東京高検の捜査対象に証拠隠滅の有無
記事は、官公庁発注の鋼鉄製橋梁工事をめぐる談合事件で、組織的な証拠隠しが疑われるケースが相次いでいるとして、検察当局が、業界の受注調整の実態に加え、捜査に備えた証拠隠滅の有無の解明にも重点をおいた捜査を始めたと報じる。家宅捜索した橋梁メーカーの横河ブリッジなど談合組織の加盟社や日本道路公団の関係者に対し、意図的な資料隠しなどがなかったかどうか詳しく説明を求めているとのこと。橋梁談合事件で東京高検は、国土交通省発注工事をめぐる独占禁止法違反(不当な取引制限)の罪で関係者・法人を起訴し、続いて、道路公団ルートを捜査しているかず、国交省ルートで法人として起訴され、公団ルートでも刑事告発された横河ブリッジでは、資料が女子更衣室や東京都内の自社ビルに隠されていたとか。高検は同社関係者の供述をもとに数回の家宅捜索を重ね、これらの資料を押収しているとのこと。また、6月29日に強制捜査が始まった道路公団ルートでは、公団本社で保管していた多くの技術系資料が同月になって東京都町田市の公団施設に移されており、加えて、一部を持ち帰るなど資料の移動が進んでいるとの事前情報もあったことから、高検は当初の予定より対象を増やして大規模な捜索を実施し、企画部職員の自宅からは、公団職員の天下りに関連する資料が押収されたとか。高検はこうした資料の移動状況の分析や関係者の聴取で、組織的な証拠隠しがなかったか詳細に検討する構えと記事は伝える。公団施設への資料の移動について、公団側は「組織改編に伴うものだ」と説明しているとのこと。
公務であれば歳出であるが、自治体の需要がなければ執行はできない
記事は、宮城県警捜査報償費の執行停止問題で、県警側が幹部職員からカンパを募っていることについて、総務省が県側の照会に対して「公務に私的なお金を使うのは地方自治法に抵触する可能性がある」と口頭で伝えていたと報じる。県財政課によると、地方自治法は「会計年度における一切の収入と支出を予算に編入しなければならない」と定めているが、県警のカンパは歳入予算に計上されていないとのこと。今後、カンパの方法について県警側に聴取し、是正を求める方針とか。また、同課は執行停止についても総務省に報告したが、特に異論はなかったとか。
要は、公務に要する経費と観念するかどうかであり、知事側は公務に要しない費用ということで執行停止としている以上、カンパを集めて要する人に支給することに文句を言うことはできないはず。
所得税法56条は合憲
記事は、弁護士の夫が税理士の妻と顧問契約を結んだ場合、支払った報酬が「必要経費」と認められるかどうかが争われた訴訟で、最高裁第3小法廷が5日、必要経費と認めない判決を言い渡したと報じる。国と東京都が経費と認めず、課税したことを有効と認め、弁護士の不当利得返還請求を退けた2審・東京高裁の逆転判決を支持したとのこと。原告の弁護士は、独立した事務所を持つ税理士の妻に95~97年に報酬約290万円を支払ったが、税務署は経費と認めず、一方、事務所を共同経営している他の弁護士は同じように宮岡弁護士の妻に報酬を支払って、経費と認められたとの由。訴えた弁護士は所得税のうち56万円、事業税のうち5万円を誤納金として返還するよう求めて提訴し、上告審では「憲法の平等原則に違反する」と主張したとのこと。問題になったのは「生計を一にする配偶者に、事業に従事したことなどにより、対価を支払った時は、対価は経費に算入しない」と定めた所得税法56条で、「事業に従事したことなど」をどこまで広く解釈するかが争われていたが、第3小法廷は「配偶者が別に事業を営む場合でも、そのことを理由に56条の適用を否定することはできない。課税は憲法の平等原則に違反しない」と述べたとのこと。現在の所得税法は、「個人を単位にした課税」を基本にしており、これに対し、56条は例外的に「世帯を単位にした課税」という考え方に基づいているが、一審・東京地裁は個人単位課税の原則を強調し、56条はあくまで例外的な規定だと位置づけて、国と都に計42万円の返還を命じたのに対し、2審・東京高裁は「世帯を単位とした考え方にもなお一定の合理性はある」との立場から「事業に従事したことなど」を広く解釈し、「今回のケースは56条に当たる」と判断して弁護士の請求を棄却したとのこと。
道路公団の文書破棄騒動
記事は、日本道路公団発注の鋼鉄製橋梁工事をめぐる談合事件で、東京高検による道路公団本社の家宅捜索に先立ち、本社の職員がパソコンのデータを移動、消去したり、大量の社内文書を廃棄したりした上、捜索時には企画部の職員がデータを消しているところを係官に見つかったと報じる。東京高検は企画部のパソコンのデータをプリントアウトさせて押収しており、組織ぐるみで証拠隠滅を指示、実行した形跡がないかどうかも調べているとのこと。関係者によると、国発注の橋梁工事をめぐる談合事件が告発された5月下旬ごろから、道路公団は「オフィスクリーン週間」を設け、各部署で大量の文書がシュレッダーにかけられており、同時にパソコンに残っている文書やデータをフロッピーなどに移して持ち帰ったり、消したりする職員が相次いだとか。