近畿の早期健全化団体で改善が進んでいる | 公会計の動向

近畿の早期健全化団体で改善が進んでいる

 日経電子版が23年10月14日に掲出した「近畿の自治体、財政危機から相次ぎ脱却 」は、財政破綻の恐れを指摘されていた近畿の自治体が相次ぎ、前倒しで危機的状況から脱却していると報じる。大阪府泉佐野市はこのほど6年前倒しで早期健全化団体から脱却する新計画をまとめており、奈良県御所市も1年前倒しで実現できそうで、計画通りに改善が進めば、近畿では26年度決算で早期健全化団体が姿を消すとのこと。だが、京都市、大阪市など大都市を中心に近畿の多くの自治体は今も財政難に悩まされており、一層の行財政改革が求められていると記事は伝える。泉佐野市は、関西国際空港の開港に絡む過大な公共事業により財政が悪化して、20年度決算を基に21年度から運用が始まった国の新制度により早期健全化団体になり、このとき策定した計画では健全化団体からの脱却は39年度決算としていたが、22年12月にまとめた従来計画では早期健全化団体からの脱却時期を32年度決算としており、新計画では、さらなる歳出削減などを盛り込み、達成時期を26年度決算に繰り上げたとの由。今も公社や第三セクターが抱える分まで含めた総債務(10年度末)は1480億円と税
収の7.6倍に上っているが、地方債の一部などについて償還の延長が認められ、支出の平準化ができるようになったため、昨年末に健全化団体からの脱却時期を7年前倒しする計画を再策定し、3度目となる今回の新計画は4月に初当選した千代松大耕市長の「自分の4年の任期内に脱却する」とした選挙公約に沿ったものだとか。市の一般職員の給与引き下げにまで踏み込んだのが最大の特徴で、市単独の収支状況を表す実質収支の赤字(22年度は6億2600万円)を24年度決算で黒字化し、脱却条件の1つを達成するとのこと。地方債償還を進め、市が関係する全事業の債務の大きさを表す将来負担比率を338%と早期健全化の基準値(350%)未満にする計画にしたとの由。泉佐野市は新市長の就任後、市長、副市長、教育長、一般職員の退職金廃止や給与引き下げなどを相次ぎ実施しており、関空と対岸を結ぶ連絡橋を通行する車両から1台ごとに100円ずつ徴収する独自課税も来春以降の実施を計画中で、これら一連の施策で年間8億~9億円の収支改善を見込むとか。ただ、一般職員の給与引き下げは来年4月以降について市議会や職員組合との合意ができておらず、独自課税も総務相の同意が得られるか不透明な情勢で、泉佐野市の新しい財政再建計画は実効性の面でまだ不確実な部分を残していると記事は伝える。御所市も21年度に策定した計画より1年早く、約1年後にまとまる23年度決算で早期健全化団体を脱却できる見通しで、御所市の基準達成は実質収支の黒字化が条件となっていて、22年度決算では2億2900万円を予想していた赤字幅が1億4600万円(21年度は8億2200万円の赤字)に縮小しており、従来、赤字予想だった23年度決算の実質収支は4800万円の黒字予想に見直しをしたとの由。早期退職者
の増加による人件費抑制や市税徴収率の向上が計画を上回るペースで進んでいるとか。