『アラサー男子の老化ウォッチング』へようこそ。
これは、私がアラサーに突入してから逐一メモっていた心身の老化を、アラサーのうちに書き残しておこうというただの思いつきです。
せっかくみんなで見ないことにして済ませていた老化のはじまりを、よせばいいのにほじくり返します。
毎週日曜日に一本ずつアップしていく予定。
薄~い目で、ご覧いただけたら幸いです。
25.つまんなくても笑ってあげられる
私は昔から、愛想笑いというのができなかった。
つまんない人がつまんない話をして、たとえ周りのみんなが笑っていても真顔。どうしても、クスッともできなかった。うまく笑おうとすると自分が気持ち悪くて。
おもしろくないのに空気読んでがんばって笑おうとしたこともあるんです。みんなが笑ってるタイミングを見て、若干遅すぎる感に気づかないふりをしながら「ハハ」とか言ってみる。でも、たった一つの愛想笑いで、どこかにある自分の魂ってもんが削られて、薄くなっていくような気がして、大変なストレスだったんです。もう、おもしろくない人なんて、いっそ軽犯罪法違反で逮捕されればいいのに……。それともみんな、本当におもしろいと思って笑ってるんだろうか。おもしろいと思えない私がおかしいんだろうか。
ところが最近、知人の子どもたち(小学生3人)の面倒を見る機会がありました。
とくに共通の話題はないので、私は必要なければ話しかけず、隣の部屋で読書などしていました。すると子どもがやってきて、私に話しかけるんです。
「なぞなぞです!」
若い頃の私なら、相手が子どもでも「めんどくさっ」という顔をして、めんどくさそうに、
「いま本読んでるから後にして」
とか言っちゃうところでしたが、気づいたら、
「へー、どんななぞなぞ?」
と聞いてました。
「何をあげても『いらない』っていう人の国はどこでしょう~?」
「イラン」
と0.2秒で答える私。
「ブー」
どや顔で言う子ども。
「え? えー……えぇ?」
とまどう私に子どもは言いました。
「ヒントは、『いらない』っていうのは何語ですか~?」
「あ、日本?」
「正解!」
ここで若い頃の私なら、
「じゃあ日本語を話せる外国人はどうなんですかー? 人種差別やめてくださいー」
と突っ込んでるところですが、気がついたら、
「何それアハハ~」
だって。
そして、そう答えた自分に、これが何とも思わない。ていうかストレスフリーで愛想笑いできるって、なんてラクなんでしょう!
あ、でもまだ、しょーもないオヤジギャグにはイラっとすることがあります。つまんなくても笑ってあげられない。
子どもの無邪気ななぞなぞだから笑ってあげられるんでしょうか。それとも、許容範囲が広がったのか、いろんなことがどうでもよくなってきたのか。
早く何でも誰の冗談でも、何も考えずに笑えるようになりたいものです。
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