公会計の動向 -140ページ目

18年度予算編成ではODAが焦点に

 6月16日付け日本経済新聞朝刊1面に「ODA努力目標、「国民総所得の0.7%」――政府・与党、骨太方針に明記へ」の記事。

 記事は、政府・与党が、週明けにまとめる経済財政運営の基本指針「骨太方針二〇〇五」で、政府開発援助(ODA)について「国民総所得(GNI)比〇・七%目標達成に引き続き努力する」と明記する方針を固めたと報じる。削減が続いてきたODA予算の来年度からの増額をにじませたものと記事は伝える。最終案ではODAに関して「わが国にふさわしい十分な水準を確保する」との表現に加え、「事業量の戦略的拡充を図る」との一文を追加したとか。小泉純一郎首相が国連安保理の常任理事国入りを目指す立場からODA増額に言及したことを踏まえ、アナン国連事務総長が先進国に求めているGNI比0.7%の目標に触れたとのこと。ただ現在の日本の水準は0.2%にとどまっており、政府内では「中長期目標としても0.7%の達成は困難」との見方が大勢で、一般会計予算ベースで6年連続で減少してきたODA予算が来年度予算案編成では大きな焦点となりそうだと記事は評する。

大阪市の職員厚遇は、昔、国から指摘されていったん廃止していたとか

 共同は6月14日に「不適切な会計処理10年 大阪市、ヤミ年金問題で」を配信。

 記事は、大阪市が条例に基づかないヤミ年金・退職金を支給していた問題で、市が4つの互助組合を通じ給付した保険金の掛け金を6年度から10年間にわたり、予算や決算上は給料や手当名目で処理していたと、ヤミ年金やカラ残業の実態を調査する市の委員会が14日に発表したと報じる。市給与課は「慣例でやっていたが、実際と使途が異なり、不適切な会計処理だった」として、16年度決算は「互助組合交付金」の名目で処理するとのこと。15年度決算では計約27億円を支出していたとか。市は、通常の退職金に上乗せし特別退職一時金を支給していたが、国から「国家公務員の退職金を総額で大幅に上回る」と指摘され、4年度に廃止し、特別退職一時金用に職員が給料から納めた掛け金を補てんする意味合いで、6年度予算から給料名目の計上を始めたとか。同委員会は、職員の掛け金と公金で運営していたヤミ年金・退職金事業は資金の流れが複雑で不透明だと指摘しており、職員の負担分にも公金が投入されていなかったかを調べる方針とのこと。

短期国債の金利が更に低下

 6月15日付け日本経済新聞朝刊18面に「短期国債、1年物金利に低下圧力、「瞬間蒸発」人気に戸惑い(マーケットウオッチャー」の記事。

 記事は、財務省が14日に実施した割引短期国債(TB)1年物の入札で最高落札金利が0.0019%と、前回(5月17日)の0.0039%から低下したことを伝え、政府短期証券(FB)3カ月物などは、すでに「金利ゼロ」が定着しつつあり、これが1年物の人気につながっており、金利の低下圧力も強まっていると報じる。

新規国債は2年連続で減額

 6月15日付け日本経済新聞朝刊5面に「新規国債、2年連続減額、昨年度、予算比1兆1000億円、財務省調整」の記事。

 記事は、財務省が、16年度分として一般会計で発行する新規財源国債を2年連続で予算額より減らす方針を固めたと報じる。減額幅は1兆1千億円とする方向で調整に入っており、発行額は35兆5千億円となる見通しとのこと。所得税、法人税を中心に一般会計税収が予算額を1兆円強上回り45兆円を超えた公算が大きいためで、好調な経済が財政の改善を支える傾向が鮮明で、債券市場の需給にも微妙な影響を与えそうだと記事は伝える。財務省は7月初旬にも16年度決算をまとめ、税収実績の詳細や国債発行の減額を発表するとか。小泉純一郎首相は13年4月の政権発足時に国債の新規発行額の上限を30兆円とする公約を掲げたが、長引くデフレを背景に14年度実績は35兆円、15年度も35兆3千億円と「30兆円枠」を突破し、16年度実績も前年度比微増となるが、景気回復に伴い17年度予算額は4年ぶりに前年度予算を下回るなど国債発行の増額は峠を越しつつあると記事は評する。

東京都ですら有料道路が赤字

 朝日は6月13日に「稲城大橋、都が税金投入で救済 通行量伸びずピンチ」を配信。

 記事は、東京都道路公社が運営する有料道路「稲城大橋」(府中市―稲城市間の多摩川、道路区間約2.1キロ)の通行量が伸びないため公社の借金返済が厳しくなり、都が14年度から新たな税金投入で救済に乗り出していると報じる。公社が国などから資金を借りて取得した道路そのものの土地を、都が約40億円で買い取ることにし、分割払いしているとのこと。隣接する多摩ニュータウンの人口の伸び悩みなどが背景にあるが、国土交通省は「自治体が建設前に用地代を負担するケースはあるが、完成後に少しずつ負担するのは聞いたことがない」と話しているとか。通行量が当初予測を下回っていることについて、同公社は景気低迷やニュータウン人口が伸びなかったことに加えて、「都が周辺道路を整備した結果、近くの橋の交通渋滞が緩和されてきている」と説明しているとの由。周辺の整備は今後さらに続き、今年度中に下流の多摩川原橋(鶴川街道)が2車線から4車線に拡大され、上流の是政橋(府中街道)も将来、2車線から4車線に広げられ、通行量増が期待できない中、公社の借金の返済計画が厳しくなったと記事は伝える。都と公社が「税金を投入しても都民の理解を得られる形」(都幹部)を検討した結果、15年3月、公社が取得した橋の両側の取りつけ道路用地を都が時価で買い取る形で合意したとのこと。都の財政当局は「苦肉の策」と語っているとか。

