札幌市の公契約条例
jJampが23年12月1日に掲出した「公契約条例で素案=札幌市」は、市発注の工事や業務に従事する労働者に、一定額以上の賃金が支払われるようにする公契約条例を制定する方針の札幌市が、条例素案をまとめたとして、その内容について、対象となる契約を、▽工事は予定価格5億円以上(主要設備をあらかじめ製作し現場で組み立てる電気、機械設備のプラント工事は2億円以上)、▽施設清掃、施設警備、施設運転監視に関する業務委託は予定価格1000万円以上、としたと報じる。市は意見募集の上、さらに検討、来年の2月議会に提案する考えとか。全国的な公共事業の減少で、業者間の競争が激化しており、受注者の人件費削減と、これによる賃金低下といった状況がある中、適正な労働環境を確保し、事業の品質を保つのが条例制定の狙いで、市によると、千葉県野田市と川崎市が条例を制定済みとか。適用工事を5億円以上としたのは、報告書のチェックといった事務量や、大規模工事は下請け業者を含めた重層構造で労働者数も多いという「実効性と重層性」(管財部)を勘案したもので、ダンピングによる問題がないかを調べる低入札価格調査制度の対象と同水準になっているとのこと。2010年度ベースでは、該当する工事は契約金額で全体の約22%とか。業務委託の適用範囲である1000万円以上は、先行自治体と同等といい、22年度ベースでは約71%をカバーするとのこと。全ての指定管理者と結ぶ協定も対象とするとか。作業報酬下限額を設定する際、工事については農林水産、国土交通2省の公共工事設計労務単価を、指定管理者については市現業職員の初任給(13万8800円)を基準とし、有識者ら審議会の意見を踏まえて決めるとか。受注者は、下請け業者も含めた労働者の賃金額や職種などを提出し、受注者が支払うべき賃金を払っていない場合、市は是正を求め、正当な理由がないのに是正措置を講じない場合や虚偽報告などに対しては、業者名の公表、契約解除もできるとしたとか。市は、事業者への周知や審議会開催などで、制定から施行までに「数カ月単位は必要」(管財部)としていると記事は伝える。
地方公営企業の民営化は介護サービス
日経電子版が23年11月23日に掲出した「地方公営企業、54事業が民営化など検討 介護や病院 」は、全国の地方自治体が運営する地方公営企業のうち、54事業が民営化や民間譲渡を検討していることが、総務省の調査で明らかになったと報じる。介護サービスの20が最も多く、以下病院(6)、ガス(5)などが続いているとか。公営企業の事業譲渡は自治体の財政健全化につながるが、もともと財務体質が悪いケースも多く、民間の受け皿探しが課題と記事は説く。総務省は2010年4月時点で調査しており、54事業の中にはすでに事業譲渡を終えたケースも含まれているが、介護サービスが目立つのは受け皿企業の見つけやすさによるとみられ、内訳は都道府県と政令指定都市が11、市町村と事務組合が43で、北九州市は病院、観光施設、介護サービスの3つを検討対象にしていると答えたとか。過去5年間に実際に民営化・民間譲渡した事業数は116あり、06年度に23、07年度に19、08年度に23、09年度に31、10年度に20と、毎年20件程度のペー スで実現していて、うち介護が57と全体のほぼ半分を占め、これに病院の18が続いているとの由。
日銀のETF買入れで400億円の含み損
ロイターが23年11月21日に掲出した「日銀買い入れETFの含み損、株価急落で400億円以上に増大か 」〔東京 21日 ロイター:ロイターニュース 竹本能文;編集 石田仁志〕は、日銀が、昨年から行っている株価指数連動型の上場投資信託(ETF)買い入れで、400億円以上の含み損を抱えている公算が大きいと報じる。今月末にも予定されている2011年度上期決算で実額が明らかになるが、評価損が出れば結果的に納税者負担となると記事は伝える。日銀は昨年10月、包括金融緩和の一環としてETFの買い入れに踏み切っており、買い入れ限度額は、当初4500億円としていたが、東日本大震災直後や8月の追加緩和で1.4兆円まで拡大し、2012年末まで買い入れる予定で、すでに残高は7000億円を突破しているとのこと。