所得税法56条は合憲 | 公会計の動向

所得税法56条は合憲

 朝日は7月5日に「税理士の妻への報酬、「経費と認めず」 最高裁判決」を配信。
 記事は、弁護士の夫が税理士の妻と顧問契約を結んだ場合、支払った報酬が「必要経費」と認められるかどうかが争われた訴訟で、最高裁第3小法廷が5日、必要経費と認めない判決を言い渡したと報じる。国と東京都が経費と認めず、課税したことを有効と認め、弁護士の不当利得返還請求を退けた2審・東京高裁の逆転判決を支持したとのこと。原告の弁護士は、独立した事務所を持つ税理士の妻に95~97年に報酬約290万円を支払ったが、税務署は経費と認めず、一方、事務所を共同経営している他の弁護士は同じように宮岡弁護士の妻に報酬を支払って、経費と認められたとの由。訴えた弁護士は所得税のうち56万円、事業税のうち5万円を誤納金として返還するよう求めて提訴し、上告審では「憲法の平等原則に違反する」と主張したとのこと。問題になったのは「生計を一にする配偶者に、事業に従事したことなどにより、対価を支払った時は、対価は経費に算入しない」と定めた所得税法56条で、「事業に従事したことなど」をどこまで広く解釈するかが争われていたが、第3小法廷は「配偶者が別に事業を営む場合でも、そのことを理由に56条の適用を否定することはできない。課税は憲法の平等原則に違反しない」と述べたとのこと。現在の所得税法は、「個人を単位にした課税」を基本にしており、これに対し、56条は例外的に「世帯を単位にした課税」という考え方に基づいているが、一審・東京地裁は個人単位課税の原則を強調し、56条はあくまで例外的な規定だと位置づけて、国と都に計42万円の返還を命じたのに対し、2審・東京高裁は「世帯を単位とした考え方にもなお一定の合理性はある」との立場から「事業に従事したことなど」を広く解釈し、「今回のケースは56条に当たる」と判断して弁護士の請求を棄却したとのこと。