当時の様子について、公団職員の1人は「ごみ箱が連日いっぱいになった。処分基準は職員個々の判断に任された」と話しているとの由。データ消去は6月29日の捜索当日も続き、東京高検の係官が見つけた職員は、技術系職員(技官)の人事を差配する企画部でデータベースの管理維持が担当とか。企画部では、技官OBの再就職状況などを記録した“天下りファイル”を職員が自宅に持ち帰っていたことが既に判明しているとも。また本社から日本道路公団試験研究所(東京都町田市)に大量の資料が持ち込まれ、東京高検は同研究所も捜索したとのこと。公団は10月の民営化に向け、1日に全国3カ所に「移行本部」を設置しており、資料の移動について、近藤剛総裁は「(移行本部への)引っ越し作業などが証拠隠滅と誤解されたとの説明を役職員から受けた」と話しているとのこと。
総務省が都道府県の決算の公表時期を調査
共同は7月2日に「37都府県が決算公表前倒し 見込み段階で早期提供」を配信。
記事は、各都道府県がまとめた15年度決算のうち、37都府県が住民への情報提供を積極的に進めるため、議会が認定する前の見込み段階のデータをホームページや広報紙で公表していたことが総務省の調査で分かったと報じる。従来、自治体の決算は公表までに時間がかかり、民間企業に比べて対応が遅かったが、早期開示に向けて前向きに取り組み始めていることがうかがえると記事は伝える。議会の認定を待った秋田、熊本など残る10道県の中には、公表が今年1月以降にずれ込んだところもあり、総務省は「住民に収支を点検してもらうためにできるだけ早期に公表してほしい」と呼び掛けているとか。前年度の自治体の決算は、5月末まで歳入、歳出の事務を整理する猶予期間が認められ、8月末までに首長に報告、その後12月か翌年2月の議会で認定を受ける仕組みで、法律上は議会で承認を受けた後にしか公表義務はないとの由。調査結果では、議会の認定を受ける前の決算見込みを公表した37都府県のうち、最も早か ったのは16年6月中旬の香川で、多くが7月から8月にかけてホームページを中心に公表しており、一方、議会認定後に公表した10道県の中で最も遅かったのは今年4月中旬の徳島だったとか。
16年度決算の剰余金は1兆2千億円
毎日は7月4日に「一般会計:04年度決算、剰余金1兆1969億円に」〔吉田慎一〕を配信。
記事は、財務省が4日、16年度の一般会計の決算概要を正式に発表したと報じる。景気回復を受け、税収が2年連続で補正後の予算額を上回ったほか、歳出も国債費や予備費の使い残しが約1兆3888億円出て、地方交付税などを差し引いた剰余金は約1兆1969億円に達し、歳出決算総額は84兆8967億円になったとのこと。剰余金が1兆円を超えるのは2年連続で、剰余金の2分の1以上は国債の償還に充てる見通しと記事は伝える。歳入は税収が補正予算の見込み額を約1兆5476億円上回り、このうち、株式配当の増加などで所得税が約5774億円、企業収益の改善傾向を受け法人税が約4476億円それぞれ予算見込みを上回り、歳入決算総額は88兆8971億円になったとか。この結果、国債の新規発行額を 当初予算から約1兆1000億円減額して、約35兆4900億円に抑えたとの由。
公表資料:平成16年度決算概要(剰余金見込み)
宮城県知事が県警予算執行に対する実地調査権を行使する可能性
共同は6月30日に「法的措置の「可能性ある」 報償費問題で浅野知事」を配信。
記事は、宮城県警捜査報償費の執行停止問題で、仙台市民オンブズマンが30日、「県警本部長に報償費関連文書を引き渡すよう命令し、従わない場合は裁判所に訴えを提起するか、仮処分を申請すべきだ」とする申し入れ書を浅野史郎同県知事に提出したと報じる。浅野知事はこの後、記者団に「よく検討する。難しい部分もあるが、これからだ。可能性としてはある」と述べ、法的措置も含めた対抗策を検討する考えを示したとのこと。申し入れ書は21日の報償費返還訴訟判決で、仙台地裁が知事の実地調査権を認めたことから「県警本部長が知事の文書提出要求を拒否することは明らかに違法」と指摘し、「知事が全国に先駆けて予算執行停止に踏み切った勇気に敬意を表す るとともに、やり抜いてほしい」としているとか。
超長期債の発行額が増加している
7月3日付け日本経済新聞朝刊3面に「地方自治体、超長期債発行額1.4倍、返済年限10年超、今年度、2500億円に」の記事。
記事は、地方自治体が市場から直接資金を調達する市場公募地方債のうち、返済年限が10年を超える超長期債の17年度の発行額が、合計で2500億円と前年度の1.4倍に拡大する見通しと報じる。総務省によると、東京都などの発行額が増えるほか、埼玉、静岡両県が新たに超長期債の発行を始めるとのこと。超低金利のうちに、長期資金を確保しておく狙いがあると記事は伝える。今年度に超長期債の発行を予定しているのは8自治体で、発行額は都の900億円、神奈川県の400億円が大きく、都は30年債や20年債を発行し、川崎市は15年債を200億円分発行するとか。自治体側は「共済組合や生保など投資家のニーズは強く、市場の厚みも増してきた」(横浜)とみているとの由。