日銀はETF購入を住友信託銀行に委託しており、対象銘柄については東証株価指数(TOPIX)、日経平均株価に連動する銘柄とするのみで、具体名を公表していないが、ロイターが今年9月末までに日銀が買い入れたETFがTOPIXもしくは日経平均株価に連動したと仮定して試算したところ、いずれのケースでも400億円以上の含み損を抱える結果となったとか。日銀はETFを原則として売らないが、含み損については引当金を計上し、2010年度決算では、ETFの評価損が21億円発生していて、不動産投資信託(J─REIT)でも評価損が1億円発生していて、ともに全額を引き当てた経緯がある。2011年度も通期ベースで評価損が膨らめば日銀の最終利益である剰余金が減少、そこから捻出する国庫納付金も減少すると記事は説く。日銀のETF購入は株式市場関係者を中心に評価が高いが、評価損が出れば、間接的に納税者負担で穴埋めされる格好となると記事は伝える。
山梨県林業公社も廃止の方向
読売サイト山梨ページが23年11月12日に掲出した「県林業公社 廃止へ 知事表明 県、債権183億円全額放棄 16年度末
」は、巨額の債務超過が見込まれる山梨県林業公社について、横内知事が11日、28年度末をめどに廃止する方針を県議会全員協議会で明らかにしたと報じる。県は公社の債務縮減を進めた上で、公社
の民有林整備事業を引き継ぐとのこと。債務縮減のための改革プランも明らかにされ、廃止時に県は、約183億円に上る公社に対する債権を全額放棄する方針とか。県林業公社は昭和40年に設立され、民有林所有者との間で、木材販売収入を6(公社)対4(所有者)で分配する分収林契約を結んで民有林を整備してきたが、木材価格が下落し、全契約が終了する平成67年度には約208億円の債務超過となるとの由。改革プランによると、4地域ごとの「林業公社改革推進協議会」を今年度中に設置し、廃止までの5年間に民有林所有者約5000人との契約改定を進め、木材販売収入を分配する公社側比率を「8」に引き上げ、廃止までの間、県は公社の借入金返還に必要な5億円前後を毎年補助する予定とか。公社廃止の際、公社が金融機関に対して負っている債務約63億円の償還も県が引き継ぎ、廃止に伴う県の負担額は最終的に167億円となる見込みとのこと。横内知事は全員協議会で、「分収林(契約)の仕組みが破綻していることを踏まえ、廃止するのが適当と判断した。国の拡大造林政策の問題が背景にあるので、国に支援を求めていく」と述べたと記事は伝える。
鳥取県の産業振興策
日本海新聞が23年11月15日に掲出した「三洋CE支援策で7億円の補正予算 県が提案へ 」は、急激な円高や来年1月のパナソニックグループの事業再編で、大量の離職者発生が見込まれることを受け、鳥取県が14日、200人規模の臨時的な雇用確保や三洋電機コンシューマエレクトロニクス(三洋CE)の取引先企業を想定した事業支援など、計6億9150万円を11月補正予算案に盛り込む方針を県議会に伝えたと報じる。企業の開発拠点を誘致するための条例改正案などを含め、28日開会予定の11月議会に提案するとのこと。介護や医療、環境などの重点分野において、雇用を前提に失業者の職場体験を受け入れる県内企業を支援する「重点分野職場体験型雇用事業」の枠を拡大し、年末に大量の離職者の発生が見込まれることを踏まえ、来年1月の募集開始を念頭に200人の受け皿確保を目指すとの由。国の3次補正予算案に盛り込まれた交付金を財源として見込んでおり、「県緊急雇用創出事業臨時特例基金」に新たに20億円を積み増すとか。また、中小企業の製品開発を支援する「ものづくり事業化応援補助金」に2600万円を追加し、三洋CEの取引先などを想定した特例措置を設けて助成額を上乗せするほか、商工労働部内に経営相談窓口を設け、サポート体制を強化するとのこと。一方、海外に製造拠点を移す国内企業が相次いでいることから、県は研究開発型の企業誘致の強化に乗り出し、研究開発拠点を県内に設けるため、企業が投資した土地や建物、設備などの固定資産に対する補助率を、従来の20%から全国の自治体でもトップレベルの30%まで引き上げる条例改正案を提案するとか。
空き家条例が制定され始めた
