『アラサー男子の老化ウォッチング』へようこそ。


これは、私がアラサーに突入してから逐一メモっていた心身の老化を、アラサーのうちに書き残しておこうというただの思いつきです。


せっかくみんなで見ないことにして済ませていた老化のはじまりを、よせばいいのにほじくり返します。


毎週日曜日に一本ずつアップしていく予定。薄~い目で、ご覧いただけたら幸いです。


えーん笑い泣き笑い泣き


アラサー男子の老化ウォッチング①『映画の予告編で泣く』


年をとると、涙腺が崩壊すると申します。私も最近、他人事ではなくなってきました。


とくにそれを実感するのが、映画の予告編を観て泣いたときです。私は映画館で2時間座っていられないので、家でDVD派なのですが、本編を見る前に予告編でひと泣き、ヘタしたらふた泣きします。目、鼻、喉が疲れます。


以前はそんなこと、なかったんです。ていうか、泣かされてたまるか、という気概が20代の頃にはあったものだよ。それももう、どっか行った。作り手の思惑通りに、まんまと流されてやるか、みたいな。どうでもいいやー、みたいな。

 


最近予告編で泣いた映画を思いつくまま挙げてみます。


まず、『奇跡のリンゴ』。


これこそ、若い頃には忌み嫌っていた、「泣くの一択しかない展開」です。観る者に、泣く意外の選択肢は、感動する以外は許さないっていう。ある意味ほとんどバイオレンス映画と思ってた。はずだったのに…。もう逆らう気力もないし。


次にジブリの『風立ちぬ』。


この予告編には、私の大好きなユーミンの『ひこうき雲』という曲がフルで使われていて、イントロでもう泣きました。で、最後の「震災のとき…、ありがとうございました」で、東日本大震災のときの国内外からの救助を思い出してまたウッとした。

 


予告編でなくても、本編でも意外なとこで涙が飛び出ます。


『魔女の宅急便』を久々に観たときは、キキの魔力がなくなって、ひとり土手で飛ぶ練習をするシーンとか、後半トンボを助けるためにデッキブラシにまたがる場面とかで泣いた。泣きながら、これって泣ける映画だっけ? と思った。いやいや、小さい頃観たときはそんなことはなかったぞ。


『キャタピラー』なんて、はじめの5分でもう号泣。寺島しのぶさんの、女性の生の激しさに圧倒されて。あれはすごかった。

予告編で泣いても、本編ではウルッともこない作品もありますけれども。

 


思うに、アラサーにもなると、感情のひだみたいなもんが豊かになっていくんじゃないか。他人のよろこびやかなしみって、生きるスピードが速いと、気がつきにくい。高速道路をすっとばしながら、中央分離帯の花とかゴミとかに気がつける人は少なそうです。もしそれができる! という人は、かなり感情や共感の動体視力のようなものが発達しているのでしょう。感情のプロ、共感のプロと呼んで差し支えないですね。


アラサーの私は、何かを見たり聞いたりした時に、「これが自分だったら」「自分の友人、家族だったら」とかいちいち思うようになった。それはつまり、自分に置き換えるヒマと余裕があるってことなのかも。


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