行政委員報酬に日額制を導入する動き
東京新聞が23年10月30日に掲出した「行政委員報酬 月額から日額制、加速
」〔横井武昭、室木泰彦〕は、教育委員会や公安委員会など自治体の行政委員会委員(非常勤)の報酬について、月額制を違法と判断した21年の大津地裁判決後に、神奈川、茨城、群馬の首都圏の3県を含む29道府県が日額制を導入したことが分かったと報じる。報酬制度を検討中の石川県が調査したもので、一方で同判決後、月額制を容認する判決が東京地裁など6地裁で続いており、司法判断の行方を見極めながら対応を図ろうとする自治体もあると記事は伝える。選挙管理委員長を除く行政委員の月額報酬について、大津地裁判決は勤務日が少ないなど実態に合わないとして初めて違法と判断し、月額報酬を疑問視する声が高まったが、調査によると、判決後に日額制を導入したのは29道府県あり、このうち静岡など4県がすべての行政委員会委員の報酬を日額制に変えていて、神奈川、茨城、群馬など17道府県は、一部の行政委員会の報酬を日額制にしたとか。残る愛知など8県は月額報
酬を低く抑え、勤務日数に応じ日額報酬を加算する月額・日額併用制としたとのこと。一部を日額制とした17道府県のうち、勤務日数を基準に日額制に改めるかどうかを判断したのは神奈川など5県で、神奈川の場合、拘束時間が長いなどの理由で、公安委員と、監査委員の一部は月額制を維持しており、他の12道府県は、勤務日数に業務の特性を加味して判断したとのこと。一方、千葉など12府県は全行政委員会で月額制を維持しているとか。また東京、埼玉、栃木など6都県は、判決前から一部に日額制を取り入れていたとの由。大津地裁で争われた事案は上告中で、11月24日に弁論が開かれるが、大津地裁判決後の宇都宮など6地裁判決は、すべて月額制を合法と判断しており、大津地裁判決も最高裁で覆る可能性が指摘されていると記事は伝える。石川県は検討委員会を設けてどう見直すか検討しており、最高裁判決後に決めることにしているが、一部委員からは「結論が延びるほど(月額制で)多くの税金が投入される」との声も出ているとか。
F15改修で契約解除された東芝が国を提訴
朝日コムが23年10月31日に掲出した「東芝、93億円支払い求め国提訴 戦闘機改修契約解除で 」は、防衛省が発注したF15戦闘機の改修事業をめぐり、東芝(東京)が国に未払い代金のうち約93億円を求める訴訟を東京地裁に起こしていたと報じる。東芝は「契約書に書かれていない性能を要求され、不当に契約を解除された」と主張していると記事は伝える。防衛省は、戦闘機に撮影機材などを取り付けて偵察機に改修し、画像を地上に送るシステムをつくる事業を計約123億円で19~21年度に東芝と契約したが、システムの一部の開発が期限までに終わらなかったとして、今年2月に契約解除を通知しており、代金は払わず、違約金約12億円も求めたとの由。これに対し、東芝は違約金の支払いを拒否したうえ、受注額のうち93億円を求めて7月に提訴したもので、第1回口頭弁論は11月25日に予定されているとか。防衛省は「係属中の事件に関するコメントは差し控えたい。今後の対応については、関 係機関と協議の上、適切に対処したい」とコメントしているとのこと。
佐賀県か市町村の22年度徴収率は改善
朝日コム佐賀ページが23年10月26日に掲出した「市町村税の徴収率 昨年度分を公表 」は、佐賀県が25日、22年度の県内20市町の市町村税の徴収実績を公表し、これによると、課税額と滞納繰り越し分の合計金額のうち、徴収できた割合を示す徴収率が92・8%で、前年度(92・6%)をわずかに上回ったと報じる。県市町村課によると、22年度に20市町が住民や法人に課した市町村民税や固定資産税、軽自動車税などの総額は1052億4800万円で、前年度より2億8千万円の減少となっており、これに対し、徴収した総額は同1200万円減の977億1900万円だったとか。市町村税の徴収率は、9年度までは95%以上で推移していたが、景気低迷などの影響で徴収率は悪化の一途をたどり、16年度には91・1%にまで低下したとの由。そこで徴収率向上のため、自動車のタイヤロックによる財産差し押さえやインターネット公売などを実施し、コンビニエンスストアでの納付など納めやすくする工夫もこらして、徴収率は回復していたとか。21年4月には県と17市町による県滞納整理推進機構が発足し、滞納差し押さえを強化して、22年度は目標を上回る6億5700万円を徴収したとのこと。徴収率の上位3位は玄海町(99・1%)、基山町(97・4%)、佐賀市(96・2%)で前年度と変動はなく、一方、最下位の嬉野市(76・2%)と19位の有田町(87・5%)も同じ顔ぶれで、景気低迷による観光業の不振が影響しているとか。
