大阪市が自販機の設置を親睦団体経由にしている
7月21日付け毎日新聞東京朝刊に「大阪市:自販機設置で手数料 市の親ぼく団体、業者から2億6600万円--昨年度」〔麻生幸次郎〕の記事。
記事は、大阪市の施設に設置した清涼飲料水の自動販売機の収入の一部を、各職場の親ぼく団体や外郭団体などが手数料などとして受け取り、その収益が昨年度1年間に約2億6600万円に上ると報じる。区役所などの親ぼく団体が収益を職員の福利厚生などに充てていたことなどから、大阪市は、使途が不適切でなくても多額の収益を親ぼく団体が得ることは不透明と判断し、来年度から設置形態を見直す方針を固めたとのこと。市の施設に営利目的の設備などを置く場合、設置者は目的外使用許可を受け、自販機1台当たり1カ月2800円(04年度)の使用料と光熱費を市に支払うことになっているが、病院や地下鉄駅などに設置された自販機約1500台のうち約1000台については、使用許可を受けていたのは、自販機業者でなく、親ぼく団体や外郭団体、地域の団体などで、各団体は、手数料名目などで売り上げの一定の割合を業者から受け取る契約を結び、市に支払う使用料などとの差額を収益として得ることが出来る仕組みにしていたとか。区役所の各厚生会は、手数料を職員のレクリエーション費用の一部や職員食堂の備品などに使っており、外郭団体については、現時点で不適切な使途は見られないというが、市財政局は「各団体が個別に業者と契約して収益を得る形では、金の流れが不透明になることは否めない。来年度からは見直したい」と話していると記事は伝える。
IT投資減税の行方
毎日は7月18日に「<法人減税>存廃論議とともに、税制改正の焦点へ」〔三沢耕平〕を配信。
記事は、企業の研究開発や情報技術(IT)関連の投資促進に向けて導入された減税措置が、来年3月で期限切れを迎え、法人税収の向上を目指す財務省が「原則廃止」を主張し、減税による景気の押し上げ効果を主張する経済産業省が「減税措置の延長」を求めており、政府税制調査会(首相の諮問機関、石弘光会長)が、秋以降に制度の存廃について議論を始める予定で、18年度税制改正の焦点の一つとなりそうだと報じる。3月で期限が切れるのは、コンピュータのソフトウェアなどのIT関連製品を取得した場合に、購入額の1割を法人税から差し引く「IT投資促進税制」と、製品や技術の研究開発にかけた費用の最大12%を法人税から差し引く「研究開発促進税制」で、研究開発促進税制については、12%のうち10%分は、恒久的な減税措置として今後も続けられるが、2%分は来年3月で期限切れを迎えるとか。期限切れとなる減税規模は二つの減税措置で年間約6000億円に上るとのこと。経産省は、減税措置を導入した15年度から3年間で、実質国内総生産(GDP)を6兆1000億円押し上げる経済効果があると試算しており、企業に対するヒアリング調査では、大規模なシステム開発や設備投資に踏み切ることができたとする声が大半を占め、減税措置が投資意欲を向上させていると分析しているとか。これに対し財務省は、深刻な国の財政事情を踏まえ、減税措置の継続に難色を示しており、18年度税制改正では、所得税・個人住民税の定率減税廃止や消費税率の引き上げに向けた議論も予想されるため、政府税調の中でも「個人に負担を求めていかなければならないのに、企業だけを優遇し続けるわけにはいかない」との声が根強いとのこと。さらに、財務省幹部は「納税者の9割を占めるサラリーマンは今、企業課税のあり方に厳しい目を向けている」と指摘しており、6月にまとめた個人所得課税に関する報告書に対し「サラリーマン増税」との批判が寄せられたことも、政府税調の今後の議論に微妙に影響するとの見方を示しているとか。
減税の恩恵を受けている人に役に立ったか、と聞けば、役に立ったと答えるのは当然のことだろう。
経産省企画室の裏金
朝日は7月18日に「経産省の裏金、産業研の76年設立直後から 領収書捏造」を配信。
