
プリティーシリーズのₙC₅「マジ・ワッチャパレード」「チャンとプリ☆チャンやってみた!」ほか
はじめに
自作のプレイリストからアーティストもしくは作品毎に5曲を選んでレビューする記事です。第8弾は【プリティーシリーズ】を取り立てます。普通に読む分に理解の必要はありませんが、独自の用語(nの値やリストに係る序数詞)に関する詳細は前掲リンク先を参照してください。
これまでに当ブログで同シリーズをメインとした記事は5本あり、そのうち以下の2本は『プリパラ』に偏っているものの、大ボリュームの特集なのでリンクカードを貼っておきます。特に「その1」はアップ時から現在までコンスタントにアクセスが多く、そのうち1/3程度の方に続けて「その2」もお読みいただけているようです。後者は『プリティーリズム・レインボーライブ』の音楽に対しても紙幅を割いていますし、2023年には『アイドルマスターシリーズ』のリミックス集を引合いにした制作論を追記したため、記事タイトル以上に手広い内容だと宣伝しておきます。
その他関連のある言及をした記事や単に名前を出しただけの記事も読みたいという方は、当ブログのID指定ありの検索結果ページを以下にリンクしておくので辿ってみてください。なお、本記事の選曲に於いては過去にレビュー済の楽曲をなるべく除く形にしました。
前置きは以上で、ここからプリティーシリーズのₙC₅を書き始めます。現時点でのnの値は90/3[=30*3]、レビューするのは「マジ・ワッチャパレード」「チャンとプリ☆チャンやってみた!」「ピュア・ハート・カレンダー」「タッ・ピ~ロペ・サパンナ!」「チェキ☆ラブ」の5曲です。最新作『ひみつのアイプリ』始動に合わせて、過去作からそれぞれ1曲ずつ振り返ってみようの精神でお送りします。
「マジ・ワッチャパレード」(2021)
まずは当ブログで未だ言及したことがなかった『ワッチャプリマジ!』(アニメ)について今更ながらやや批判的な視座から語り始めるのをご寛恕願いまして、ゆえに作品に対して概ね好意的な方や音楽レビューだけを読みたい方は以下に連なる文字サイズ小のパラグラフを読み飛ばしてください。具体的には「題材選びとその描き方」に問題を提起する趣旨なので、読み進める場合は「それ以外の部分は基本好んでいる」と留意していただければ幸いです。
筐体は稼働し続けるのにアニメは駆け足気味に1年間で終了の結果から察して本作はいまいち弾けなかったとの受け止めで、個人的な所感でも「魔法がテーマにしては夢がないな…」と現実的な柵にフォーカスし過ぎの嫌いを常に懸念していました。別けてもオメガCorp.絡みの描写は大人向けと言いましょうか、本来のターゲット層が観ていて楽しいものではなかった気がします。例えば『魔法つかいプリキュア!』の魔法界とナシマホウ界みたいな関係性と交流を期待していただけに、2年目があれば恐らくそういう展開も見られたであろう締め方が尚口惜しいです。事実朗読劇イベで語られた後日譚も留学後の話みたいですしね。「元から1年間の予定だった」とか「決算上は好材料扱い」とかの話もあるため(下掲リンク先参照)安易に失敗認定はしないけれど、最終話でパートナーの人間態を一挙に登場させたのが一層打ち切り感を加速させていて切ない気持ちになったのは事実と当時の心境を顧みます。
音楽的には評価しているのに作品は短命で残念の類同に『ラピスリライツ~この世界のアイドルは魔法が使える~』があり、奇しくも「アイドル」(プリマジスタは厳密にはエンターテイナー?)と「魔法」をクロスさせた両作の顛末が示唆するのは、その二つは強過ぎるジャンル・ファクターゆえに「混ぜるな危険」なのかもしれないということです。ホビーアニメの類型に於いて「魔法少女型」と「アイドル型」が別たれているの(を僕が支持する理由)も、作品の軸がぶれることを忌避する心理が働くからではないかと言えます。「魔法少女っぽいアイドル」ないし「アイドルっぽい魔法少女」と飽くまで片方に重きを置くならともかく、双方を根幹に据えるとそれぞれのシリアスな面とノンシリアスな面が干渉を起こして、かなり世界観を練らない限りは意義の弱い建て付けになると懐疑的です。更に厄介なのは縦んば巧く練っても色濃くなるのはアイドルと魔法が両立する世界観そのものの確固さで、キーコンセプトが舞台装置に深く食い込むとストーリーもキャラクターも設定の犠牲になる場面が増え、その奥行や内面を敷衍し難くなるジレンマを抱える向きもあるでしょう。これは描写に言わば「遊び」が減るという意味です。