行政監査の結果を踏まえて土地開発公社について検討
毎日jp香川ページが23年10月25日に掲出した「県土地開発公社:塩漬けで「含み損」91億6900万円 県、解散視野に検討 /香川
」〔中村好見〕は、香川県土地開発公社(理事長=元副知事)が長期間保有している未利用地、いわゆる「塩漬け土地」の簿価と時価評価額の差である「含み損」が91億6900万円(7月1日現在)に上っており、有識者からなる県土地開発公社改革検討委員会(会長=井原理代・香川大名誉教授)が近くまとめる意見を踏まえて、県は公社解散も視野に将来のあり方を検討する方針と報じる。公社は、昭和47年に公共用地の取得、処分などを目的に、県が全額出資し設立しており、瀬戸大橋、高松空港、四国横断自動車道のいわゆる三大プロジェクト関連の整備事業用地や、サンポート高松用地の先行取得などを担当してきたが、景気低迷や財政状況悪化に伴い、先行取得を依頼した県が一部事業を見直したのに加え、民間への売却も進まず、長期保有の土地が増えていったとの由。公社が保有している土地は、昭和49年に取得した生島えび養殖場跡地」(高松市生島町)など8カ所(計24万平方メートル)あり、37~7年間「塩漬け」となっていて、時価評価額(7月1日現在)は計37億5900万円で、取得費に利息や造成費などを合わせた簿価129億2800万円を、91億6900万円下回っているとのこと。土地取得後、地価が39億500万円も下落して簿価の3割弱となっており、土地を時価評価すると、公社自体が債務超過の状態とか。さらに土地を買収した資金の一部は民間金融機関からの借り入れのため、利息が毎年約1億円積み上がり、借り入れ残高は昨年度末時点で82億5700万円に上っているとのこと。公社を解散すると、借入金は債務保証している県が最終的に負担するよう求められ、利用が決まっていない土地は売却方針だが、売れなければ、県民負担が膨らむ恐れもあると記事は伝える。県が公社の改革に取り組むのは、昨年度の行政監査で指摘を受けたのがきっかけで、県は4月に対策室を設けると、6月に改革検討委員会を発足させており、さらに、国が25年度までの時限措置として「第三セクター等改革推進債」制度を創設し、土地開発公社や道路公社の整理を集中的に促している事情があるとのこと。推進債の
返済費は一部国が負担してくれるため、地方自治体にもうまみがあり、同委員会の会合でも、少しでも将来の負担を抑えようと解散を求める意見が大勢で、県は次回会合で取りまとめられる予定の最終意見を参考に、改革の方向性を決定する方針とか。
公表資料:未利用県有地等の利活用及び処分について
収入未済額で計上していた未収水道料を不納欠損処理したところ百条委
読売サイト埼玉ページが23年10月19日に掲出した「会計処理に疑問 百条委宮代町議会設置 下水道決算めぐり 」は、宮代町の22年度公共下水道事業特別会計決算の会計処理に疑問があるとして、宮代町議会が18日の臨時議会で、地方自治法100条に基づき強制調査権を持つ調査特別委員会(百条委員会)の設置を決め、委員11人を選任したと報じる。26日に初会合を開くとか。9月議会に提出された同決算では、町は5~17年度の受益者負担金の滞納額約980万円を、5年の時効が成立し徴収できなくなった「不納欠損額」として計上しているが、21年度決算までは「収入未済額」として処理していたとか。町側は「不納欠損額と、処理すべき時期についての、法令上の明確な規定はない」と説明したが、同決算は議会最終日の9月28日に不認定とされたとの由。今月18日の臨時議会で行われた、百条委設置決議を巡る討論では、決算を不認定とした議員から「督促がどのように行われ、滞納対策はどうなっていたか調査する必要がある」と賛成意見が出された一方、「調査権を発動しなくても通常の委員会や監査請求などで調査できる」との反対意見もあったが、採決の結果、賛成7、反対6だったとか。庄司博光町長は臨時議会の最後に「引き続き理解を得られるよう努力していきたい」と述べたとのこと。