記事は、経済産業省の大臣官房企画室が外郭団体の調査・研究委託費で裏金を作っていた問題で、裏金作りが、外郭団体が昭和51年に設立された直後から始まり、それを隠蔽(いんぺい)するために人件費などを水増しする方法で領収書も捏造(ねつぞう)されていたことが、旧通産省元職員らの証言などで分かったと報じる。経産省は6月に内部調査結果を公表した際、調査・研究委託費の裏金化が始まった時期を63年としていたが、それ以前から行われ、不正請求も横行していた実態が明らかになったと記事は評する。企画室に在籍していた旧通産省元職員らの話などによると、外郭団体の財団法人「産業研究所」が実施する様々な委託研究事業について、企画室は、同研究所が設立された51年の直後から調査・研究委託費について銀行口座を設けて管理を始めており、元職員の一人は「そのころから、本来は返すべき余った現金を銀行口座に残すことが続けられた」などと証言しているとか。調査・研究委託費として、「日本自転車振興会」からの機械工業振興補助金が事業開始前に交付され、事務局的な役割をしていた企画室が、単年度ごとに研究事業が完了すると、予算消化などに関する報告書を同研究所経由で同振興会に提出していたが、研究会ごとに開く会議への出席人数を水増しし、大学教授らに支払う日当の総額を多くした領収書を添えて、同室が管理する口座に残金があることが発覚しないようにしていたとのこと。また、別の元職員によると、会議を高級ホテルで開いたように見せかけて、その費用を裏金にまわしたこともあるとか。企画室元幹部は、こうした裏金作りが可能になった理由について、「(日本自転車振興会や産業研究所の)領収書のチェックがゆるかった」などと話しており、これに対し、同研究所元職員は「会合の規模のわりには金額が多いと思ったことはあるが、こちらは役所を信頼しているし、そこまでは疑えない」としているとか。経産省は6月23日に裏金疑惑についての内部調査結果を公表し、この中で、63~平成5年度にかけて、研究プロジェクトのうち16件に10万~300万円の残余金がうまれ、企画室管理の銀行口座にプールしていたとしていたとか。
国民年金の未納対策として市町村との連携
日経は7月17日に「国民年金や国保保険料の未納防止へ市町村と連携・社保庁」を配信。
記事は、社会保険庁と市町村が連携して、国民年金や国民健康保険の保険料を納めやすくすると報じる。未納に歯止めをかけるために、国民年金では社保庁が収納業務を今年度内に市町村に委託し、加入者が市町村の窓口で国保の保険料と一括して納付できるようにし、また、国民年金や国保の保険料をクレジットカードで納付できるように検討を進めるとのこと。退職などで政府管掌健康保険を脱退して国保に移る人の情報を市町村に伝え、国保保険料の徴収漏れを防ぐとも。国民年金は16年度の未納率が36.4%に達しており、一方、国保の保険料未納率は15年度に9.8%に上昇し、未納額は年間3000億円を突破していて、国保財政が悪化する一因になっているとか。国民年金の保険料の支払い方法は現在、社会保険事務所の窓口での納付や銀行などの口座引き落とし、銀行やコンビニエンスストアでの振込などがあるが、社保庁は市町村と協議し、合意した市町村から保険料納付先として指定していく方針と記事は伝える。自営業者やフリーターなど会社員以外を対象とする国民年金の加入者は約2200万人で、国保にも加入しているが、保険料の納付先は年金が社保事務所、国保は市町村と分かれており、病気やケガに備えて国保の保険料だけを納め、国民年金は払わない滞納者も多い状況で、両方を市町村窓口で一括納付できれば加入者は手間を省けるとのこと。銀行振込を利用する人に対しても、国保と国民年金の保険料の納付書などをまとめて送付して、一度に納めやすいようにしたい考えとか。社保庁はクレジットカードで国民年金の保険料を納付する仕組みの検討にも入っており、来年度予算の概算要求にシステム開発やカード会社に支払う手数料などの必要経費を盛り込む方針とのこと。インターネット経由を含めて支払い手段を拡充するとか。現在も銀行が運営するネット取引で納付はできるが、個人にとってより利用頻度の高いカードを加えることで、未納率が高い若年層の納付を促すと記事は評する。市町村も国保の保険料を携帯電話料金に上乗せして徴収する仕組みを検討しており、カード会社や携帯電話会社などと設けた研究会で具体策を詰めるとか。
都道府県の17年度予算(普通会計)の総額は前年度比0.8%減
共同は7月16日に「緊縮型の予算編成続く 05年度の都道府県」を配信。
記事は、都道府県の17年度当初予算(普通会計)が、公共事業や人件費などの歳出抑制により37府県で前年度当初予算を下回るなど、緊縮型の編成が続いていることが総務省のまとめで分かったと報じる。公共事業費は前年度比6・2%減と引き続き減少傾向だが、新潟県中越地震や台風など昨年相次いだ災害に伴う復旧費が38都府県でプラスとなり、予算額も全体で41・3%の大幅増となったとのこと。予算総額は前年度比0・8%減の47兆5926億円で、歳入面では、地方税が法人関係税収の回復で、和歌山、佐賀両県を除いてプラスとなり、特に都市部で増加率が高かったとか。地方交付税は交付されない東京都を除き23県で減ったとのこと。歳出では、人件費が1・2%減で、定員削減や給与カットにより41都道府県で減少しており、合理化への取り組みもうかがえると記事は評する。
