ようこそジャパリパークへ / どうぶつビスケッツ×PPP | A Flood of Music

ようこそジャパリパークへ / どうぶつビスケッツ×PPP

 現在放送中のTVアニメ『けものフレンズ』のOP主題歌収録シングル『ようこそジャパリパークへ』のレビュー・感想です。作中キャラによるユニット2組(どうぶつビスケッツ と PPP)の楽曲が収録されています。

ようこそジャパリパークへ(初回限定盤)/ビクターエンタテインメント

¥2,268
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 初回限定盤と通常盤で収録内容が異なりますがここでは初回盤を扱います。吉崎観音さん好きだからジャケ絵の誘惑に負けてしまって。笑 ちなみに缶バッジもジャケ写の方でした。


 普段アニソンは専門店で買いますが、本作には想定外の高需要が発生すると思ったので店舗で購入できるか不安でした。迷って結局確実性を選び今週月曜にAmazonで予約したのですが、案の定入手に時間がかかってしまいました。

 このことが人気を裏付けていると思います。普段なら月曜(発売日2日前)に予約したって翌日か発売日には届くのにまさか土曜になるとは。これと絡めて今回は珍しくレビュー前にアニメの雑感入れます。レビューだけ読みたい方はスキップ可



 本作の需要が高いと予想した根拠は、『けものフレンズ』の面白さが週を追うごとに各所でバレ始めていたからです。間違いなく今期一のダークホース。0話切りしないで良かった。

 といいつつ僕も1話は開始5分で危うく切りそうなったんですが、唐突なリアル解説に意表を突かれて笑ってしまって視聴継続決定したのでしんざきおにいさんに感謝です。笑

 2話はちょいちょいブラックな面が見えるしEDが不穏だとは思ったけどまだ並の印象でした。3話ともなると世界観にも慣れゲストキャラもいい感じだしで普通に楽しんでしまった。

 そして4話…次々出てくる闇が深そうな設定のオンパレードに戦慄を覚えると同時に、ある意味期待通りで神アニメなんじゃないかと思い始める。そして流石に解説にも慣れてきたところにまさかの英語とつちのこ館の登場で制作陣の天才っぷりを思い知らされ腹筋崩壊。

 最新話も3話と同じくゲストキャラとの掛け合いで楽しく観れました。もしかして奇数話がほのぼので偶数話が核心に迫る話(設定開示回)という構成なのかな?


 この絵柄とタイトルでサジェストに"考察"が出てくるような内容だと誰が予想できたでしょうか?とはいえ想像していたような教育番組的要素もきちんと抑えているし抜かりがない。

 ただ、面白いと言われてから観ても大して面白く感じないと思います。開始前の下馬評の低さ(ゲームが既に終了している等)と1話の出来から大して期待していなかったところに、シュールギャグと重そうな背景をぶっこんできたから余計に面白く感じるというのはあると思うから。端的に言えば実況向け。


追記(2017.02.13)

 言葉足らずだったので自主的に追記します。「面白いと言われてから観ても大して面白く感じない」って字面だけ見ると実際は面白くないかのように受け取られかねないので表現が悪かったと反省。

 実際も面白いということはこの記事全体を読めばご理解いただけると思ったので説明を省いたのですが、"後から観て言われているほど面白いと感じなかった人"に対して「それは誤解だよ」ということを言いたかったのです。


 前評判などの外部要因が視聴の動機になったり話題性に火をつけたりしたところは確かにあると思うので一つの事実として書いたのですが、それを抜きにしてもアニメ自体が週を追うごとに面白くなっていることに疑いの余地はありません。

 癒しや(媚びていない)可愛さを求めて観てもいいし、舞台背景やストーリーに注目して考察したりSF的な妄想を繰り広げたりしてもいいし、動物に明るくなりたいといった学習的動機の視聴にも耐えられるだけの内容もあるし、このオールラウンダーなところが『けものフレンズ』の魅力ではないでしょうか。

 ただこれを感じ取るには1話から続けて観ている必要があると思うので、後追いで1話だけ観て「なんでこれがこんなに評価されてんだ?」と思った人に対しては、アニメ自体の面白さを説くよりも先に外部要因を説明したほうが興味を持ってもらえるかなと思いああいう書き方になりました。