読売サイト関西ページが23年11月7日に掲出した「全国の空き家757万戸 窮余の条例化広まる 」は、空き家の適切な管理を所有者に義務付け、撤去規定なども盛り込んだ「空き家条例」が昨年以降、埼玉県所沢市や和歌山県、松江市など九つの自治体で制定されたことが読売新聞の調査でわかったと報じる。ほかに東北~九州の9自治体が制定を予定したり、検討したりしているとも。総務省の20年の調査では、全国の空き家は約757万戸に上るが、国は抜本的な対処方針を示しておらず、管理不十分な空き家には放火など防犯上の問題や災害時の危険もあり、条例制定の動きはさらに広まりそうと記事は伝える。賃貸住宅の空室や別荘なども含む空き家の総数は20年までの10年間に約180万戸増え、全住宅の13・1%を占めており、増加の背景には核家族化や少子化、山間部の過疎化など様々な要因があるとの由。空き家には不審者の出入りや放火が懸念され、災害時の危険もつきまとい、21年3月には兵庫県尼崎市の市場の空き店舗付近が放火され約40戸が焼失しており、秋田県横手市などでは今年初めに豪雪で、高知県香南市では昨年8月に台風で、それぞれ老朽家屋が倒壊したとのこと。建築基準法では、自治体は著しく危険な建物の所有者に撤去を命令できるが具体的手続きの規定がないため、自治体が対応に困ることも多く、国土交通省は「自治体が実効的に対応できる方策が必要」として22年度に調査を予定したが、21年11月の事業仕分けで予算計上が見送られて頓挫したとの由。こうした中、条例で独自に対策に乗り出す自治体が出てきており、昨年7月に全国で初めて制定した埼玉県所沢市は、管理不十分な所有者に適切な措置を取るよう指導や命令を行い、最終的に応じない場合は所有者名を公表するとしていて、同10月の施行後は、年1、2件だった自主撤去が14件に増えるなどの効果が表れ、全国約150の自治体から視察や問い合わせが相次いでいるとのこと。賃貸住宅や別荘などを除く実質的な空き家の割合が全国で最も高い和歌山県(9・1%)は、24年1月に都道府県で初めて施行し、景観を損なう廃虚が対象で、行政代執行の費用を所有者に支払わせるとのこと。2位の島根県(9・0%)では松江市が先月施行しており、行政代執行費に加え、景観への影響が大きい中心市街地では5万円以下の過料を徴収するとの由。
市町村災害共済基金組合を解散する福岡県
西日本新聞サイトが23年11月4日に掲出した「災害基金組合を解散へ 市町村に計157億円返還 」は、自然災害に備え、福岡県内の全60市町村が拠出した基金を運用する一部事務組合「福岡県市町村災害共済基金組合」が25年3月末で解散し、基金約157億円が全市町村に返還されると報じる。事務を担当する同県町村会は「災害時の国の財政支援が充実し、解散しても支障はないと判断した」としているとか。返還額は過去の拠出額に応じ、57市町村で1億円を超え、市町村にとっては自由に使える臨時の財源となるが、東日本大震災以降、災害への備えが重視されているだけに、組合の解散を疑問視する声も上がっていると記事は伝える。県町村会は、21年に発覚した前町村会長らの詐欺・汚職事件の反省から、所管する一部事務組合四つを統廃合し、会計の透明化を図ることになっており、同共済基金組合の解散も、その一環とか。同共済基金組合は、筑後川が氾濫するなど県内で総額186億円の被害が出た昭和47年の「昭和47年7月豪雨」をきっかけに、翌48年に設立され、県内の全市町村がそれぞれ1億円を目安に拠出し、発足時には98市町村があり、低利貸し付けの運用もあって、残高が157億円に膨らんだとの由。1980年代までは年間に十数件、総額数億円の基金活用例があったが、最近は数年に1度、2千万-3千万円程度に減少しており、数年前から不要論がくすぶっていたとの由。返還額が多いのは複数の市町村が合併した自治体で、最高は6市町村が合併した八女市の9億6300万円で、積立額が少なかった太宰府市と福岡市、粕屋町は1億円を下回るとか。使途について八女市は「多額でもあり、まったく未定」としていると記事は伝える。
自治体病院の経営状況
