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2026年6月度のホロ3Dライブ6人分(はじルイころすういろわた)を軸に雑多な音楽語りをする記事

 

はじめに:再びホロの3Dライブ記事を書く理由

 

 当ブログでは下掲リンクカードの通り今月の一日に、hololive DEV_IS所属・響咲リオナさんによる生誕ライブの感想記事をアップしたばかりです。ゆえにメンバーこそ違えど、そこまで間を置かないうちに再び同趣旨の記事を今般書くことになるわけですが、これには明確な理由があるとまず明かします。

 

 

 というのも、同じFLOW GLOWのメンバー且つライブゲストでもあった虎金妃笑虎さんが後に仰っていたように(当該配信リンク)、リオナ生誕の初めてとは思えぬ高い完成度に対し「これ後にやるの逆にってなった」*1とハードルの上昇を意識せざるを得なくなっていたのと、近しいことを個人的にも感じていたからです。

 

 ※ 1 「後に」というのはFGメンバーの誕生日順的にの意。「逆に」というのは自身の性格的に一番手は様子見したかったとはいえ…の文脈。何方も詳細はリンク先を参照してください。

 

 これは所謂杞憂民としてニコたんの地力を心配する類のものではなく、先掲記事にてリオナ生誕を大絶賛して「これぞVTuberの3Dライブに於けるひとつの到達点!」とまで述べた手前、それを基準にされると今後Vに限らずとも3Dパフォーマンスないしは映像作品について気軽に書き難くなりそうだなと、ブロガーの立脚地から懸念を抱いたからに他なりません。

 

 従って、リオナ生誕記事をアップして程無くに決意したのは、「全くタイプの違う3Dライブ*2にもふれて委縮のないようにしよう!」でした。なお、記事中に示していた「各ホロメンの得意分野や世界観構築は多種多様ゆえそも優劣の付けようがない」との認識は常時有効ですので、比較を悪し様に捉えて「本記事に紹介するのは格落ちなんだな」と曲解することのないようにお願い致します。

 

 ※ 2 この条件なら必ずしもホロライブに拘る必要はないのだけれど、ここで敢えて他箱や個人勢をリファレンスにすると上述の悪し様を無用に助長しかねないということもあり、此度も再びホロから選ぶのが無難かと考えた上でのラインナップであるのをお含み置きください。

 

 例えば時期的にリオナの一つ前に催されたラプラス・ダークネスさんの生誕ライブ(当該配信リンク)にしても、私利私欲と公私混同が誉め言葉として機能する表題通りの「大解放」に刮目必至の内容を、ダンス中心のライブと同じ基準で評価しようとすることの筋違いぶりは言うに及ばずでしょう。

 

 

趣旨説明:中々に定まらない本記事の構成

 

 本記事の趣旨が記事タイトルの通りなのは、即ち今月中に披露されたホロメン6人分*3の3Dライブをメイントピックに据えつつ関連する音楽ネタを語るところにあるのは嘘ではないのですが、執筆当初に構想していたプランが崩れて結果的に肥大化してしまったとの紆余曲折を次に明かします。早く本題へとお望みの方は本項を読み飛ばして構いません。

 

 ※ 3 当該の6名は以下に色分けして目立たせました。本記事に於いて「フルネーム+さん」の形でお名前を初出しした部分だけが対象で、使用色はホロライブ非公式wikiに記載のカラーコード準拠です。また、本記事の「生誕(祭)」は基本的に今年のものを指すので、2026の表記は小見出し以外では省略します。

 

 そもそもは角巻わためさんの生誕記事をアップするつもりでした。なぜならスケジュール的に次は彼女および轟はじめさんの誕生日が控えており、このうち番長のそれはリオナと同様ダンスつよつよガチ勢ライブになるであろうことは想定内、ならばわためのゲストもりもりアニソンライブを取り立てるほうが毛色が違って差別化を図り易いのではと踏んだからです。

 