消費税滞納業者も入札に参加できるとは
読売が10月17日に掲出した「総務省、入札の規制検討 消費税滞納業者が地方公共事業受注」〔有光裕〕は、総務省が消費税を滞納している事業者が、地方自治体が発注する公共事業を受注することを規制する方向で検討に入ったと報じる。社会保障・税一体改革で本格化する消費税率の引き上げ論議を控え、政府は自治体に入札の参加資格を厳しくするよう求める構えだが、具体策を打ち出せるかどうか見通せないと記事は伝える。
22年度決算は好転
日経電子版が23年10月14日に掲出した「破綻懸念自治体、6市町村に減少 総務省 」は、総務省が14日、22年度決算に基づく地方自治体の財政の健全度を発表したと報じる。破綻懸念がある「早期健全化団体」は前年度の13市町村から6市町村に減少しており、公共投資の削減など財政再建への取り組みが進んだ形で、財政破綻状態にある「財政再生団体」も引き続き北海道夕張市だけだったとか。ただ今年度は東日本大震災などの影響で自治体の支出は軒並み拡大しており、地方自治体の財政が悪化する恐れがあると記事は伝える。総務省は地方財政健全化法に基づき、赤字の規模や借金の返済負担の重さなどから破綻の恐れのある自治体に早期の財政再建を促しており、夕張市は全国唯一の再生団体で、現在は国の管理下で財政再建に取り組んでいるが、41年度が目標年次のため、その頃まで再生団体の状態が続く見通しとのこと。健全化団体は北海道洞爺湖町、青森県大鰐町、奈良県御所市、大阪府泉佐野市、沖縄県座間味村、同伊是名村の6つで、いずれもすでに自前の健全化計画に沿って財政再建に着手しているとのこと。22年度に対象から外れたのは7町村で、うち北海道由仁町と鳥取県日野町は当初計画より早く財政状態が改善する見込みとなったとか。22年度の地方財政は公共投資の削減や人件費抑制などで一時的に改善に向かったもようで、財政の硬直度を示す経常収支比率は、都道府県が91.9%と2年ぶりに低下し、市町村も89.2%と7年ぶりに90%台を割ったが、いずれも地方交付税の増加が寄与した格好で、国頼みの構図は変わらずと記事は評する。総務省は「厳しい構造が改善したわけでなく、先行きは不透明」と警戒していると記事は伝える。
近畿の早期健全化団体で改善が進んでいる
日経電子版が23年10月14日に掲出した「近畿の自治体、財政危機から相次ぎ脱却
」は、財政破綻の恐れを指摘されていた近畿の自治体が相次ぎ、前倒しで危機的状況から脱却していると報じる。大阪府泉佐野市はこのほど6年前倒しで早期健全化団体から脱却する新計画をまとめており、奈良県御所市も1年前倒しで実現できそうで、計画通りに改善が進めば、近畿では26年度決算で早期健全化団体が姿を消すとのこと。だが、京都市、大阪市など大都市を中心に近畿の多くの自治体は今も財政難に悩まされており、一層の行財政改革が求められていると記事は伝える。泉佐野市は、関西国際空港の開港に絡む過大な公共事業により財政が悪化して、20年度決算を基に21年度から運用が始まった国の新制度により早期健全化団体になり、このとき策定した計画では健全化団体からの脱却は39年度決算としていたが、22年12月にまとめた従来計画では早期健全化団体からの脱却時期を32年度決算としており、新計画では、さらなる歳出削減などを盛り込み、達成時期を26年度決算に繰り上げたとの由。今も公社や第三セクターが抱える分まで含めた総債務(10年度末)は1480億円と税
収の7.6倍に上っているが、地方債の一部などについて償還の延長が認められ、支出の平準化ができるようになったため、昨年末に健全化団体からの脱却時期を7年前倒しする計画を再策定し、3度目となる今回の新計画は4月に初当選した千代松大耕市長の「自分の4年の任期内に脱却する」とした選挙公約に沿ったものだとか。市の一般職員の給与引き下げにまで踏み込んだのが最大の特徴で、市単独の収支状況を表す実質収支の赤字(22年度は6億2600万円)を24年度決算で黒字化し、脱却条件の1つを達成するとのこと。地方債償還を進め、市が関係する全事業の債務の大きさを表す将来負担比率を338%と早期健全化の基準値(350%)未満にする計画にしたとの由。