国が要らなくなった富士山測候所の利活用 | 公会計の動向

国が要らなくなった富士山測候所の利活用

 共同は7月16日に「測候所活用でNPO設立へ 富士山、受け皿に名乗り」を配信。

 記事は、昨年10月に気象庁職員の常駐が廃止され“空き家”となっている富士山測候所を再活用しようと、大気汚染や高所医療などの高所科学研究者らが、測候所の管理、運営をしていく特定非営利活動法人(NPO法人)「富士山測候所を活用する会」の設立を進めていると報じる。気象庁は「国としてのやるべきプロジェクトは終了した」として測候所の受け皿となる機関を探しているが、年間約5000万-1億円かかる維持費がネックとなっていたとのこと。活用する会は、大気や生理学など各分野の専門家らでつくる「富士山高所科学研究会」を中心に、日本登山医学会や日本気象協会での構成が検討されており、8月末に設立総会を開き、9月にも内閣府に法人申請をする考えとか。同科学研究会によると、高額な維持・研究費は、環境、文部科学省が科学研究費として予算を確保するほか、測候所を利用する研究者や見学者に利用料を負担してもらう形であれば年間6000万円以上の収入が見込め、管理が可能とか。研究テーマは、極地での植物生態や高山病などの高所医学の調査のほか、天体観測による小中学生への環境教育の場としての利用も検討されており、9月にも提案書を気象庁へ提出する方針とのこと。江戸川大の土器屋由紀子教授(環境化学)は「山頂は地表の粉じんの影響を受けにくい自由対流圏のため、大陸から流れてくる汚染物質の測定が安定してできる」としていると記事は伝える。富士山のような高所での研究施設はドイツや中国、ハワイなど世界に20数カ所あり、同研究会の渡辺豊博世話人は「大気や気流の変化を地球全体で観測できる高所科学の国際ネットワークを作りたい」としているとか。国有財産を管理する財務省理財局によると、国の施設は地方自治体に管轄を移してから運用するのが通常だといい、気象庁は「売却するのか、賃貸の形を取るのか財務省との話し合いが必要。実際に管理していく体制を調査して、適当であれば候補として検討したい」としていると記事は伝える。