2×2で表せばシリアスとノンシリアスの相殺でどっち付かずになるのが意義の弱いケースで、アイドルの華やかさとそこに至るまでの現実的な諸要素という王道の対比が魔法の存在に拠って恣意的になるフェーズⅠと、これを回避しようとして(=アイドル要素を活かそうとして)結局魔法で出来ることと出来ないことの線引きが曖昧になるフェーズⅡが想定されます。ここから生じる「何方か一方だけでも成長を描けるのでは?」の疑問は尤もな説得力でクリアされないと互いに足を引っ張る構図に陥るので、係るバランス調整が行き着く先はシリアスかノンシリアスの重ね掛けになるとの分析です。このうち前者が確固たる世界観のケースで厳しい作風を是とするなら名作たり得る選択肢だけれど、純粋にエンタメ力が高いのは後者でホビアニに求められるのも即ちこちらだと主張します。要はそれだけ「アイドル」にも「魔法」にもハイポテンシャルな夢の力があるため、ストレートに楽しさを描いたほうがより良い夢を見られたであろうにとの遅蒔きの提言です。
…と、このように「題材の持つの難しさをホビアニの文脈下で扱いきれていなかった」との認識を抱えているので、振り返れば第1話で本曲にワチャワチャした時が個人的なピークでした。実際「魔法のようなステージは本当に魔法だったんです!」の導入はとても夢があって素晴らしいと感じましたし、その後も使用頻度の高い「マジ・ワッチャパレード」は作品の理想を体現する良曲と捉えています。
曲名通りパレードを思わせる楽しげなサウンドがフィルター越しに近付き、hey!を合図に逸るビートが鼓動の高鳴りに似るイントロだけでも、ハートを揺さぶるには充分です。"早く会いたい/準備はOK?/本気に着替えて!"および"今 歌いたい/あなたの夢/すべてを聞かせて!"とまつりが開くマジの端緒を、みゃむが"(チャ!チャ~ンス!ワッチャワッチャ!)"と囃し立てて大マジにする掛け合いは、マナマナとチュッピが力を合わせてこそのプリマジだとコンセプトを顕にしています。
当ブログのメロディ区分のルールに照らして多彩な楽想も聴き所です。歌い出しのセクションはサビかと思いきや実態はフック始まりで、後にラスサビ前でプレコーラスも担う意外な出現の仕方にはっとさせられます。Aメロの大きく展開するつくりも特徴的で、前半のガーリーでちょっとビターなメロディに対して"おまつり"のステップでリズミカルに跳ね出す後半での変化量の大きさには、アルファベットを進めるか迷ったくらいです。
このグルーヴはみゃむのコーラスが加わるチアリーディングなBメロに引き継がれ、その心地好いポップさに弥が上にもサビへの期待が高まります。しかし満を持してのサビは予想外に鷹揚なラインが印象的で、「チア」に絡めたこの感じは僕が過去に「突き抜け」と表現しているタイプの聴こえだと勝手に納得しました。『キラッとプリ☆チャン』の楽曲「スキスキセンサー」(2018)のレビューにも用いた形容なので、別記事「Lilies line」(2007)での使用と併せて各リンク先の記述が言わんとしていることの補足になればと思います。
これを踏まえると本曲は突き抜けっ放しでない点が殊更に技巧的で、サビメロの範囲で再びポップに回帰してくるのが素敵です。それが表題を連呼する"マジ・ワッチャパレード"のセクションで、発声に忠実な「マジワッ|チャパレ」の譜割りが底抜けにチアフルでエモさが押し寄せてきます。2番サビ後に短いながらも切ないCメロがくるのも一例に含めて、性質の異なる旋律が交互に顔を覗かせるところに本曲の魅力が詰まっているとしたいです。
この立脚地では先に「ガーリーでちょっとビター」としたAメロ前半と「予想外に鷹揚」としたサビ前半の美麗さがお気に入りで、とりわけ前者は歌詞内容に込められた輝きと相俟って愛おしく、1番の"憧れはナユタカラット/オリジナルの奇跡 とか/臆病なハート 変えちゃうような/すっごいなにか ほしいから"も、2番の"可能性は無限オクターブ/あなたとならマジカル・スケール/せつないくらい抱きしめた/お気に入りのコーデみたい"も、卓越した語彙選択と表現方法で流石児玉雨子さんの手に成る言葉だと得心がいきます。