 しかし全くの予想外に、わための生誕は異例のアクシデントで中断(詳述は次項)となったため、プランは敢え無く白紙に戻ります。翌日には番長の生誕が催され、想定通りダンスに圧倒される内容でしたので、「全くタイプの違う3Dライブ」で対照させるとの動機をここで一度忽にしました。具体的には次の通りです。

 

 わための生誕に関しては、本人の言葉を借りて「魂の再演」(以降は便宜上「DAY2」と表記)に期待という切り口にし、最新曲を含む幾つかのオリ曲またはおすすめの歌みたや歌枠の紹介に努める。3Dライブについては番長の生誕をメインに切り替え、ダンスパフォーマンス同士での対比を試みる。…といった感じで、実際にある程度はこの方針で書き進めていました。

 

 とはいえやはりこの書き方では「委縮のないようにしよう」の目的に適いませんし、わための配信内での発言やXでのポストを見聞きする限りDAY2はそう遠くない未来に訪れそうだと感じたため(後に6/24と発表)、素直に*4それを待てばいいのでは?と一旦筆を置く判断をした次第です。

 

 ※ 4 ちなみに言わばDAY1はリアタイしていたので、アーカイブが残っていなくとも語ろうと思えば語れるのですが、意図したクオリティではなかった点とネタバレ防止の意味合いと検証可能性(Wikipedia的用法)のなさから、それを以て記事を作るべきではないと自重しています。

 

 そうして楽しみに待っているうちに鷹嶺ルイさんの生誕が過ぎ、更には諸事情で延期となっていた戌神ころねさんの7周年記念ライブが急に湧いてきて、次いで水宮枢さんの生誕、風真いろはさんの生誕と短期間に4つの3Dライブが披露され、一先ずのラッシュは終わったと見て筆を持ち直しているのが現在です。

 

 これで24日に再演されるわため生誕DAY2への言及を最後に載せれば、本来の動機と目的を達成しつつもその発展版と言える記事になるはずと、漸く構成がフィックスしました。ここまで寝かせたなら「6月度」に拘ってENからJusticeの2周年ライブも対象とする案も浮かんだけれど、飽くまでソロで比較したいがゆえにユニットは別物と考え割愛します。

 

 以上、今日に至るまでの経緯でした。ここからがお待たせした本題で、通時的に6人分の3Dライブの内容を引用しながら、ホロリス視点と音楽好き視点を綯い交ぜとした雑多な音楽語りをしていきます。リオナの記事と同様に本記事でも重きを置くのはレビューというよりは感想、それもかなり抜粋的なものになりますので網羅性に欠く点はご容赦ください。

 

 

6/6:角巻わため生誕祭2026 DAY1

 

 本来6月6日に滞りなく開催されるはずだった角巻わため生誕祭2026『アニソンNightFever2』は、定刻通りにスタートしたのは良いものの所謂枠ガチャで過去に類を見ないレベルの激しいぐるぐる*5に巻き込まれるものを引いてしまったせいで、まともな鑑賞は不可能と言わざるを得ないものでした。

 

 ※ 5 同じ魂界隈というか「魂の○○」を言い勝ちな大空スバルさんによる最近の通信障害に対する表現(事例配信リンク);元い『ジョジョの奇妙な冒険』からの借用で語れば、キング・クリムゾンは勿論ザ・ワールドもバイツァ・ダストも同時併発していたと喩えればその凄まじさが伝わるであろうと期します。要するに頻繁なフリーズからのスキップたまに区間リピートです。

 

 万単位で乱高下する同接数とチャット欄の内容からおま環ではないことを察し、リアタイは諦めてアーカイブで観るかと中途で離脱してからの、ライブ中断ポストを見ては只々可哀想に思いました。わためは悪くないよねぇ?

