『アラサー男子の老化ウォッチング』へようこそ。
これは、私がアラサーに突入してから逐一メモっていた心身の老化を、アラサーのうちに書き残しておこうというただの思いつきです。
せっかくみんなで見ないことにして済ませていた老化のはじまりを、よせばいいのにほじくり返します。
毎週日曜日に一本ずつアップしていく予定。
薄~い目で、ご覧いただけたら幸いです。
アラサー男子の老化ウォッチング⑬『客席の選び方が老いる』
突然ですが、カフェやレストランに行ったとき、みなさんは何を基準に席を選びますか? 席の選び方って、その人の趣味・嗜好・性格が顕著に表れますよね。私は「老化度」も同じだと思っています。
私はそもそも外食をほとんどしないので、どこでもどうでもよかったんですが、上京してからちょいちょい外食の機会が増えましたね。東京は、人と会うのにも、ちょっと座るのにもなんだかんだとお金がかかる、そういうふうにデザインされている街なのだと、カッペの目には映ったものです。
話を戻しますけど、席を選ぶ基準を持ってないと、店員さんが案内してくれない場合、しばらく店内をウロウロ迷うことになります。一度座ったあとに、落ち着いて全体を見まわし、「あ、やっぱりあっちに移ろう」なんてこともしばしば。お店に迷惑です。ああ、迷ってる時間がうっとうしい。入った瞬間に、どこに座ればいいかパッと判断する基準がほしい!
そこでわかりやすい基準といえば、自分の趣味・嗜好です。
昔読んだ風水の本に書いてあった、龍脈の話を思い出しました。
風水では、部屋にもお店にも、龍脈というよい気の流れる場所があると考えます。それは入口から中心をとおって、対角線上に反対側の壁へと伸びるライン。席に迷ったら、とりあえずこのライン上に座ることにしました。
しかし、そんなもん龍脈上にいつも都合よく席があるわけじゃないし、居心地とは関係ないんですよね。だいたい店の真ん中にある席なんて周りからよく見えて居心地悪い。はしっこ人生を生きてきた私はテラス席とか、高座になってる席とか、エラそうな衆人環視度の高い席が苦手なのです。
そんなふうに試行錯誤をしてみると、だんだんわかってくることもあります。席選びには、趣味・嗜好に加えて、機能性や実用性も加味したいもの。
私は壁に向いてる席よりも、いつも逃げられるように(←何から?)全体をよく見渡せる席のほうが落ち着くこと。短足なのでカウンターなどの高いスツールより、低めの安定度の高いイスがよいこと。
そしてスマホやノートパソコンを持ってる時は、「電源のある席」もよく使わせていただきます。
しかし、それも20代までのことでした。三十路を過ぎたあたりから、席の選び方が変わってきたのです。というか、「老化」という項目がさらに増えた。
まず窓際がダメ。ガラス窓のすぐそばなんて、夏は日光がさんさんと降り注いで暑いし、冬は外気に近くて寒いじゃないですか。
冷暖房の風が当たる席もダメ。風が当たると乾燥するし、体が冷える。
それからトイレが遠い席もダメ。風水的には、トイレが近い席こそダメらしいんだけど、そんなの関係ねぇ! 三十路過ぎたら運気よりも何よりも膀胱が優先なのです。
つまりアラサーの私は、お店に行くと、テラス席や中央の席以外で、壁に向いてなくて、店内がよく見えて、イスが低めで安定していて、電源が使えて、窓際ではなく、かといって冷暖房の風も当たらない、トイレの近くの、かつできれば龍脈上にある席に座りたいのです。
……自分でも本当にめんどくさい客になり果てたものだと思う。どんどん生きにくく、そして不機嫌になっていく私である。
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