「チャンとプリ☆チャンやってみた!」(2019)
2曲目に紹介する「チャンとプリ☆チャンやってみた!」は、ゲーム『キラッとプリ☆チャン』2年目のテーマソングです。「はじめに」にリンクした二つの特集記事ではプレミア価格的な意味で入手しづらい『GAME PriPara BEST』(2020)の収録曲もレビューの対象としたので、そのプリチャン版と言える『GAME Pri☆chan BEST』(2021)から選曲してアニメの楽曲しか知らない人に隠れた名曲をおすすめします。
ちなみに僕は両盤ともメルカリで購入していて、プリパラのは2020年11月に定価3,850円に対して4,800円で、プリチャンのは2022年1月に定価3,300円に対して3,499円で取引しました。2024年現在は更にプレミアが付いており、駿河屋では前者が5K後者が10K超えとますます稀少感の漂う相場です。
本曲は特にサビのアッパーなノリがクセになります。シンソフィアの加藤さんによるメモには「それにしても気合十分」と、メルティックスターver.のほうにも「気合が入りすぎた」と記されていて、これが共に当該の勢いに関する言ならば大いに同意です。作編曲を手掛けたSUPA LOVE所属の松坂康司さんについては、そのワークスに特筆性を感じてこれまでに二度お名前を出しています。『五等分の花嫁』から「Sign」(2019)および、『ワールドダイスター』から「小さな奇跡の降る夜に」(2023)にてです。
プリティーシリーズに於いても幾つかの楽曲提供があり、当ブログ上に言及があるものだけに絞れば「GOスト♭コースター」(2017)と「リンリン♪がぁらふぁらんど」(2018)と「プリティー☆チャンネル」(2018)が該当します。中でも「リンリン~」は元となったペア曲「サンシャイン・ベル」(2017)と「すた~らいとカーニバル☆」(2018)の存在も加味してそのチャレンジングな制作手法を評価していました。何れにせよ都度驚かされるポイントが違うのは多才なトラックメイカーの証左です。
アレンジが控えめなサビ始まりと落ちサビから判断するにメロディそのものに過剰なアッパー性はなくポップの範疇に収まるけれど、通常のサビでは隙あらば入る合いの手がメロの連続性を維持し続けるためフロウがスピーディーに聴こえて、且つオケで鳴っている全ての楽器がグルーヴィーに振る舞い見事な中毒性を生んでいると分析します。そのいちばんの功労者は手数の多いベースとしたく、副旋律と言ってもいいくらいにメロディアスに歌って、音を途切れさせまいとしているのが格好良いです。
バンドサウンド以外にブラスとピアノにも忙しなく身体を揺さぶられ、全体で絢爛な音像を構築しているのが記念曲に相応しく感じます。ゲームの楽しさを伝えることに特化した歌詞もぴったりで、別けても好きなのは"ライブあとはパシャリング (パシャ!) パシャ☆ステ パシャして (パシャパシャ!)"の1行6パシャです。笑 ※括弧書きの合いの手は歌詞として印字されていません。
「ピュア・ハート・カレンダー」(2019)
お次は『アイドルランドプリパラ』から同じく2019年の楽曲、イベントで初披露された「ピュア・ハート・カレンダー」にフォーカスします。僕にとって本曲は超スルメ曲で、自作のプレイリストに於いて当初は全60曲編成だった「プリティーシリーズ」を全90曲に格上げした際に、リスト外からいきなり1st(上位30曲)にインする大躍進ぶりです。このことは下掲記事の備考欄に「なぜこの神曲を以前の僕は上位60曲までにすら入れていないのかと我ながら不覚で、特集のアイドルランドプリパラ編でレビューしなかったことを後悔しています」と書くレベルだったので、ここぞとばかりにフォローさせてください。
聴き直す過程でその良さに気が付けたのは間違いなくサビの歌詞のお蔭です。ある時ふと言葉の持つ情緒が強く脳内に出力される瞬間があり、"いっぱい願いかなえてみたいな!/信じたらホントになるって/知ってる だから作ろう ピュア・ハート・カレンダー"の一節がそれに該当した途端、泣きたくなるほどの感動を覚えて心の幼女が転び出そうになりました。
