公会計の動向 -133ページ目

郵政公社の切手発注を競争にしたところ印刷局が受注できず

 朝日は8月15日に「記念切手、3割が外国生まれ 競争入札で印刷局圧倒」を配信。

 記事は、日本郵政公社が発行する記念切手やシリーズ切手など「特殊切手」の海外印刷が増えていると報じる。独立行政法人の国立印刷局(旧大蔵省印刷局)が独占してきた切手印刷だが、公社が印刷コスト削減をめざして、16年度から競争入札制度を全面的に導入し、初年度の指名競争入札11回すべてでフランスや英国の海外企業が落札して、特殊切手の契約金額の3割を占めたとのこと。印刷単価は国立印刷局より約25%安かったとか。入札の結果、初めて海外で印刷されたのは、16年11月に発行した小泉八雲などの文化人切手で、今年1月発行の「国連防災世界会議」、6月発行の「アニメ・ヒーロー・ヒロインシリーズ」なども外国製とのこと。受注したのは、世界中から切手印刷を請け負っている仏カルトールと英ウォールソールの両社で、国立印刷局はいずれの入札にも参加したが、海外企業並みの低い価格を提示できず、一回も落札できなかったとか。日本の民間印刷会社は特殊切手の印刷設備がなく、入札に参加していないと記事は伝える。これまで入札対象は、発行期間や枚数が限られる特殊切手だけだが、公社は郵便局などでいつも売っている普通切手にも導入を検討しているが、在庫を切らすわけにいかないので、安定受注に応じられる国内外の印刷会社を入札参加企業に選定する方針とか。

京都市が3億円の入場料収入がある二条城の修繕に480万円の予算で崩壊待ち

 共同は8月22日に「二条城の損傷「放置」 京都市、財政難理由に=差替」を配信。

 記事は、世界文化遺産に登録されている二条城(京都市中京区)を所有・管理する京都市が、文化庁などから行政指導を受けながら、御殿や障壁画の損傷を修復する計画を作らず事実上放置していることが2
2日、分かったと報じる。市は13年、計画作成の前提となる損傷調査をすることを決めたが、いまだに実施しておらず、財政難を理由に修復費用も抑えられていて、貴重な文化財の保全を先送りする市の姿勢に専門家から批判も出ていると記事は伝える。市などによると、国宝二の丸御殿は老朽化で軒先の木材が腐り木片が崩落したり、屋根にゆがみが出ているとか。10年前の阪神大震災で建物が傾いた本丸御殿も支柱で応急措置しただけで、入場者が出入りする東大手門も瓦が崩落する危険があり、防護ネットを掛けているとか。二条城は入場料などで年約3億円の利益を上げているが、すべて京都市の一般会計に繰り入れられ、本年度予算では二条城の建造物修繕費が480万円で、「予算が少なく実質的に何もできない」(市関係者)状態が続いているとのこと。また二の丸御殿の障壁画のうち重要文化財の200面以上が顔料のはく落などで修復が必要だが、補修費の年予算はここ5年間は1200万円で、約5面分しかないとか。重文以外の障壁画は修復の対象外で、破れたり染みで汚れたものも多いとも。文化庁と京都府教育委員会は10数年前から、建造物の修復計画作成と障壁画修復の迅速化などを市に指導しており、市は13年、二の丸御殿や本丸御殿は「早急に計画的な対策が必要」として、損傷状況を調査し修復計画を作るとしたが、調査は手付かずのままとか。阪本和夫元離宮二条城事務所長は「調査にしても原資が必要で、市全体の財政を考える必要があった。入城者の安全にかかわる部分もあり、有識者の意見を聞き早急に対応したい」としていると記事は伝える。

函館地裁が市政と関連性が薄い市議会政務調査費に返還命令

 8月23日付け日本経済新聞北海道朝刊38面に「政務調査費、返還請求を命令、3会派の30万円――函館市議会訴訟で地裁判決」の記事。

 記事は、函館市議会の政務調査費に違法な支出があったとして市民が井上博司市長に対し、6会派から計約124万円を返還させるよう求めた住民訴訟の判決で、函館地裁が22日、3会派に約30万円の返還を請求するよう井上市長に命じる判決を言い渡したと報じる。判決理由で大久保裁判長は14件のうち英会話教材購入など5件について「市政と関連性が薄く政務調査費の支出として合理性を欠く」と述べたとのこと。

17年度政策コスト分析

 読売は8月21日に「特殊法人が事業継続→国民負担5兆円超…財務省試算」を配信。
 記事は、財政投融資を使って事業を行っている特殊法人や独立行政法人などに対し、将来どれだけ税金をつぎ込むことになるかなどを示す、財務省の「2005年度政策コスト分析」(試算)によると、26の特殊法人などが現在手がける事業を今後も続けた場合、国民負担は5兆1204億円に達するとしており、最も負担が大きいのは、日本道路公団の1兆4935億円で、高速料金引き下げなどによる収支の見直しの結果、前年度の試算より273億円増えたと報じる。次いで多かったのが本州四国連絡橋公団(1兆2407億円)、緑資源機構(1兆902億円)などだったとか。


