公会計の動向 -138ページ目

17年度予算執行調査の結果が発表された

 6月29日付け日本経済新聞朝刊5面に「消費増税論議控えるが…、「官」の無駄遣い減らず――予算執行、財務省調査」の記事。

 記事は、財務省が28日、政府の無駄遣いを点検した予算執行調査の結果を発表したと報じる。予算の過剰計上、政策の重複、硬直的な運営など調査対象となった約4兆円分の予算だけでも、民の常識からかけ離れた実態が改めて浮き彫りになったが、一方で余剰金が発生する特定財源など「大きな無駄」は手付かずのままで、消費税増税論議を控え、予算配分の抜本改革などに踏み込む必要がありそうだと記事は評する。調査は14年度からで今回で4度目になる。13府省庁の53事業を対象に、特別会計による14事業も含めて執行官庁からの聞き取りや実地点検などを行ったとのこと。対象事業の今年度予算額は合計で約3兆8千億円で、調査結果を来年度予算編成に反映できれば、数百億円分を削減できる見通しとか。最も目立つのは予算と実績が乖離するなどの過剰計上で、政府の統計調査に従事する16年度の都道府県職員の数は、予算設定定員が2242人だったのに、平均実働人数は2077人と165人の開きがあったとか。職員の給与などに充てる経費は15年度当初予算額と決算額の間で、8億7500万円の差があったとも。政府開発援助(ODA)については無償資金協力にかかわる入札参加者が2、3社にとどまることがほとんどで、コストの見積もりが過大になりがちだと指摘したとか。


公表資料:予算執行調査(平成17年6月)

国家公安委員長が宮城の捜査報償費の執行に期待

 共同は6月28日に「報償費停止は早急に解決を 村田国家公安委員長」を配信。

 記事は、宮城県の浅野史郎知事が同県警の報償費の執行を停止した問題について、村田吉隆国家公安委員長が28日の閣議後記者会見で「捜査に支障が出るのは必定。早急に解決しなくてはならない」と述べ、早期の問題解決に期待を示したと報じる。村田委員長は「基本的には県警の問題」とした上で「報償費の性質上、(情報公開は)捜査協力者の協力を得ることを困難にする。もう少し事情を考えてほしい気持ちはある」と知事側に理解を求めたとのこと。

トイレ清掃を直営化する倉吉市

 毎日は6月27日に「鳥取県倉吉市:財政難で職員がトイレ掃除 市長も参加」〔小林多美子〕を配信。
 記事は、鳥取県倉吉市が経費節減の一環として、27日から、職員自らが市役所庁舎(全5庁舎)のトイレなどの清掃を始めると報じる。市長報酬を25%カットするなど、長引く景気低迷のあおりで厳しい財政状況で、市は「職員でできる限りのことはして、借金もコツコツ掃除したい」としているとのこと。市役所庁舎の昨年度の清掃業者委託料は約790万円だが、今後はワックスがけなどの委託を、週5回から2回に減らすことにし、これに伴い、終業時間前の10分程度、計10カ所のトイレや廊下などを、市長以下三役も含む、水道局などを除く庁舎の職員約370人が清掃することになったとか。約350万円が節減できるとの由。

参議院が決算審査の予算への反映の方策を検討中

 NHKは6月27日に「参院 決算審査を予算編成に反映へ 具体策の取りまとめ急ぐ」を配信。

 記事は、参議院が、決算審査を効果的なものにするため、先に決算審査に基づいて是正を求めた36項目について、今年の秋にも、政府にどのように見直すかについての報告を求めるなど、来年度予算案の編成に反映させるための具体策のとりまとめを急ぐことにしていると報じる。参議院は、予算案の先議権をもつ衆議院に対して独自性を発揮するため、決算審査の充実に取り組んでおり、今年は平成15年度の決算審査に基づいて、ODA=政府開発援助の効果を事後評価するよう政府に促すなど、36項目の是正を求めているが、審査や是正要求だけでは不十分だとして、鴻池決算委員長らを中心に、決算審査の成果を来年度からの予算編成に反映させる仕組みづくりを進めようとしていると記事は伝える。これまでのところ、各党からは、▽是正を求めた項目について、今年の秋にも、政府に具体的にどのように見直すのかについての報告を求めるべきだという意見が出ているほか、▽その見直し策が来年度予算案にどう反映されたか、予算編成後にも政府側の説明を受ける機会をつくるべきだという意見、などが出ており、具体策の取りまとめを急ぐことにしているとのこと。

