『アラサー男子の老化ウォッチング』へようこそ。
これは、私がアラサーに突入してから逐一メモっていた心身の老化を、アラサーのうちに書き残しておこうというただの思いつきです。
せっかくみんなで見ないことにして済ませていた老化のはじまりを、よせばいいのにほじくり返します。
毎週日曜日に一本ずつアップしていく予定。
薄~い目で、ご覧いただけたら幸いです。
アラサー男子の老化ウォッチング⑯『絶対に終電で帰る』
私は絶対に終電で帰る。その決意は揺るがない。帰るったら帰る。もう親の仇のように終電で帰る! 正確には、終電の1時間前には「家が遠いものですから……」といって帰る。
だいたい仕事でもプライベートでも、用事というのは、メンバーがアクセスしやすいよう、都心に設定されることが多いですよね。私はここでも、郊外在住ということを十二分に活用し、早め早めの撤収を心がけ、「夜遅くまでいられない人物」と印象づけるよう日々努力しているのです。
なぜ、そんなにも帰るのか。
ひとつには、もう体力的に夜遊びがしんどい、ということが挙げられます。
私の夜遊びの変遷を振り返ってみると、
・20代前半までは、ごくたまにクラブでオールナイト
・20代後半になると、ほんのまれに飲み会
・30過ぎたら、折にふれ親しい人だけでお茶
年をとるにつれ、不特定多数から特定少数へと、お付き合いの幅がぐーんと狭まってきたのがわかります。ラク!
もうひとつの理由は、泊まりで家を空けるのがストレスだからです。
ほとんど家におりますもので、急に泊まりになったりすると、早く食べようと思ってた冷蔵庫内の生モノや昨日の残り物、干しっぱなしの洗濯物、さらに流しに置いてきた食器などが気になって気になってしょうがないんです。刻一刻と夜露に湿ってゆくシャツや、乾いて落ちにくくなってゆくフライパンのことを考えるだに、ああこんなことなら出かけなければよかった……。
30代も半ばに差し掛かった今日この頃、本当は終電の1時間前でも遅すぎると感じています。終電近くの満員電車に揺られて郊外まで、ほとんど座れず帰るのは、もう若い人たちのすること。
許されるなら、通勤ラッシュが終わる午前9時より後に出かけて、夕方のピークがはじまる午後5時前には家に着いている、という夢のゴールデンプランで出かけたい。
しかしながら、終電で帰ることを目標に設定しているくらいではまだまだ若輩者です。
2018年、100歳を迎えられたエッセイスト・吉沢久子さんの本を読んでいたら、誘われても「もう出かけるのが大変になってきましたので」というだけで、誰もがぐうの音も出ずに引き下がる、というのです。そもそも出かけない。最強じゃないですか!
その武器は何歳から振りかざせるんでしょうか。私がそれを読んだとき、吉沢さんはすでに卒寿を過ぎておられたはず。しかし私は今年34歳なので、あと56年……。道は長いですが、その日を夢見て精進してまいります。
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