日経電子版が23年10月31日に掲出した「自治体病院、11年度は4割が経常赤字 総務省 」は、総務省が31日発表した全国905の自治体病院の経営状況によると、全体の39.3%に当たる356病院で23年度の経常収支が赤字になることがわかったと報じる。同省は全国の自治体に21年度からの3年間で経営効率化を進めるよう促してきたが、中山間地や過疎地にある病院では人件費削減などのコスト圧縮が容易でなく、改革も遅れがちとみられると記事は伝える。今年度の経常赤字を見込む356病院のうち、6割に当たる229病院は24年度以降の黒字化を想定しているが、さらに40病院は黒字化の目標時期を示しておらず、経営改善のメドは立っていないとか。赤字病院は診療報酬の改定で収入が増えたものの、人件費や医療資材費のコスト削減が進まなかったとか。905病院は今年度までの3年間を目標とする経営効率化計画を作成済みであり、経常黒字化に加え、医業収益に対する職員給与費の割合の低下、病床利用率の上昇も目標にしているが、総務省によると、全体の4分の1に当たる230病院はこの3つの指標全てで今年度中の目標達成が困難としているとか。
行政委員報酬に日額制を導入する動き
東京新聞が23年10月30日に掲出した「行政委員報酬 月額から日額制、加速
」〔横井武昭、室木泰彦〕は、教育委員会や公安委員会など自治体の行政委員会委員(非常勤)の報酬について、月額制を違法と判断した21年の大津地裁判決後に、神奈川、茨城、群馬の首都圏の3県を含む29道府県が日額制を導入したことが分かったと報じる。報酬制度を検討中の石川県が調査したもので、一方で同判決後、月額制を容認する判決が東京地裁など6地裁で続いており、司法判断の行方を見極めながら対応を図ろうとする自治体もあると記事は伝える。選挙管理委員長を除く行政委員の月額報酬について、大津地裁判決は勤務日が少ないなど実態に合わないとして初めて違法と判断し、月額報酬を疑問視する声が高まったが、調査によると、判決後に日額制を導入したのは29道府県あり、このうち静岡など4県がすべての行政委員会委員の報酬を日額制に変えていて、神奈川、茨城、群馬など17道府県は、一部の行政委員会の報酬を日額制にしたとか。残る愛知など8県は月額報
酬を低く抑え、勤務日数に応じ日額報酬を加算する月額・日額併用制としたとのこと。一部を日額制とした17道府県のうち、勤務日数を基準に日額制に改めるかどうかを判断したのは神奈川など5県で、神奈川の場合、拘束時間が長いなどの理由で、公安委員と、監査委員の一部は月額制を維持しており、他の12道府県は、勤務日数に業務の特性を加味して判断したとのこと。一方、千葉など12府県は全行政委員会で月額制を維持しているとか。また東京、埼玉、栃木など6都県は、判決前から一部に日額制を取り入れていたとの由。大津地裁で争われた事案は上告中で、11月24日に弁論が開かれるが、大津地裁判決後の宇都宮など6地裁判決は、すべて月額制を合法と判断しており、大津地裁判決も最高裁で覆る可能性が指摘されていると記事は伝える。石川県は検討委員会を設けてどう見直すか検討しており、最高裁判決後に決めることにしているが、一部委員からは「結論が延びるほど(月額制で)多くの税金が投入される」との声も出ているとか。
F15改修で契約解除された東芝が国を提訴
朝日コムが23年10月31日に掲出した「東芝、93億円支払い求め国提訴 戦闘機改修契約解除で 」は、防衛省が発注したF15戦闘機の改修事業をめぐり、東芝(東京)が国に未払い代金のうち約93億円を求める訴訟を東京地裁に起こしていたと報じる。東芝は「契約書に書かれていない性能を要求され、不当に契約を解除された」と主張していると記事は伝える。防衛省は、戦闘機に撮影機材などを取り付けて偵察機に改修し、画像を地上に送るシステムをつくる事業を計約123億円で19~21年度に東芝と契約したが、システムの一部の開発が期限までに終わらなかったとして、今年2月に契約解除を通知しており、代金は払わず、違約金約12億円も求めたとの由。これに対し、東芝は違約金の支払いを拒否したうえ、受注額のうち93億円を求めて7月に提訴したもので、第1回口頭弁論は11月25日に予定されているとか。防衛省は「係属中の事件に関するコメントは差し控えたい。今後の対応については、関 係機関と協議の上、適切に対処したい」とコメントしているとのこと。