予算の配布を停止されたら報償費はカンパで財源を確保すると県警

 毎日は24日に「<県警報償費>停止でカンパなど検討 宮城県警本部長」〔石川貴教、赤間清広〕を配信。

 記事は、浅野史郎・宮城県知事が県警の犯罪捜査報償費(県費)の予算執行を27日以降停止することを決めたことに対し、東川一・県警本部長が24日記者会見し「(説明不足という)知事の要求にこれ以上応えるのは難しい。執行停止の代替措置を検討している」と述べたと報じる。全国で相次ぐ警察不正経理疑惑で、知事が予算執行を停止するのは初めてだが、県警は幹部職員のカンパなどを検討しているとのこと。浅野知事は「予算の執行者として当然取るべき行動」と強調しているとか。報償費の今年度の当初予算は2300万円で、既に半額程度が支出されているが、来年度以降についても「このままでは計上できない」としている。とのこと。仙台地裁は00年度の県警の報償費について、21日の住民訴訟判決で「支出の実体がなかったと推認できる」と認定したと記事は伝える。


 毎日の25日の「<県警報償費>捜査協力者名入り文書提出再度拒否 宮城県警」〔赤間清広、石川貴教〕は、浅野史郎・宮城県知事が県警の犯罪捜査報償費(県費)の予算執行停止を決めたことに対し、東川一・県警本部長が24日に記者会見し「捜査協力者を守ることは捜査活動の核心。そこをとらえて『説明不足』と言うなら、知事の要求にはこれ以上応じられない」と反論したと報じる。浅野知事は捜査協力者名が記された文書の提出を要求したが、県警は同日、再度拒否したとのこと。

買いオペで短期国債が集まらない

 25日付け日本経済新聞朝刊16面に「短期国債、買い切りオペ「札割れ」、市場の過熱感を反映」の記事。

 記事は、日銀が24日に実施した短期国債買い切りオペが6千億円の予定額に対し応札額が4065億円にとどまり「札割れ」したと報じる。大手銀行などの投資家が短期国債を証券会社から積極的に購入しているため、同オペに中心となって応札する証券会社の短期国債の持ち高が少なくなっているとのこと。金融システム不安が後退し、予防的に資金を抱える必要のなくなった金融機関は余った手元資金で短期国債を買う動きを強めており、財務省が入札する政府短期証券(FB)の平均落札金利は6回連続で金利ゼロ%をつけたとか。投資家に短期国債を販売する証券会社も「競争入札で落札してもたちまち売り切れてしまう」(国内証券会社)といっているとか。こうした状況で日銀が短期国債を買い入れると市場の流通量はますます少なくなるため、日銀は同オペの実施回数を週1回に抑えているが、それでも市場の過熱感が和らぐ気配はみられないと記事は伝える。

16年度末の国の負債は781兆円

 25日付け日本経済新聞朝刊5面に「今年度末、国と地方の借金、1000兆円を突破へ」の記事。

 記事は、財務省が24日、国の借金にあたる国債、借入金、政府短期証券の16年度末時点の合計残高が、781兆5517億円になったと発表したと報じる。15年度末より約78兆円(11.2%)増え、過去最高を更新したとのこと。国と地方を合わせた借金は約950兆円で、財務省見通しでは今年度末には1千兆円を超えるとか。国の借金の6割を占める普通国債は、15年度末より42兆円多い499兆円で、個人向け国債や15、20年債の発行増加で、長期国債が23兆円増えたとか。

都市再生機構は財投資金の借り換えで欠損解消原資を確保する予定

 6月24日付け日本経済新聞朝刊5面に「都市機構が中期計画変更、2018年度までに欠損金解消」の記事。

 記事は、国土交通省が23日に独立行政法人評価委員会を開き、都市再生機構の中期計画(16―20年度)の変更を了承したと報じる。16年度の都市機構発足にあわせて資産評価を実施した結果、ニュータウン事業の含み損などで欠損金が7300億円生じたことに伴う措置で、財政投融資資金の繰り上げ償還や一般管理費の2割削減で欠損金を18年度までに解消することをめざすとのこと。中期計画期間中の合計純利益は計画変更前の222億円から1909億円に拡大するが、増益分の大半は高金利の財投資金を低金利の民間融資に借り換えることによるとか。


 郵政民営化論議でこれまで郵政事業には公的資金が投入されたことはなかったと説明されることがあるが、少なくとも、財投改革前は、運用先の資金運用部が「財投機関に対する、繰上げ償還を許さない融資」で預託利子の原資を確保していたわけで、それにより財投機関の機会利益の剥奪を行い、その結果、財投機関のサービス享受者に負担させたということは言えると思う。上記の都市再生機構は、奪われていた利益機会の回復とみるべきだろう。ある意味では財投改革のお陰と言える。