北海道の新幹線負担分

 6月14日付け日本経済新聞地方経済面1面に「新幹線、道の実質負担600億円――金利2%で試算」の記事。

 記事は、北海道新幹線(新青森―新函館)の道の実質負担額が約6百億円になる見通しとなったと報じる。建設に伴い発行する道債の返済最終年度となる2045年度まで、毎年度数億―30億円を負担するとのこと。昨年12月時点の試算では、道の実質負担額は約660億円だったが、トンネル工事の経費削減で総建設費が当初の5千億円から4670億円となったため、道の負担額も約1割減ることになったとか。道が負担する総建設費は833億円で、1割を一般財源、残りを道債で手当てし、道債は30年かけて返済するが、半分は国の交付税で賄うことができると記事は伝える。道は金利を年2%に想定して試算しており、実質負担額は598億円になるとか。


 記事中「半分は国の交付税で賄うことができる」とあるのは、「半分しか交付税が算定されず、残り半分は自主財源分〔基準財政需要への充当を予定しない税収〕を充当せざるを得ない」と言うのが正しい。

県知事が捜査費支払先の捜査協力者と面談

 共同は6月14日に「知事が「協力者」と面会 宮城県警報償費問題」を配信。

 記事は、宮城県の浅野史郎知事が宮城県警の協力者を名乗る男性と面会し、捜査報償費の受領方法などについて証言を得ていたと報じる。浅野知事によると、男性とは13日に面会し、男性は、(1)これまで犯罪情報を3回提供し、1回につき現金1万円か5000円を受け取った、(2)領収書へのサインを求められるケースと求められないケースと、まちまちだった、などと証言したとのこと。浅野知事は「協力者の特定につながる」として、男性の年齢や身分を明らかにしなかったとか。

参与会議が要改善事項を首相へ報告

 共同は6月9日に「赤字労災病院の廃止を 参与会議が首相に報告=差替」を配信。

 記事は、政府の特殊法人等改革推進本部参与会議の飯田亮座長(セコム最高顧問)が9日、国の予算を投入する必要性が乏しいとして、赤字の労災病院の廃止や、雇用促進住宅の早期廃止を柱とする改善事項を小泉純一郎首相に報告したと報じる。特殊法人から移行した8つの独立行政法人の理事長に対する意見聴取を踏まえ、取りまとめたとのこと。首相は「相当厳しい態度で臨まないと改革はできない」と述べ、報告の内容を18年度予算編成に反映させる考えを示したと記事は伝える。労災病院は労働者健康福祉機構が運営しており、15年度末の段階で全国37病院のうち、岩手(岩手)、燕(新潟)、浜松(静岡)、大牟田(福岡)など15病院が赤字だったとか。雇用促進住宅は低所得の勤労者を入居対象に、雇用・能力開発機構の運営で全国に現在3855棟あり、約35万人が居住しているとか。両機構を所管する厚生労働省は15年に労災病院を2割程度削減、雇用促進住宅については30年間かけて廃止する方針を打ち出しているとの由。改善すべき事項では、雇用・能力開発機構が実施している職業訓練について「民間にできることは民間に委ねて大胆に縮小すべきだ」と指摘し、国際交流基金の文化芸術交流活動が「文化庁の業務と重複している」として廃止か、文化庁との連携による支出削減を求めたとのこと。このほか、自動車事故対策機構など5法人に対し、他の機関と重複する業務の廃止で経営の効率化を求めたとか。

参議院が15年度決算を是認

 共同は8日に「参院が03年度決算是認 12項目の警告決議」を配信。
 記事は、参議院が8日午前の本会議で、社会保険庁の不祥事や警察の捜査費流用疑惑への厳正対処、特別会計の見直しなど内閣に対する12項目の警告決議を行った上で、15年度決算を与党の賛成多数で是認したと報じる。これを受け小泉純一郎首相は「決算審査の内容を17年度予算に適切に反映した」と説明し、警告決議について「誠に遺憾だ。政府としていずれも重く受け止めるべきものと考えており、決議の趣旨を十分に踏まえ、今後このような指摘を受けることのないよう改善指導していく」と述べたとのこと。決算審査の充実を掲げる参議院は、本会議に先立つ6日の決算委員会で各省庁のコンピューターシステムの契約・運用状況など9項目に関し、国会法に基づく会計検査院への検査要請を議決したとか。

15年度決算を参議院決算委が承認

 毎日は6月7日に「参院決算委:「審査措置要求決議」など議決」〔松尾良〕を配信。

 記事は、参院決算委員会(鴻池祥肇委員長)が7日、15年度決算の締めくくり総括質疑を行い、自民、公明両党の賛成多数で承認したと報じる。審査での問題点を来年度予算に反映させるため、各省庁に対応と報告を求める36項目の「決算審査措置要求決議」と、国会法105条に基づく会計検査院への9項目の検査要請を全会一致で議決したとのこと。審査措置要求の決議は今回が初めてとか。衆参両院の役割分担を明確化するため、参院は超党派で「決算重視」に取り組んでいると記事は伝える。措置要求は、▽特別会計の事務事業見直し、▽社会保険庁の不適切な随意契約、▽JR西日本の列車脱線事故、などに関するもので、同委は18年度予算案の審議前に報告を求めるとのこと。委員会後に記者会見した鴻池委員長は「税金の無駄をなくして予算を充実させたいとの思いは参院の総意だ」と述べたとの由。