都市再生機構は財投資金の借り換えで欠損解消原資を確保する予定
6月24日付け日本経済新聞朝刊5面に「都市機構が中期計画変更、2018年度までに欠損金解消」の記事。
記事は、国土交通省が23日に独立行政法人評価委員会を開き、都市再生機構の中期計画(16―20年度)の変更を了承したと報じる。16年度の都市機構発足にあわせて資産評価を実施した結果、ニュータウン事業の含み損などで欠損金が7300億円生じたことに伴う措置で、財政投融資資金の繰り上げ償還や一般管理費の2割削減で欠損金を18年度までに解消することをめざすとのこと。中期計画期間中の合計純利益は計画変更前の222億円から1909億円に拡大するが、増益分の大半は高金利の財投資金を低金利の民間融資に借り換えることによるとか。
郵政民営化論議でこれまで郵政事業には公的資金が投入されたことはなかったと説明されることがあるが、少なくとも、財投改革前は、運用先の資金運用部が「財投機関に対する、繰上げ償還を許さない融資」で預託利子の原資を確保していたわけで、それにより財投機関の機会利益の剥奪を行い、その結果、財投機関のサービス享受者に負担させたということは言えると思う。上記の都市再生機構は、奪われていた利益機会の回復とみるべきだろう。ある意味では財投改革のお陰と言える。
ちなみに、住宅金融公庫の場合は、次の記述にあるように、利用者からの繰上償還を許さざるを得ず、多額の財政負担をしたわけだが。
繰上償還等を原因とする特別損失金は、国の財政のひっ迫状況と財政負担の平準化のなかで、一般会計から受け入れた交付金により、毎年度取崩しを行っている。12年度末現在で繰越特別損失金は、なお4631億円あり、交付金で取崩しを行った後の特別損失金の残高は3414億円となる。
〔12年度決算検査報告
〕
〔2005/06/28追記〕
6月27日付け日本経済新聞朝刊3面の「協調融資、都市機構向け5000億円、みずほコーポ、三井住友など、独立行政法人で初」は、みずほコーポレート銀行と三井住友銀行が、独立行政法人の都市再生機構向けに5千億円の協調融資(シンジケートローン)を取りまとめたと報じる。都市再生機構は過去に借り入れた財政投融資資金を繰り上げ返済して金利負担を軽減、財務基盤を強化するとも。民間金融機関が独立行政法人向けに協調融資するのは初めてで、金額も過去最大規模とか。横浜銀行や信金中央金庫など地方銀行や信託銀行、損害保険、外資系銀行の計60金融機関が参加し、借入期間は2―4年。7月1日に契約を結ぶとのこと。都市再生機構はニュータウン開発事業の失敗で昨年夏の発足時点で約7300億円の繰越欠損金を計上し、宅地の早期処分などで同事業から撤退することを条件に、高金利の財投借り入れ(約3兆3千億円)を繰り上げ返済することを財務省から認められたとのこと。財投資金の借り入れコストは平均年6.4%で、今回の協調融資は東京銀行間取引金利(TIBOR)に一定割合を上乗せする変動金利を適用するため、年1%以下となる見通しとか。
財投側の機会利益喪失の影響がどこへ行くかが問題。これが郵政民営化の反面でもある。