 ちなみに、住宅金融公庫の場合は、次の記述にあるように、利用者からの繰上償還を許さざるを得ず、多額の財政負担をしたわけだが。

 繰上償還等を原因とする特別損失金は、国の財政のひっ迫状況と財政負担の平準化のなかで、一般会計から受け入れた交付金により、毎年度取崩しを行っている。12年度末現在で繰越特別損失金は、なお4631億円あり、交付金で取崩しを行った後の特別損失金の残高は3414億円となる。
12年度決算検査報告


〔2005/06/28追記〕

 6月27日付け日本経済新聞朝刊3面の「協調融資、都市機構向け5000億円、みずほコーポ、三井住友など、独立行政法人で初」は、みずほコーポレート銀行と三井住友銀行が、独立行政法人の都市再生機構向けに5千億円の協調融資(シンジケートローン)を取りまとめたと報じる。都市再生機構は過去に借り入れた財政投融資資金を繰り上げ返済して金利負担を軽減、財務基盤を強化するとも。民間金融機関が独立行政法人向けに協調融資するのは初めてで、金額も過去最大規模とか。横浜銀行や信金中央金庫など地方銀行や信託銀行、損害保険、外資系銀行の計60金融機関が参加し、借入期間は2―4年。7月1日に契約を結ぶとのこと。都市再生機構はニュータウン開発事業の失敗で昨年夏の発足時点で約7300億円の繰越欠損金を計上し、宅地の早期処分などで同事業から撤退することを条件に、高金利の財投借り入れ(約3兆3千億円)を繰り上げ返済することを財務省から認められたとのこと。財投資金の借り入れコストは平均年6.4%で、今回の協調融資は東京銀行間取引金利(TIBOR)に一定割合を上乗せする変動金利を適用するため、年1%以下となる見通しとか。


 財投側の機会利益喪失の影響がどこへ行くかが問題。これが郵政民営化の反面でもある。

宮城県知事が捜査報償費の執行停止を通知

 共同は6月24日に「報償費予算の執行停止へ 7月から宮城県知事決断」を配信。

 記事は、宮城県警の捜査報償費問題で、同県の浅野史郎知事が、17年度の報償費(県費)予算のうち、7月からの配当分について執行を停止することを決め、24日に文書で県警に通知すると報じる。報償費予算執行停止は全国初の異常事態で、「不適正な執行はない」との立場の県警側と「不正経理の疑いが強い」とする知事との対立は決定的となったと記事は評する。同県の17年度当初予算では、県警が要求した3000万円から700万円減額された2300万円が計上されているが、執行停止は4月に配当された分を除いた半額程度になるとみられるとか。宮城県警は今年4月、15、16年度分の予算全般と10-12年度分の報償費と旅費について内部監査結果を公表したが、浅野知事は「監査の名に値しない」と批判し、その上で、予算執行権者として調査が必要と判断して報償費関連文書の提出などを要求していたが、県警側は「捜査活動に支障が及ぶ」などとして拒否し、東川一本部長が浅野知事と会い、執行停止の回避を申し入れていたとのこと。浅野知事は独自に、「99%が裏金」と話した県警元幹部や、「全国の警察でも不正があった」と証言した北海道警元幹部と面会しており、21日には仙台地裁が、報償費返還訴訟判決で「2000年度の報償費の相当部分は実体がなかったと推認する余地がある」と不正支出の疑いを指摘していると記事は伝える。


関連:都道府県警察等における捜査費及び活動旅費の経理について 〔検査報告データベース〕

大阪市が特別昇給の一時停止で労組と合意

 共同は6月23日に「特別昇給の実施を凍結 大阪市と労組が合意」を配信。

 記事は、大阪市が23日、7月に実施する予定だった「定数内特別昇給」について、今後速やかに実施することを条件に当面凍結することで市労働組合連合会(市労連)と合意したと報じる。 市労連は「実施は労使の合意事項」と反発していたが、市の「新しい人事評価制度を設けるまで延期する」との方針に押し切られた形と記事は評する。市によると、影響額は約10億円に上り、今秋にも評価制度を作り、対象者を選びたい考えとのこと。市は非公表だったため“ヤミ昇給”と批判を受けた5種類の特別昇給を4月から3種類に絞り、規則として明文化し、定数内特別昇給は対象の職員を35%から15%に縮小したが、前倒しの期間は従来の3-6カ月から12カ月に広げたとのこと。従来は「欠勤や休職、懲戒処分がない」ことが評価基準で、ほぼ全職員がほぼ3年に一度の持ち回りで対象となったが、特別昇給をめぐる住民監査請求で、監査委員が5月、「職員の能力や実績を反映させるべきだ」と指摘し、市は市民の理解が得られる評価基準を設けることにしたとの由。