泉佐野市は新市長の就任後、市長、副市長、教育長、一般職員の退職金廃止や給与引き下げなどを相次ぎ実施しており、関空と対岸を結ぶ連絡橋を通行する車両から1台ごとに100円ずつ徴収する独自課税も来春以降の実施を計画中で、これら一連の施策で年間8億~9億円の収支改善を見込むとか。ただ、一般職員の給与引き下げは来年4月以降について市議会や職員組合との合意ができておらず、独自課税も総務相の同意が得られるか不透明な情勢で、泉佐野市の新しい財政再建計画は実効性の面でまだ不確実な部分を残していると記事は伝える。御所市も21年度に策定した計画より1年早く、約1年後にまとまる23年度決算で早期健全化団体を脱却できる見通しで、御所市の基準達成は実質収支の黒字化が条件となっていて、22年度決算では2億2900万円を予想していた赤字幅が1億4600万円(21年度は8億2200万円の赤字)に縮小しており、従来、赤字予想だった23年度決算の実質収支は4800万円の黒字予想に見直しをしたとの由。早期退職者
の増加による人件費抑制や市税徴収率の向上が計画を上回るペースで進んでいるとか。
義援金が届いた
47NEWSが23年10月5日に掲出した「義援金7割が被災者に 5道県は支給完了 」〔共同通信〕は、東日本大震災で日赤などに寄せられた義援金3269億円(9月30日時点)のうち、約7割に当たる2273億円が被災者に届いたことが厚生労働省の集計で分かったと報じる。8月半ば時点では被災者への支給は5割程度にとどまっていたが、各自治体で手続きが進み、送金対象の15都道県のうち北海道、山形、群馬、新潟、長野の5道県で支給が完了しており、被害が大きい岩手、宮城、福島の3県でも大部分の市町村で支給率が8割を超えたとか。
長野県は発電事業の売却方針を再検討
朝日コム長野ページが23年9月30日に掲出した「県の水力発電所、売却を再検討 」〔伊藤唯行〕は、長野県企業局が運営する水力発電事業が、東日本大震災後の自然エネルギーへの関心が高まる中で存在感を増しており、県は来年度から中部電力への事業売却を考えていたが、阿部守一知事は開会中の県議会で再検討を表明したと報じる。県営電気事業が、県が進める太陽光や小水力など他の自然エネルギー発電事業の母体になる可能性もあると記事は伝える。県が運営する水力発電所は14カ所で、県内電力消費量の3%(年約4億キロワット時)を供給しており、全量を中部電力に販売していて、価格は発電コストを積算する「総括原価方式」で決めるため、事故など急な出費がなければ赤字にならず、安定経営ができる仕組みとか。ただ電力自由化で22年に原価方式が廃止予定だったことから、県は収益悪化は避けられないと判断し、15年に発電事業の中電への売却を表明して同社との交渉を始めており、13カ所を同社に売却し、1カ所を廃止する方向で動いていたとのこと。ところが国は昨年、原価方式の10年間の継続を決定し、急激な収益悪化は避けられる見通しとなり、一方で売却交渉は土地の権利や地元との調整で難航していて、22年度に譲渡の予定が、現在は「24年度から段階的に」(同局)と大幅にずれ込んでいるとのこと。一方で震災による原子力発電所の事故で水力発電など自然エネルギーへの注目度は増し、県が持つノウハウを生かすためにも事業を継続するべきだという意見が出てきており、28日の県議会一般質問でも県議から「状況は変わった。売却は見直すべきだ」と指摘があり、阿部知事は「再検討して、方向性を来年前半には示す」と回答したとの由。阿部知事は豊かな自然を持つ長野の特性を生かし、県内を小水力や太陽光などの自然エネルギーの集積地にする構想を持っており、そのための中核組織として、発電に精通する企業局の活用も視野に入れていて、「何かをやるにしても核になる組織が必要。何もない所から作るのは大変なので、(県の電気事業は)期待できる」と話しているとか。ただ原価方式が維持されても、黒字運営になるとは限らず、今春には主力の春近発電所(伊那市)が事故で停止し、今年度決算は赤字の可能性が高く、老朽化した発電所では、事業継続で大きな投資が必要になることも考えられ、雨量による発電量の上下動も収益を不安定にさせる要素とか。阿部知事は「継続するメリットとデメリットをしっかりと見極めて判断したい」と話し、県の新中期総合計画の作成を始める来年前半までには判断する考えと記事は伝える。