 

 ということで、わための生誕に関しては本記事の最後にDAY2への言及を以て本来のものとしますので、本項では過去のオリ曲から個人的なおすすめをピックアップするとしましょう。

 

 

 わためのヒットソングと言えばMV再生数1,000万超えの「My song」(2021)と「What an amazing swing」(2023)に象徴されるように、パワフル且つリッチな歌声で情感に富むものが特に好まれている印象ですが、筆者の嗜好に於いてはこれとは異なる領域にこそ魅力を感じています。ワンワードを宛がうなら「リラックス」で、普段の配信から窺える通りのふんわりとした声質とおっとりとした喋り方を反映させた楽曲のほうがツボ*6なのです。

 

 ※ 6 宝鐘マリンさんも過去にこの点を指摘しており(当該配信リンク)、要約して曰く「ロックのイメージも強いけど、「夢見る羊」(2022)とか柔らかめの声の時のわためが意外と好き」とのことで、それを船長の生誕2025にて「ただ君に晴れ」(2018)を歌うゲストの一人にわためを選んだ理由として挙げています。わかるマン。

 

 

 係る視座から私が殊に高く評価しているナンバーは、上掲の「君色ハナミズキ」(2022)および下掲の「WataMeister」(2024)です。前者は詞曲編の全てが前述した「リラックス」のサウンドスケープ醸成に資していて、温和なメロディとソフトなアレンジが本人作詞による素直な言葉繰りと調和して解釈一致を見せている良曲と推せます。

 

 後者はケンモチヒデフミさんの手に成るお得意*7のエレクトロニックなトラックによる陶酔性を通奏低音に、曲名通り「綿」をモチーフとしたユニークなリリック(キル○キルかな?)がゆる格好良くラップで紡がれるセクションを起点としながらも次第に旋律性を増していく流麗なラインの積み重ねが宛ら、長尺Cパートにより深夜帯の女王として界隈に存在感を示す彼女の配信スタイルの深みにハマっていく夢見心地のリスナー体験を想起させて、これまたわための世界観を体現するドリーミーな楽曲です。

 

 ※ 7 当ブログでケンモチさんのお名前を出すのは本記事が初だけれど、電音部の記事にて「いただきバベル」(2020)を絶賛しているのを一例に、好みのクリエイターの一人であると補足します。ホロ関連ではMori Calliopeさんの「未来島 ~Future Island~」(2023)と白銀ノエルさんの「VAVAVA! バーチャル大分」(2025)も自作のプレイリストの「VTuber」にリストインさせるくらいには気に入っているため、ガチラッパーにもゆるラッパーにも親和性があるとの理解です。

 

 本曲の細かいここすきポイントに「メロトノームクリックっぽい音の使用」(2番のラップ部分とBメロに顕著)があるのですが、これはUnderworldの「Pinetum」(2019)のレビューに記したことと同種のものなので、Vの域を超えて電子音楽としてもハイセンスな仕上がりを見せていると強調しておきます。両曲ともMVの再生数的には過小評価の向きを感じるため、せめてミリオンはいって欲しいとの願望を込めて埋め込みです。

 

 

 さて、初手から本記事の趣旨的には例外の楽曲レビュー然とした内容でしたので、ここからが本当に3Dライブの感想記事とさせてください。

 

 

6/7:轟はじめ生誕祭2026

 

 番長の生誕『Rise In Motion』に関しては御多分に洩れず新衣装が癖過ぎて、ロングヘアの新鮮さも然ることながら普段の赤たんぶりからは想像し難いてくてぃーなおみあちのギャップにやられました。ストーリー仕立ての構成でナラティブを強めているのも観応えに寄与していましたね。

 

 

 その魅惑的な立居振舞を存分に堪能出来るのはまず「BAD HATTER」(2021)で、椅子とステッキと帽子を効果的に使ったプロップダンスはまるでブロードウェイでした。シアタージャズ、フォッシースタイル辺りも関連ワードでしょう。そんな中でスキャットをミニばんちょーに委ねるサプライズは只管にキュートです。とはいえ振り返り(当該配信リンク)でのお言葉通り、最適解の配役と言えます。

 