公表資料:財政投融資対象事業に関する政策コスト分析(平成17年度)

16年度の捜査費執行額が減少

 共同は8月13日に「全都道府県警でマイナス 裏金温床指摘の捜査費」を配信。

 記事は、警察の裏金づくりの温床になっていると指摘されている捜査費(国費)と捜査報償費(都道府県費)に関し、16年度の執行額が北海道警などの裏金問題が発覚した前年度と比べ、全都道府県警で減少し、全国平均では33%減ったことが13日、共同通信社の全国調査で分かったと報じる。執行総額は約20億円減の約41億円で、徳島県警が66・7%減で減少率トップだったのをはじめ、半減したのが6県にも上ったとのこと。全国市民オンブズマン連絡会議は「急な減少はもともと適正な執行が少なかった証拠」と指摘しており、一方、警察側は「裏金問題で捜査員が委縮したり、協力者が受け取りを拒否するケースがあった」と説明しており、また、警察庁が問題発覚後の昨年3月、それまで認めていた偽名の領収書を廃止したことも影響したとみられると記事は伝える。

政府系金融機関が貸倒引当の厳格化で赤字に

 8月13日付け日本経済新聞朝刊1面に「政府系金融が赤字転落、不良債権処理を厳格化、前期1470億円」の記事。

 記事は、日本政策投資銀行など政府系9金融機関の16年度決算が出そろい、金融庁が不良債権処理の厳格化を促した結果、最終損益が前年度の5594億円の黒字から1470億円の赤字に転落したと報じる。政府系金融機関には民間では融資しにくい分野に資金を供給する役割があるものの、国民生活金融公庫は5期連続の債務超過で、業績悪化に歯止めがかからなければ、将来の国民負担につながる恐れもあると記事は評する。政府系金融機関の16年度の業績が大幅に悪化した要因は、融資の焦げ付きに備えて従来より厳格に貸倒引当金を積み増したり、回収不能に陥った債権が増えたためで、9機関のうち国民公庫、中小企業金融公庫、住宅金融公庫が赤字になったとのこと。赤字幅が大きい中小公庫は1990年代後半以降、民間金融機関による「貸し渋り」批判が生じた際に、中小企業に積極的に融資しており、その一部が焦げ付いたもようで、16年度決算では不良債権を厳しく見積もったほか、特殊法人の旧中小企業総合事業団から16年7月に、赤字事業である信用保証協会向け保険業務を引き継いだ影響も出たと記事は伝える。中小企業向け融資を主な業務とする国民公庫も債務超過から脱却できなかったとのこと。住宅公庫は個人向け住宅ローン債権の貸倒引当金を大幅に積み増して初の債務超過に陥ったもので、住宅ローンの焦げ付きは最終的に最大9千億円程度に達する見通しとのこと。政府系金融機関は原則として民間企業と同様の会計手法を適用しており、15年からは回収可能性を自主的に判定する自己査定や焦げ付きに備えた貸倒引当金の水準が適切かどうかを、金融庁が検査しているとのこと。中小公庫が貸倒引当金に繰り入れた額はその前の年度の2倍強の1448億円、住宅公庫は同19倍の4431億円に膨らんだとか。9機関合計の不良債権残高は8兆円で、中小公庫や沖縄振興開発金融公庫の不良債権比率は10.5―14%に達したとか。公営企業金融公庫は貸出先を地方自治体に限定しており、不良債権はゼロとしているが、自治体の運営する水道やバス事業の一部はすでに赤字に陥っており、政府系金融機関の不良債権が今後膨らむ懸念は払拭(ふっしょく)できないと記事は評しているが、まあ、公営公庫は融資機関というよりは地方自治体の共同起債機関的な側面が強いので、さすがにちょっと煽り過ぎと思われる。政府系金融機関は融資の原資の大半を郵便貯金や国債(財投債)を資金源とする財政投融資からの借り入れで調達しており、その合計額は113兆円に達しており、民間金融機関のように資金調達などを通した外部からのチェック機能は働きにくく、財務状況の悪化が続けば郵貯の資産悪化につながり、将来的に国民負担を招く危険性もあると記事は伝える。

16年度は阪神高速と本四公団が黒字

 8月13日付け日本経済新聞朝刊5面に「道路4公団、阪神、債務超過に――昨年度民間基準、コスト削減課題」の記事。

 記事は、日本道路公団など道路関係四公団が12日、民間企業並みの会計基準で作成した16年度の財務諸表を公表したと報じる。資産の評価方法を変更したことなどから、阪神高速道路公団が1620億円の債務超過に転落していて、10月の民営化に向けて財務状況の厳しさが改めて浮き彫りになっており、一段のコスト削減や、地方自治体の支援拡充などが課題になりそうだと記事は評する。民間並み財務諸表は14年度分から公表しており、債務超過は14年度の本州四国連絡橋公団以外なかったが、バブル期に高い金利の借金で建設した道路の資産評価を大幅に下げ、債務超過に陥ったとのこと。阪高は償還率など経営指標が改善しているため「道路建設や債務の償還に問題はない」と説明しているとか。収支は、料金値下げなどによる収入の減少を管理コストの削減などで補いおおむね改善しているとか。道路公団が3044億円、首都高が121億円の経常黒字を確保しており、阪高と本四公団は赤字だったとか。

