『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』 ベンジャミン・スティーヴンソン | 固ゆで卵で行こう!

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35年前に父が警官を殺して以来、世間から白い目で見られているカニンガム家。
3年ぶりに一族が集まった雪山のロッジで見知らぬ男の死体が発見される。
家族の誰もが怪しい言動を取る中で、第2の殺人が起こり…。




読み始めると主人公の一人称と軽妙な語り口もあって読みやすいなと思ったものの、意外に複雑な内容というか、色々考え、推理というか推測しながら読んだせいで、思いのほか読み終えるのに時間が掛かりました。

しかし、最後の怒濤の謎解き場面も含めて楽しめました。

そもそも冒頭で主人公自身も含めて家族の全員が人を殺していると語られ、その家族全員が容疑者であり、語り手である主人公は、「ノックスの十戒」を引き合いに出しつつ、自分は信頼できる語り手であると宣言している様子は、めちゃくちゃ読者を煽ってますよね(笑)。

その、「家族の誰もが人殺し」だという言葉そのものが目くらましみたいのようなもので、ちょっと「ほっこり」させられる展開が待っていたのには何よりも意表をつかれましたし、おかげで読後感も良かったように思えます。

とはいえ謎解きらしく伏線は散りばめられていて、いかにもこれって伏線だよなと思う点も散見されます。

実際「あやしい」と感じたところは最後まで読むと、やはりそうだったのかと確認が取れましたが、その点と点を繋ぎきれなかった自分自身がちょっと悔しかったりも(笑)。

ただ、自分の読解力の無さのせいなのか、読みながら引っ掛かる部分もあり、また、正直意味が分からない部分も残っています。

読了後には色々と確かめたくなること受け合いの謎解きミステリー、果たして何もかもがフェアだったかどうかも含めて、読み終えた人同士で語りたくなりますね~。