 新曲「Deep Dive」(2026)もパフォーマンス楽曲共にどストライクで、3Dライブで初披露後に即リリースされるタイプの楽曲の中では、過去一レベルでフェイバリットでした。俗語的に「治安が悪い」コンポーネントが優勢ではあるものの過度に下品ではなく、洗練されたモーションによって芸術性が高められています。

 

 ダンス志向のナンバーだからか旋律性よりもビートメイクの妙やフロウの気持ち好さに意識が向き勝ちだけれど、だからこそ不意に来るメロディアスなパートの美しさが水際立っていて、プレコーラス(下掲MVで表せば二度出現する白と淡いピンクがBGのパート)のラインにはイヤガズムを覚えます。一度目のそれは更新される最高音による突き抜け感が、二度目のそれはその前のコード感をほぼ排した間奏とのコントラストで一層メロへと傾聴せざるを得ない楽想が、それぞれ技巧的です。

 

 

 インストナンバーゆえにダンスに全振りしたラストの「Guns of Saxophone」(2017)にも釘付けで、主演が一度捌けてから再登場してダンスに合流する流れは宝塚をリスペクトした旨が振り返りで語られていました。ショー感溢れる大団円のエンディングはこのためかと腹落ちです。

 

 

6/11:鷹嶺ルイ生誕祭2026

 

 ルイ姉の生誕『Luminous Stairs』は対照的に、ダンスより歌唱にステ振りしたライブだと感じました。その認識は正しかったようで、振り返り(当該配信リンク)でも意識的に動きを最小限にしていたと述べられています。

 

 

 別けても琴線にふれるものがあったのは、狙ってここに統一性を持たせようとしたわけではなく、「夢幻」(2024)および「夢幻クライマックス」(2016)の二曲です。前者はニコたんとのデュエットで、広音域持ち男性ツインボーカルによるオリジナルを女性がカバーするにあたって、声質や最低音の観点からぴったりの人選だと思いました。勿論、自分を最も慕ってくれている復帰明けの後輩と共にという粋な計らいとしても。

 

 後者はholoXでの披露で、ストレートに「良!」と痺れるものがありました。4人の歌声とフォーメーションが、殊更に高いシナジーを発揮していたと評せます。楽曲製作者の大森靖子さんによるセルフカバーのほうは過去に当ブログでレビューしており、歌詞が全く異なるため比して聴き込みの浅い℃-uteのオリジナルはそういえばこんな暗示的な内容だったなと少しドキっとさせられました。

 

 セトリ上次曲の「抗う君への鎮魂歌」(2025)とはMCで分断されたことにより、クラシックのサンプリング始まりでの流れが希薄になった点を振り返りではやや悔いておられましたが、私はそのイントロが流れた瞬間に「なるほどクラシックつながりか!」と膝を打つ思いでしたので、しっかり意図は汲み取れましたよといちリスナーとしてフォローしておきます。

 

 ソロライブの開催もBAYFMでのレギュラー番組決定も喜ばしく、取り立ててラジオに関しては千葉の民として支持しないわけがありません。過日の『it!!』へのゲスト出演回もしっかりと拝聴致しまして、社畜時代の千葉トークには親近感を覚えました。船橋の某中華屋然り津田沼の某インドカレー屋然り(番組中では店名も明かされています)、Vになる前の話とはいえニアミスしていたかもしれない事実を思うと何だか不思議な気分です。

 

 

6/15:戌神ころね7周年記念

 

 ころさんの『Lazy DOOG Night!』は本記事中で唯一生誕ではなく周年のライブで、本来の4/13から延期となっていたものがこの日にスケジュールされました。リオナの生誕を引き合いとして「全くタイプの違う3Dライブにもふれて委縮のないようにしよう!」との当初の目的に最も適う、つまり対照させるには打って付けのパフォーマンスに見受けられたため相当に紙幅を割く所存です。

 

 ラップソング縛りで構成されたその内容は、小気味好いライミングに惹き込まれて気付けばノっていること請け合い、ポップさから招いてドープへと誘うセトリの巧によって高い中毒性を誇っている、ころねワールド全開の演出と相俟って画的な楽しさはでは随一、生粋のエンターテイナー振りが炸裂した出色の出来栄え、と種々の賛辞が浮かんくるインパクトの大きいものでした。