"いっぱい願いかなえてみたいな!"と素直な夢が天井知らずの明るい展望と、"信じたらホントになるって/知ってる"の何事にも囚われない純真な万能感を、行動の指針として身近な予定表に落とし込み"ピュア・ハート・カレンダー"と表現する。この「無敵」の描写に衝撃を受けたのです。続いて"いっぱい願いかなえてみようよ!"とモダリティが対他人に変化し、"未来でざわめいてる マイ☆ドリーム"で私の夢の未知数さをユニット名に掛けて、しかしその未来が輝かしいものであることは"キミと作るファンタスティック まだまだ終わらない"で約束される。こうして無垢な心模様が無限に描き出す複雑性を、全て平易な言葉繰りで表しきった真崎エリカさんのセンスに脱帽します。
タッグを組むことが多い本多友紀さんによる作曲との相性もバッチリで、歌詞を抜きにしてもこの文字通りピュアリーなメロディの愛らしさを初聴時にキャッチ出来なかった自分が信じられません。過去にフェイバリットとして言及しているプリティーシリーズ楽曲から例示すれば、「ブランニュー・ハピネス」(2017)と「ヒロインズドラマ」(2019)も同じ作詞作曲のクレジットだぞと。作曲だけなら「シュガーレス×フレンド」(2016)も本多さんだぞと。氏の経歴を見たら他作品にも好んでいるものがたくさんあったぞと(例:①『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』から「星のダイアローグ」(2018)ほか多数・②『やがて君になる』から「hectopascal」(2018))。個人的な琴線にふれやすいクリエイターであっただけに、尚の事なぜにの気持ちが大きいです。
このうち「ブランニュー~」と「シュガーレス~」は編曲に酒井拓也さんが名を連ねているのでアレンジの違いに原因を求めてみても、本曲の編曲者である脇眞富さんの手腕もまた好んでおり理由になりませんでした。そも上例の②が同じ作編曲でこれを絶賛していますし、脇さんの雄弁なアレンジ力については「しーくれっと!ラタトゥイユ」(2019)のレビューで存分に語っています。本曲にはディスコのサウンドが随所に窺え、Aメロでのストリングスの鳴らし方や2番後間奏のプレイで魅せて躍らせる気概満々のオケがツボです。サビで"みたいな!"と"なるって"の後にフィルするシンセのラインも可愛い。序でにふれるとゆいの"がんばらなきゃスタディ"の歌い方が「スッタディー♪」なのもキュートで好き。
「タッ・ピ~ロペ・サパンナ!」(2021)
ここで作品としては『プリパラ』に遡りますが、コロナ禍で延期していたイベント用のナンバーをピックするので初出年は進んで2021年です。というわけで埋め込んだペッパーのセンター曲「タッ・ピ~ロペ・サパンナ!」は、待望のNonSugar初アルバム『Tasting NonSugar』(2021)の中で最も気に入っています。このことは以前に別記事でもふれていて、リンク先の最下部には同盤収録曲「ノンピリオド」のプチレビューもあるのでよろしければご覧ください。ちょうど字数制限の壁に阻まれるタイミングだったせいで言及量が少なくなっているだけで、本当は「ノンピリオド」もかなりの推し曲だということを表明しておきます。沖縄の駿河屋で発掘したプリティーシリーズグッズの紹介もしているため、こちらも興味があればぜひ。
さて、僕はそも動物がモチーフでトライバルなビートが象徴的なアニソンには惹かれ易いです。有名どころでは「ようこそジャパリパークへ」(2017)を筆頭にした『けものフレンズ』の関連楽曲や、『アイドルマスター ミリオンライブ!』の「ジャングル☆パーティー」(2016)は好例と言えます。サンバのリズムだけれど『アイカツスターズ!』の「アニマルカーニバル」(2017)にもプリミティブな良さがありますし、言葉は悪いですがアホっぽい要素があると尚良く『ひなビタ♪』の「けもののおうじゃ★めうめう」(2017)は理想形のひとつです。しかしその実野性味が薄いアレンジも許容範囲で、『オンゲキ』の「どうぶつ☆パラダイス」(2019)のようにテイム済っぽい世界観もそれはそれでウェルカムします。
