IT投資減税の行方 | 公会計の動向

IT投資減税の行方

 毎日は7月18日に「<法人減税>存廃論議とともに、税制改正の焦点へ」〔三沢耕平〕を配信。

 記事は、企業の研究開発や情報技術(IT)関連の投資促進に向けて導入された減税措置が、来年3月で期限切れを迎え、法人税収の向上を目指す財務省が「原則廃止」を主張し、減税による景気の押し上げ効果を主張する経済産業省が「減税措置の延長」を求めており、政府税制調査会(首相の諮問機関、石弘光会長)が、秋以降に制度の存廃について議論を始める予定で、18年度税制改正の焦点の一つとなりそうだと報じる。3月で期限が切れるのは、コンピュータのソフトウェアなどのIT関連製品を取得した場合に、購入額の1割を法人税から差し引く「IT投資促進税制」と、製品や技術の研究開発にかけた費用の最大12%を法人税から差し引く「研究開発促進税制」で、研究開発促進税制については、12%のうち10%分は、恒久的な減税措置として今後も続けられるが、2%分は来年3月で期限切れを迎えるとか。期限切れとなる減税規模は二つの減税措置で年間約6000億円に上るとのこと。経産省は、減税措置を導入した15年度から3年間で、実質国内総生産(GDP)を6兆1000億円押し上げる経済効果があると試算しており、企業に対するヒアリング調査では、大規模なシステム開発や設備投資に踏み切ることができたとする声が大半を占め、減税措置が投資意欲を向上させていると分析しているとか。これに対し財務省は、深刻な国の財政事情を踏まえ、減税措置の継続に難色を示しており、18年度税制改正では、所得税・個人住民税の定率減税廃止や消費税率の引き上げに向けた議論も予想されるため、政府税調の中でも「個人に負担を求めていかなければならないのに、企業だけを優遇し続けるわけにはいかない」との声が根強いとのこと。さらに、財務省幹部は「納税者の9割を占めるサラリーマンは今、企業課税のあり方に厳しい目を向けている」と指摘しており、6月にまとめた個人所得課税に関する報告書に対し「サラリーマン増税」との批判が寄せられたことも、政府税調の今後の議論に微妙に影響するとの見方を示しているとか。


 減税の恩恵を受けている人に役に立ったか、と聞けば、役に立ったと答えるのは当然のことだろう。