 

 

 自分の世代としては序盤の選曲がピンズドで、Dragon AshにSEAMOにケツメイシと十代の頃に馴染み深かった面々*8が揃い踏みしており、この点をして個人的には充分に大衆的な導入だと感じます。「Grateful Days」(1999)については、ホロJP(デバイス特にFGは除いての意)でラップと言えば?のころさん団長わためのうち2名が参加している鉄板の人選に加え、ACOさんのパートをAZKiさんに歌わせる冴えた采配で一段とホロらしいカバーになっていてアリですね。

 

 ※ 8 この中で当ブログ上に過去の言及があるのはフェスで観たDAに関するものぐらいだけれど、顧みればおそらくDAの音楽が人生で初めて好きになったラップロックもしくはミクスチャーだったと思います。リンク先に挙げている「Deep Impact」(2000)と「Fantasista」(2002)の他には、『Lily's e.p.』(2000)の2曲が当時からのお気に入りです。丁度今ワールドカップの開催期間で日本代表の目覚ましい活躍も連日巷を賑わせていますので、係る熱狂と興奮が見事にパッケージされている「Fantasista」のMV(当該動画リンク)を薦めておきましょう。

 

 閑話休題。おかころてぇてぇの「さくら」(2005)も控えめに言って神で、ルイ姉生誕での「potatoになっていく」(2020)でも感じたことでしたが、猫又おかゆさんの低音にはゾクっとくるものがあります。その後テン年代の楽曲を2曲挟んで以降は全て2020年代からという時代の流れに沿ったセトリにはネット・サブスクを通して大ヒットを記録したナンバーが続き、とりわけバイラルした以下の3曲は本ライブに於いてもクセになる表現手法で印象的です。

 

 「のびしろ」(2021)にはころさんの可愛さと強さが的確に落とし込まれていてオリジナルの持つポジティブネスを敷衍していますし、ルイ姉との「Longiness」(2020)とさくらみこさんとの「チーム友達」(2024)の言わばサングラスのシークエンスはセットで魅力的に感じ、イルなトラックに相応しいその出立ち*9が格好良さと面白さをギリギリで両立させている点で共通しています。

 

 ※ 9 後者はアクセ類のみが新規で、ベースは超超超超ゲーマーズ2の衣装および電脳衣装のカラバリと一応は既出のものと言えるのに、あまりにも自然に馴染んでいて一瞬二人とも全身新規かと錯覚しましたね。ころさんの振り返り(当該配信リンク)でもみこちの雑談(当該配信リンク)でも当事者が驚いています。みっころねの絆。

 

 そして次曲「PANTS」(2023)の演出には天才イッヌっぷりが如実に表れています。けれども、ここに多くを語るのは野暮な気がしますので未だご覧になっていない方は是非ともアーカイブからその狂気を目撃してください。笑

 

 

 順番が前後してすみませんが映画好きとしての要素が反映されたセクションも素敵で、アニメ映像をバックにした「ルパン・ザ・ファイヤー」(2006)はその許諾が嬉しい反面ある意味伝説の「バン」を符牒に誤BANされまくったアニメクラシックスの告知歌枠を彷彿させてひやひやしたり、ヒルバレーならぬイヌバレーの布石があってからの皆大好きデ…じゃなかったコロリアンの登場とその日付設定に沸いた「タイムマシーンにのって」(2017)の良曲具合に感動したり、満を持してのライブ初お披露目となったオリ曲「マフィオーザ」(2025)の高速ラップに舌を巻いたりと、何処を切り取ってもころさんの個性が爆発しているとまとめます。

 

 

 
 

6/16:水宮枢生誕祭2026

 

