スキーリゾート地である雪山の山腹にあるロッジ風の書店「ブック・シャレー」。
書店を営むエリー・クリスティは、姉のメグと共に山腹と麓を繋ぐゴンドラの中から、「ブック・シャレー」にクリスティの『春にして君を離れ』の初版本を置いていった見知らぬ男が死体となって発見される様を目撃する。
そして時を同じくして店の従業員である女性の行方が分からなくなっており…。
書店を営むクリスティ姉妹が、猫のアガサと殺人事件に挑む?!
「いや、こんなの絶対面白いでしょ!」
あらすじ読んだだけでそう思っちゃいますし、クリスティ好きにはなんともたまらない設定じゃないでしょうか。
実際、個性的なキャラクターや、コージーミステリーらしい、ほっこりするような展開が待っています。
また、事件そのものの背景にあるもの、それは人が持つ強欲さだったり、愛だったりして、そういった普遍的なものがテーマであったり、犯人のもつ異常性なども含め、クリスティへの愛がふんだんに詰まった一冊でした。
とはいえ読む終えるのに結構時間が掛かってしまいました。
読みながら色々引っ掛かる部分があって、何度も同じところを読み返す事になったりで、魅力的な設定だけに、この辺りが惜しい気が…。
なにはともあれ看板猫のアガサは可愛いので、猫好きさんはそれだけでも手に取る価値があるかも(笑)。