 とにかく『けものフレンズ』の人気はバブリーなものではなく、しっかりとした内容に裏打ちされて得られた根強いものだと思うということを補足しておきます。

追記終わり


 アニメ雑感ここまで!ここからようやくレビューです。収録曲にブラックな面は一切ないので安心して聴けます。笑

 先に書いておきますが、どうぶつビスケッツはサーバル(尾崎由香)・フェネック(本宮佳奈)・アライグマ(小野早稀)の3人組ユニットで、PPP(ペパプ)はロイヤルペンギン(佐々木未来)・コウテイペンギン(根本流風)・ジェンツーペンギン(田村響華)・イワトビペンギン(相羽あいな)・フンボルトペンギン(築田行子)の5人組ユニットです。


01. ようこそジャパリパークへ



 アニメ『けものフレンズ』OP曲。どうぶつビスケッツ×PPPの計8人で歌われています。1話EDで聴いた時から「勿体無いぐらいの良い曲!」とお気に入りでした。…いや、この時点ではまだ魅力に気付いてなかったからね。笑 今では「相応しい良い曲!」ですよ。


 ファンファーレの後にサビ始まりという"ようこそ"感満載のイントロで楽しく幕明け。暴れるクイーカ(たぶん)がジャングルらしさとコミカルさを演出していて実にけもフレらしい。

 Aメロにもそのままクイーカがなだれこんでくるのでパッと聴きコミカルな感じなんですが、よく聴くと楽器隊の自由さが印象的で特にピアノとベースが格好良い。メロディは"すっちゃかめっちゃかしても仲良し"の"しても"の伸ばし方がツボ。

 Bメロには至言"けものは居ても のけものは居ない"が登場。笑 コンセプト通りだし言葉遊び的にも上手いよね。良い意味でわちゃわちゃしていたAとは対照的に、Bはポップでキャッチーな旋律が素敵。


 サビ前半はBからの流れを継いでアニメOPらしい明るいエネルギーに満ちていますが、一転して後半は"夕暮れ空に 指をそっと重ねたら"のキュンとくる歌詞と共にお洒落な旋律で奏でられるというギャップが心地好いです。

 特に"指をそっと"の部分が良い。Aメロの"しても"もそうだけど、詰まるような感じになるところが好きみたい。こういう賑やかな曲だと良い違和感を醸しますよね。

 2番の後に台詞パートがありそのままCメロへ。ここもまたガラッと雰囲気が変わってバンドっぽさが前面に来ています。クレジットを見るとドラムだけプレイヤーの名前が載っているのでこだわりが出ているパートではないでしょうか。

 ラスサビの後にはエンディングを担うDメロが。アニメOP(TV size)でもこのパートは流れますがいちばんメロが綺麗だと思います。全体的にはプログレッシブな印象のこの曲が、締めに相応しい旋律が挿入されることで綺麗にまとまり名曲感が増している気がする。笑


02. 大空ドリーマー

 挿入歌 by PPP。次回予告の裏でちょろっと流れますね。PENGUINS Performance Project.というだけあってペンギン目線の可愛らしい元気な歌です。

 歌詞カードのイラストから判断するとVo.ロイヤルP(ペンギン)、Ba.コウテイP、Key.ジェンツーP、Gt.イワトビP、Dr.フンボルトPという設定っぽいので、それにあわせてかしっかりバンドサウンドになっています。

 Aメロがラップっぽい感じでそこは意表を突かれましたが、Bとサビはガールズバンドらしいフレッシュさにあふれていて聴きやすいです。ちゃんとギターソロもあって良い。


03. ようこそジャパリパークへ (PPP Ver.)

 タイトル通り「ようこそジャパリパークへ」のPPP版。歌い手が3人減っているので当然ですが01.と比べると少しおとなしい印象です。間奏の台詞パートが01.とは異なります。


04. は02.「大空ドリーマー」の-off vocal ver.-。


05. PPP キャストメッセージ

 PPPによるキャストトーク。「メッセージ」となっていたので一言ずつぐらいかと思っていましたが、トーク形式で9分近くあり嬉しい誤算でした。ちなみにどうぶつビスケッツのは通常盤に収録されています。

 全編通して初々しい感じのトークで色々と裏話を聴くことができます。収録曲に関する言及もあるのでセルフライナーノーツ的な楽しみ方もできるね。実質ボートラだと思うので内容についてここで詳しくふれることはしません。



 以上、カラオケ除いて全3曲+1トークでした。01.「ようこそジャパリパークへ」はフルでも期待通りに良かったです。アニメOPだけでもアレンジが凝っていることはわかりましたが、CDで細かいところまで聴くと大石昌良さんのいい仕事っぷりがわかります。

 初回限定盤はなにかとPPP推しの一枚ですが、(今のところ)本編には出ずに予告だけの登場でいまいちキャラを掴めていなかったので、PPPの魅力にふれられるという面では貴重なディスクではないでしょうか。