 すうちゃんの生誕『Step Into Dreams』は、その告知(当該配信リンク)の段階では「ハードルはちょっとくぐっていくんですけどw」と軽く自虐混じりに謙遜なさっていたものの、いざ蓋を開けてみればFGの面目躍如の多彩なダンスを堪能出来るハイレベルな仕上がりで、同時に仰っていた「みんなの期待を背負っていこうとは思っていますので」のほうに比重があったとの受け止めです。

 

 

 中でも強く感銘を受けたのは「波に名前をつけること、僕らの呼吸に終わりがあること。」(2018)および「偽顔」(2024)で、前者はステージ(空間)の広い使い方と目に映る大半が青の色彩感覚が蒼茫たる大海を連想させるのに申し分なく、小柄なすうちゃんの物語上敢えて申すところのちっぽけさが波の儚さと人の無常を重ねる楽曲のテーマ性にマッチし、その幼気で健気な雰囲気には尚の事胸を打つものがありました。振り返り(当該配信リンク)では本曲の演出意図について自ら語られています。

 

 後者はミックスを含めた歌声の少し大人びたタッチ、ヴェイパーウェイヴ的な色味と図形でありながら乱雑さを引き算した背景映像とライティング、ステップの多用に特徴付けられるハウスダンスの敏捷さ、それら全てのファクターがカチっとハマって端的に瀟洒な視聴体験を可能としており没入感がエグいです。足捌きに着眼する*10なら「UNDEAD」(2024)にも特筆性ありで、あの有名な高難度ステップをアレンジしつつ取り入れているのが良きでした。

 

 ※ 10 最近アップされた踊みたshortの「ようかい体操第一」(2014)激ムズバージョン(当該動画リンク)も一見の価値ありです。

 

 スバルとの「ぷ・れ・あ・で・す!」(2021)も最&高で、FGのライブ出演ではリオナの時のカリといいルイ姉の時のニコたんといい、憧れの先輩との共演ゾーンが設けられているのがエモですね。すうちゃんの場合は史実通りとはいえ愛の深さゆえにストーリームービーでもスバルの存在が大きく扱われていて、後のおはスバ(当該配信リンク)で「俺もしかして誰かの人生変えちゃったか?」と、鈍感系主人公のような発言をしていたところが実にスバルらしくて好きです。太陽少女は自らの輝きに無自覚。

 

 

 
 

6/18:風真いろは生誕祭2026

 

 ござるさんの生誕『Wind Trails』は、本記事に紹介する中ではいちばんアイドルらしさが好く表れている王道のものだと感じました。可愛さも格好良さも直向きで、終始「こういうのでいいんだよ」おじさんが顔を覗かせていた次第です。視聴者参加型を掲げて次曲をアンケートで決める試みも良かったですね。

 

 

 その真っ直ぐさが殊に刺さったのは歌詞内容も込みの「ray」(2014)で、冒頭の二行からもう涙腺に来るものがありました。ホロに歴史あり。仮令"ごまかして笑っていくよ"だったとしても、「守りたいこの笑顔」と思わざるを得ない説得力に満ちた破顔です。

 

 本曲はシングルとしてはfeat.初音ミクのナンバーですし、『超かぐや姫!』の大ヒットによって俄に再注目されているとのコンテクストもあるため、要するにボカロカルチャーからの選曲だと捉えています。しかし、昨年にかなり濃い目のBUMP OF CHICKENの楽曲レビューを書くほどには長年同バンドのファンで居る身としては、同曲は元よりずっとバンプの楽曲である(アルバム準拠)との認識なので、ボカロ界隈と絡めた意見*11を良くも悪くも有したことがありません。

 

 ※ 11 現在では幾分知識が付いてきている気はしますが(その一端が表れている過去記事)、当時の自分は二次元趣味から離れていた(2007年~2015年)のもあって、ボカロに限らずニコニコ動画から盛り上がった文化には疎かったのです。

 