情報格差解消へサポート

 朝日は8月5日に「情報格差解消に交付金 総務省が自治体の支援強化へ」を配信。

 記事は、総務省が18年度から、インターネットなどの通信網の整備が遅れている地方自治体への支援を強化すると報じる。使い勝手の悪い補助金制度を改め、現地の事情に合わせてインフラを整備できる交付金制度を新設するとのこと。通信分野の新技術を地方が自由に選択できることで、効果的に情報インフラ格差の解消を進める狙いと記事は伝える。ブロードバンド(高速大容量通信)が全く使えない世帯は、総務省の3月末の推計で全国で約345万世帯(約7%)。10年度までにゼロにするのが同省の目標とか。現在は防災などの行政情報を伝えることなどを条件にブロードバンド整備の補助金を支給している地域情報化総合支援事業(05年度は約5億円)を、交付金制度に変更し、光ファイバー回線や無線LANなど、どの技術を選ぶかは自治体に任せ、ブロードバンド整備の大半を対象とする方針とか。これまでは、携帯電話の基地局や光ファイバー、ケーブルテレビなど通信手段ごとに区分して補助金を支給してきたが、技術の進歩で複数の手段を組み合わせれば、より効率的な通信網整備ができるようになり、自治体からは「平野部など光ファイバーが使いやすい地域もあれば、山間部など無線LANが効率的なところもある」など柔軟な対応への要望が強まっていたと記事は伝える。

みずほが公的資金返済へ

 共同は8月5日に「みずほ8千億円返済へ 公的資金の残高半減」を配信。

 記事は、みずほフィナンシャルグループが、注入を受けた公的資金約1兆5000億円のうち8000億円程度を、月内に返済する方針と報じる。みずほは18年度中に公的資金を完済する目標を示しており、早期に残高をほぼ半減することで、目標の達成をより確実にするとのこと。返済は、預金保険機構が保有する優先株を買い入れ消却する方法で実施し、含み益のある優先株と含み損のある優先株を抱き合わせで買い入れ、預金保険機構に一定の利益が出るようにして国民負担が生じないようにすると記事は伝える。具体的な返済条件は株価の動向などをみながら、金融当局と調整して最終決定するとのこと。みずほは10、11年に、国から総額約3兆円の公的資金の注入を受けたが、これまでに約半分を返済しており、財務体質が急速に改善し、株価も回復基調にあるとか。公的資金返済の原資となる毎年の利益から積み立てた剰余金の状況からみると、目標よりも早い18年度上半期(18年4-9月)に返済が終わる見通しで、みずほは他のメガバンクなどに先んじて公的資金の返済を終えることになると記事は伝える。

金融庁が公的資金返還の方法を明示する方向

 毎日は8月6日に「<公的資金>各行に多様な返済法認める方針 金融庁」〔斉藤信宏〕を配信。

 記事は、金融庁が9月にも、銀行に投入した公的資金の返済方法の考え方をまとめ、公表すると報じる。みずほフィナンシャルグループ(FG)が1兆4664億円の公的資金のうち最大8700億円を月内に返済する方針を明らかにするなど、不良債権処理にめどをつけた大手行が公的資金を返済する動きが加速しているためとのこと。国民負担を回避するなどの原則に照らして問題がなければ、さまざまな方法による返済を積極的に認めることを盛り込み、各行に公的資金の早期返済を促すとか。公的資金は、10年から早期健全化法、金融安定化法、預金保険法の三つの法律に基づき、23行に12兆3809億円が投入され、うち10兆7882億円が大手行7グループを対象にしたもので、国は、普通株や議決権がない代わりに配当の高い「優先株」、一般債権者より債務弁済の順位が低い「劣後債」を引き受ける形で資本を投入し、これまでに、このうち3兆4730億円が返済されたとのこと。銀行が剰余金を積み上げて国から優先株を買い戻したり劣後債を返済する方法のほか、国が優先株を普通株に転換した上で株式市場で売却する方法、銀行が海外の金融市場で資金調達して優先株を買い戻す方法など、返済手法は多様化しているとか。剰余金を積み上げて返済資金を作る方法は、確実性が高いが時間がかかり、株式市場への売却は、一度に多額の返済もできるが、市場に出回る株式数が増えて株価下落を招く恐れがあり、また、資金調達による返済も市場への影響を注視する必要があるなど判断は難しいと記事は伝える。金融庁はこれまで「収益を積み上げて剰余金で返済するのが基本」との立場だったが、昨年、策定した金融改革プログラムの中で、公的資金の返済条件について、(1)銀行の財務の健全性維持、(2)市場への悪影響の回避、(3)国民負担の回避、を3原則として明示したとか。秋までにまとめる「考え方」の中では、この3原則に沿っていれば、多様化する返済方法を認める方針と記事は伝える。