空き家条例が制定され始めた | 公会計の動向

空き家条例が制定され始めた

 読売サイト関西ページが23年11月7日に掲出した「全国の空き家757万戸 窮余の条例化広まる 」は、空き家の適切な管理を所有者に義務付け、撤去規定なども盛り込んだ「空き家条例」が昨年以降、埼玉県所沢市や和歌山県、松江市など九つの自治体で制定されたことが読売新聞の調査でわかったと報じる。ほかに東北~九州の9自治体が制定を予定したり、検討したりしているとも。総務省の20年の調査では、全国の空き家は約757万戸に上るが、国は抜本的な対処方針を示しておらず、管理不十分な空き家には放火など防犯上の問題や災害時の危険もあり、条例制定の動きはさらに広まりそうと記事は伝える。賃貸住宅の空室や別荘なども含む空き家の総数は20年までの10年間に約180万戸増え、全住宅の13・1%を占めており、増加の背景には核家族化や少子化、山間部の過疎化など様々な要因があるとの由。空き家には不審者の出入りや放火が懸念され、災害時の危険もつきまとい、21年3月には兵庫県尼崎市の市場の空き店舗付近が放火され約40戸が焼失しており、秋田県横手市などでは今年初めに豪雪で、高知県香南市では昨年8月に台風で、それぞれ老朽家屋が倒壊したとのこと。建築基準法では、自治体は著しく危険な建物の所有者に撤去を命令できるが具体的手続きの規定がないため、自治体が対応に困ることも多く、国土交通省は「自治体が実効的に対応できる方策が必要」として22年度に調査を予定したが、21年11月の事業仕分けで予算計上が見送られて頓挫したとの由。こうした中、条例で独自に対策に乗り出す自治体が出てきており、昨年7月に全国で初めて制定した埼玉県所沢市は、管理不十分な所有者に適切な措置を取るよう指導や命令を行い、最終的に応じない場合は所有者名を公表するとしていて、同10月の施行後は、年1、2件だった自主撤去が14件に増えるなどの効果が表れ、全国約150の自治体から視察や問い合わせが相次いでいるとのこと。賃貸住宅や別荘などを除く実質的な空き家の割合が全国で最も高い和歌山県(9・1%)は、24年1月に都道府県で初めて施行し、景観を損なう廃虚が対象で、行政代執行の費用を所有者に支払わせるとのこと。2位の島根県(9・0%)では松江市が先月施行しており、行政代執行費に加え、景観への影響が大きい中心市街地では5万円以下の過料を徴収するとの由。