 ライブ前の歌枠でも非常にリクエストが多く歌うに歌えなかったことがMCで明かされており、この背景に窺える熱量の大きさを上述した遍歴から自分は持ち合わせていないとはいえ、振り返り(当該配信リンク)で曰く「バージョンとしてはバンプのでキーはかぐやと一緒かも」とのことでしたので、女性ボーカルによるバンプのカバーがまたひとつ増えて嬉しかったのは本当とフォローします。

 

 純然たるボカロ楽曲がオリジナルとの立脚地からは、「ノンブレス・オブリージュ」(2021)には大きな驚きがありました。同曲に於いて幾度も繰り返されるフレーズについて、大凡人間が歌い切るのは不可能なそのパートを歌声合成ソフトが難なく歌い熟すところには、苦しみを代弁する機能的な意味合いを見出せますよね。一方でこれに人力で挑むとなると曲名よろしくノンブレスが必須で、当然ながら繰り返すほどに発声は苦しくなっていくわけですが、そのことが歌詞に自己言及的に作用してメッセージ性を強めるため、綺麗に歌い切れないことが却って正解*12という解釈に行き着くのは発見でした。

 

 ※ 12 ※11にリンクした過去記事でもボーカルシンセ楽曲をメインに扱っており、且つそれを人力で歌うことによって昇華される発展性にもふれています。その中に記した「人間が歌わないからこそ可能な曲作りの領域は確かにあるけれども、それを人間が生で歌うことによって得られる感動もまた素晴らしい」との言は、本パフォーマンスにも適用可能です。

 

 

 新曲「風向きエントロピー」(2026)もシンプルに良い曲だなと心奪われまして、別けてもAメロの切なさには純真な気持ちを刺激されました。タイトルが謳う「風の来し方行く末の不確定さ」が、未来は当たり前として過去すらも迷いの上に成立している人の機微とリンクして、せめて順風であれと願うに至ります。

 

 

6/24:角巻わため生誕祭2026 DAY2

 

 最後に取り立てるのは予告の通り、本来6/6だった生誕が不可抗力により延期となって悔しい思いをしたであろうわための生誕3Dライブの、続きはそれぞれお好みで選んでDAY2・Round2・リベンジ・魂の再演です。本編中の説明にもあった通り、DAY1は現場での録画は無事だったそうなのでそれをそのまま再放送し、新規MCおよび中断して以降のソロパートも念のため収録で対応する疑似生ライブスタイルでした。再掲してタイトルは『アニソンNightFever2』ですので、多少のアニメ語りも交えつつ大書するとしましょう。

 

 

 何よりもまずDAY1ではまともに鑑賞出来なかった部分がスムーズに流れていてそれだけで安心したのと同時に、おあずけを食らっていたある種のフラストレーションが解消されたからか通常以上にカタルシスが凄かったです。その範囲ではバカタレサーカスによる「アイドル」(2023)にとりわけ目を奪われました。

 

 個人的に同曲は孤高の存在つまりは本来ソロで歌われるべきと考えていて、あらゆる感情を押し付けられた文字通りの偶像を実像が俯瞰しているがゆえに、換言して神視点で"君は"も"我々は"も"私は"の何れも成立するものと理解しています。この点は表現こそ違えどシミュレーション仮説的な切り口で原案の短編小説『45510』でも部分的にふれられていましたし、メタ的には『【推しの子】』の視聴者も立場は同じだからこそ思い至れることです。

 

 正道としては作中人物(アイを含む旧B小町のメンバー)の視点で読み解くのが筋なのでしょうけれど、ともかく私は上記のような自分本位の視座から本曲を見ているため、これを複数人のアイドルが歌い分けるとなると各々のエゴが衝突して、特に妬みのパートが生々しくなり過ぎてしまうのではと危惧*13していたものの、中々どうしてフォーメーションも悪くはないなと意外性がありました。

 

