングラード」が「ネオ・ヌーベルバーグ」の「代表選手」に見える勝手な「妄想」「思い込み」を抱いてしまった。

また「ジャン=ユーグ・アングラード」が「女子に大人気」だったので、モテるためには「知ってなければならない」「本能」が働いたのかもしれない。「ジャン=ユーグ・アングラード」にコンプレックスがあったことを「今」気づいた。

そんな状態で見たくもないのに『真夜中の恋愛論』を見たから、「何一つ砂粒ほども何も覚えてない」のだろう。「女優」「俳優」が「二人きり」しか出ない、しかも「全編」殆ど「全裸」の映画に「ガン見」。びっくりしてしまった。

「何一つ砂粒ほども何も覚えてない」もう一つの「大きな理由」は、女にモテなくて彼女がいなかったから、『真夜中の恋愛論』のように「男」「女」が「全裸」で語り合う経験などしたことなかった。もはや「鶏」には「非現実」にしか見えない。「自分とは全く関係ない」「遠い世界」の、「ファンタジー映画」でしかなかったのだろう。

「男」「女」が「つき合う」か「別れる」か、「出逢い」から「一晩の恋」で終わるかを「ミシェル・ドヴィル監督」が、「全裸」の「男」「女」の密室劇で見せる。

「ミシェル・ドヴィル監督」の「自身の経験談」か? 「ミシェル・ドヴィル監督」の「友達の経験談」か? 極限のくそリアリズムに「ガン見」。「顔さえ覚えてなかった」恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「マリー・トランティニャン」の「全裸」「極限の美」に、「瞬間」で「時間が止まった」。

こんな映画「今まで見たことない」だった。「誰も見たことがない」「新しいもの」だった。「ミシェル・ドヴィル監督」の攻撃的な作風におしっこ漏らしてしまった。

「ファンタジー映画」にしか見えなかった『真夜中の恋愛論』が、「極限のくそリアリズム」だと「理解」できただけでも、僕は生きてて良かったのかもしれない。「ミシェル・ドヴィル監督」の攻撃的な作風を「何一つ砂粒ほども何も覚えてない」「愚かさ」を思い知るしかなかった。「反省」「懺悔」「償い」で酒を飲み過ぎてしまった。




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画像 2020年 3月