上記の観点で言うと本曲は「プリミティブな良さ」と「アホっぽい要素」の折衷的なつくりで、その方向性は冒頭のサパンナ仕込みのチャントを浴びるだけでも直ちに理解可能でしょう。「ペロピタ」をひっくり返して"タッ・ピ~ロペ!"は今まで聞いたことのない音の連なりで新鮮ですし、"よ~うこ~そ!あたいのか~にばるっ!!!"|"オ~!オ~!サパンナ!"|"オ~!オー!"|"タッ・ピ~ロペ!タッ!"が多層的に絡み合うコーラスワークも雄大です。
ダジャレ混じりでIQの溶ける歌詞(誉め言葉)からは次第に意味が欠落して韻律が際立ち、その果てに歌われる"わい!わい!タッ・ピ~ロペ!カンパイ!サパンナ!(パン!パン!)"で陽気な響きをそのメッセージと化し、晴れて想いが通じて"目が合った!ペロピタ!もうフレンド!(う~ヤッター!)"とコミュニケーションが成立するなら、この関係性に言葉は不要だと腹落ちさせられます。その他細かい点では2番サビ終わりのSEが「ペッパー♪」なのと、"MeatsとMeets どっちもかんげ~いっ!"にペッパーの秘めたる知性が表れていてよきです。
「チェキ☆ラブ」(2012)
ラストはキャラソンではなく主題歌からの選曲で、『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』の2ndED曲「チェキ☆ラブ」を取り立てます。「KARAの妹分」なるコピーは複数のグループに対して使われているので限定性に欠けますが、確かにそう報じられていた形跡はあるPURETTYのデビューシングル曲です。プリズムはDMFから韓国側の資本関与が強まったらしく、ピュリティは作中に登場するユニットでもあります。何にせよプリズムに関しては『プリティーオールフレンズセレクション』で数話を抜粋で観たことしかなく詳細は語れません。
本曲の一度聴けば忘れようのないキャッチーさはK-POPガールズグループの面目躍如といった感じで、厚めのシンセが刻むダンサブルなグルーヴに気持ち好くなれるエレクトロポップです。韓国版のDMFではOP曲として扱われていたようで、その訴求力の高さを裏付ける起用と言えるでしょう。繰り返し聴いていても耳が疲れない絶妙な音圧はアレンジャーないしエンジニアの功か、将又時代に拠るものかともかく10年以上前の音源は近年のエッジィなサウンドに比べると慎ましさがありますね。別に最近のK-POPに他意はなく、直近ではMLBソウルシリーズの開幕式中継で聴いたaespaの「Drama」(2023)がクールで耳に残りました。
曲名の"チェキ"もそうですが歌詞には"テミテミ"に"ショミショミ"に"プシプシ"と、カタカナ表記にした英語表現があり子供向けの遊び心が垣間見えます。普通に英語詞の部分も多いけれど、背伸びしたいお年頃には魅力的に映るのではないでしょうか。曲長3:10とコンパクトながらにCメロもラップめいたパートも完備していて、聴き応えのある楽想にしているところも加点対象です。
おわりに
以上、プリティーシリーズのₙC₅でした。アニメの鑑賞状況について以前に明かした2022年4月の時点ではプリパラの第121話まででしたが、現在はアイドルタイムもアイドルランドも含めて全話の視聴が完了しています。これで残るは幾つかの劇場作品とプリズムだけになりました。
僕は同シリーズにプリチャンのアニメから入ったので2018年の4月に作品が切り替わったことには「新規参入の機会をありがとう!」と感謝しているけれど、その後に再放送でプリパラにハマってからはアイドルタイムが一年分しかないのを物足りなく思っています。だからこそ『アイドルランドプリパラ』での供給があるのだと推察するも、もっとパパラ宿組の活躍が観たいのが本音です。しかし恐らくプリパラをリアタイで鑑賞していたら、アイドルタイムに対して「パラ宿組の出番減らさないで…」と願っていたに違いないと予想が付く面倒な心理を抱えています。笑
この記事の最後に説明してある通りₙC₅に於けるアーティストおよび作品選定の順番には法則性があり、且つその更新間隔にはムラがあるため同シリーズを扱うのが何時になるかは自分でも予測不能であったのに、偶々最新作始動の週と重なったのは僥倖でした。『ひみつのアイプリ』の長命を期待するのは勿論のこと、マルチバースを想定しているのであろう『アイプリバース』には過去作(特にプリマジとランド)救済の可能性があるのでこちらにも頑張ってほしいです。