電源特会の剰余金対策は使途拡大
朝日は7月16日に「電源特会、使途拡大へ 毎年1千億円剰余金」を配信。
記事は、経済産業省資源エネルギー庁が18年度予算で、電源開発促進対策特別会計(電源特会)を見直すと報じる。同特会の財源は、電気料金と一緒に集められている電源開発促進税で、現在は1キロワット時あたり40銭だが、原発建設の先送りで、同特会では毎年1000億円近い剰余金が発生していて、決算が確定した15年度分までで、二つの勘定にそれぞれ400億円以上の剰余金が17年度予算に繰り越されており、老朽原発対策や核燃サイクル政策の強化などへの活用を検討するとのこと。同特会は、原発立地地域のインフラ整備などに使われる電源立地勘定と、原子力の研究開発などが目的の電源利用勘定の二つに分かれているが、使途拡大を検討するのは、主に立地勘定で、総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の懇談会で、8月末までに方向性をまとめると記事は伝える。エネ庁内には、老朽原発の運転に対する支援策強化や、使用済み核燃料の中間貯蔵施設などに対する交付金を拡大する案が浮上しているとか。立地勘定で剰余金が発生する主な要因は、原発建設の遅れで、計画中の原発15基のうち、12基は未着工のままになっており、すでに15年度には将来の原発建設に備え、立地勘定の中に周辺地域整備資金を設けており、これは、剰余金とせず別に「貯金」する制度で、17年度も125億円を積み立て、累積では1006億円に達する見込みだが、この先、建設計画が撤回されれば整備資金も使い道を失うと記事は指摘する。利用勘定にも剰余金があるが、一部を石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計に移すとともに、1キロワット時あたり21銭の電源開発促進税の利用勘定部分を、同2.5銭減額することが決まっているとか。
<参考>
☆電源開発促進対策特別会計電源立地勘定の決算状況について 〔13年度決算検査報告〕
国が要らなくなった富士山測候所の利活用
共同は7月16日に「測候所活用でNPO設立へ 富士山、受け皿に名乗り」を配信。
記事は、昨年10月に気象庁職員の常駐が廃止され“空き家”となっている富士山測候所を再活用しようと、大気汚染や高所医療などの高所科学研究者らが、測候所の管理、運営をしていく特定非営利活動法人(NPO法人)「富士山測候所を活用する会」の設立を進めていると報じる。気象庁は「国としてのやるべきプロジェクトは終了した」として測候所の受け皿となる機関を探しているが、年間約5000万-1億円かかる維持費がネックとなっていたとのこと。活用する会は、大気や生理学など各分野の専門家らでつくる「富士山高所科学研究会」を中心に、日本登山医学会や日本気象協会での構成が検討されており、8月末に設立総会を開き、9月にも内閣府に法人申請をする考えとか。同科学研究会によると、高額な維持・研究費は、環境、文部科学省が科学研究費として予算を確保するほか、測候所を利用する研究者や見学者に利用料を負担してもらう形であれば年間6000万円以上の収入が見込め、管理が可能とか。研究テーマは、極地での植物生態や高山病などの高所医学の調査のほか、天体観測による小中学生への環境教育の場としての利用も検討されており、9月にも提案書を気象庁へ提出する方針とのこと。江戸川大の土器屋由紀子教授(環境化学)は「山頂は地表の粉じんの影響を受けにくい自由対流圏のため、大陸から流れてくる汚染物質の測定が安定してできる」としていると記事は伝える。富士山のような高所での研究施設はドイツや中国、ハワイなど世界に20数カ所あり、同研究会の渡辺豊博世話人は「大気や気流の変化を地球全体で観測できる高所科学の国際ネットワークを作りたい」としているとか。国有財産を管理する財務省理財局によると、国の施設は地方自治体に管轄を移してから運用するのが通常だといい、気象庁は「売却するのか、賃貸の形を取るのか財務省との話し合いが必要。実際に管理していく体制を調査して、適当であれば候補として検討したい」としていると記事は伝える。
シーリング設定時期の先延ばしが経済政策に影響する?
7月16日付け日本経済新聞朝刊5面に「混迷郵政、予算に余波――来年度の概算要求基準、来月ずれ込み、歳出削減後退も」の記事。 記事は、郵政民営化法案を巡る国会審議の行方が混迷し、経済政策の空白が広がる懸念が強まってきたと報じる。記事は、今月末に決定する方向で調整に入っていた来年度予算の概算要求基準(シーリング)が、8月半ば以降にずれ込む見通しとなり、小泉純一郎首相の指導力をテコに進めてきた歳出削減や国と地方の税財政改革(三位一体改革)など主要政策への影響を懸念する声も強まっていると伝える。記事が指摘しているのは、小泉首相が15日の参院郵政民営化特別委員会での審議終了後に首相官邸で谷垣禎一財務相と会談し、「郵政民営化の参院審議が内閣の最優先課題だ。国会審議の様子をよく見たうえで改めてシーリングの日程を考えよう」と指示したこと、財務省が首相の指示を受けて、国会会期の8月13日ぎりぎりまで決定をずらす方向で日程の調整に入ったことの2点。記事は、日程ずれ込みで、年末に向けた査定作業などに影響を及ぼす可能性もでてきたとするが、「経済政策の空白が広がる懸念」の根拠は示していない。
まあ、経済にも経済政策にも関係ないだろう。
特殊法人「年金資金運用基金」が16年度に累積赤字を解消して国庫納付も
共同は7月14日に「年金基金が累積赤字解消 8千億を初の国庫納付=差替」を配信。
記事は、厚生労働省が14日、厚生年金と国民年金の積立金を運用する特殊法人「年金資金運用基金」の16年度の運用結果が2兆2419億円の黒字だったと発表したと報じる。積立金は両年金の保険料収入から年金給付額を差し引いたもので、同基金の運用が黒字となったのは2年連続とか。旧年金福祉事業団から引き継いだ資産を含む運用の結果は、16年度末の累積で6008億円の黒字となり、発足以来初めて累積赤字を解消したとのこと。黒字が一定基準を上回ったため、本年度は国の厚生年金勘定に7522億円、国民年金勘定に600億円の計8122億円を納付し、それぞれの年金給付に充てられるとのこと。国庫納付も発足以来初めてとか。基金は、積立金など87兆2000億円を運用しており、収益率が 15・43%に上った外国株を中心に運用益を上げたとのこと。基金は「世界的な景気回復基調や、為替の円安効果があった」と分析しているとか。公的年金の積立金は、基金のほか財政融資資金へも預託されており、16年度の金利収入は約1兆7200億円と見込まれることから、積立金全体の運用益は約3兆9600億円の黒字になる見通しとか。
政府広報に企業広告
記事は、政府が、新たな財源確保のため、中央省庁が発行するポスターや白書、パンフレット、広報誌などに企業広告の掲載を認めることを決めたと報じる。17年度は内閣府や財務省など13府省庁の広報印刷物200万部に掲載して約2000万円の歳入確保を目指すとのこと。国の広報への広告掲載は昨年度から内閣官房を中心に検討しており、各省庁からは「特定企業の広告が許認可権を持つ官公庁の広報印刷物に載ることが適当か」と懸念する声も上がり、行政効率化関係省庁連絡会議が協議を重ねてきたとか。この結果、(1)各省庁別に広告掲載審査会を設置、(2)関係省庁が申し合わせた広告掲載要項を策定、(3)広 告には「政府が推奨するものではない」との注意書きを添える、などの対応で政府広報の公共性や公平性を担保し、同業他社との比較広告や検証広告などは禁止されるとのこと。広告掲載容認は、6月30日に改定された行政効率化推進計画に盛り込まれ、17年度分として、すでに財務省は銀行や証券会社など金融機関の広告が入った個人向け国債ポスター、農水省は農業関連出版社などの広告を掲載した小学生向けの「ジュニア農林水産白書」の配布をそれぞれ進めているとのこと。