 ※ 13 これは本曲が過去の3Dライブで様々なホロメンによって幾度も披露されていることに鑑みた視点で、把握洩れがあるかもですが自らで確認した限りソロでのパフォーマンスを行っていたのは通時的に、兎田ぺこらさん(4周年記念)・白銀ノエルさん(4周年記念)・Ouro Kroniiさん(3Dお披露目)・雪花ラミィさん(3周年記念)・夜空メルさん(生誕2023)・博衣こよりさん(2周年記念)・天音かなたさん(4周年記念)・ときのそらさん(生誕2024)・沙花叉クロヱさん(生誕2024)・Ninomae Ina'nisさん(3Dライブ2024)の10名でした。

 

 いくらソロのほうが楽曲の世界観に忠実と信じているとはいえ、miCometまたはあずいろでのデュエット(みこち5周年記念あずきち5周年記念)やゲマズのカルテット(おかゆん生誕2024)を不出来に感じたわけでは決してなく、楽曲の持つ影がてぇてぇ関係性にまで及ぶのが解釈不一致なだけです。

 

 その点でバカタレサーカスは距離感が適切と言いましょうか、より友達らしい関係性の中でエゴをぶつけ合う構図に映ったため、厄介なファン心理が入り込まず純粋にパフォーマンスを高評価出来たのだと自己分析します。演技派のフブポルとクッション性の高いフレわたの交錯が、"嘘でもそれは完全なアイ"から始まって"嘘がいつか本当になる"および"嘘じゃない愛してる"に帰結する歌詞に納得感を与えていると結びましょう。

 

 DAY1のスクショを確認すると6/6の自分はこの段階でリアタイを中断しアーカイブ視聴にしようと離脱したみたいなので、「sweets parade」(2012)以降が未知のエリアでした。今般のアニソンラインナップ9曲のうち元のアニメを観たことがなく*14事前知識が少ないのが、『GS美神』のOP曲「GHOST SWEEPER」(1993)と『妖狐×僕SS』の第6話EDに使われた同曲です。後者は作詞がuRyさんゆえにMONACA好きの立場から知っていても良さそうだけれど、流石に歌詞のみ提供の場合は積極的に収集しておらずオリジナルには疎く、しかし一時期TikTokで流行っていたこともあってか歌枠や3Dライブでの過去披露は多い印象ですね。

 

 ※ 14 自身のアニメ視聴遍歴について2019年以前のものはこの記事に、2020年以降のものはこの記事にまとめてあります。

 

 本曲の歌詞はDAY1の項にレビューしたオリ曲「WataMeister」のそれと一部で共通するところがあり、音としての「わた」をフックとしながら曲名通りにスイーツがオンパレードする内容なので、わためのイメージに適う選曲と言えます。更にはゲストの一人である姫森ルーナさんにもまたお誂え向きで、事実船長の生誕2021(当該配信リンク)では同じくゲストとして、自らの生誕2021(当該配信リンク)ではソロで披露なさっているため、姫様にとっては此度で三回目の3D歌唱です。貴重なわたがし成分摂取機会に感謝。

 

 肉食動物に包囲された「ようこそジャパリパークへ」(2017)は面子を見た瞬間に意図を察せて笑ってしまいまして、脳内に「食べないでください!」のかばんちゃんが久々に過りました。放送当時の感想および同曲へのレビューは過去記事にあります。

 

 

 ラストは新曲「灰色の証明」(2026)の万難を排したお披露目で、一度中断されたライブにけりをつけるという強大なナラティブを背負って歌われたそれは、力強い歌詞と荒々しいサウンドを伴って蓋しロックでした。DAY1に述べたアーティスト評では「リラックス」の要素を贔屓して語ったけれども、見た目や声や話し振りが柔和だからと言って野望や心情までヤワではないぞと、改めて熱く魂を揺さぶられた次第です。

 

 

 
 

おわりに:筆者のホロ知識を試す記事でした

 

 以上、2026年6月度のホロ3Dライブ6人分の感想および関連する音楽語りでした。これだけ多様性を示せば、当初に懸念していた相対的な委縮は払拭出来たであろうと期待します。また、これまで主にブログテーマ「VTuber」にて小出しにしてきたV語りに関してそろそろヘビーな読み応えのものを書きたいと考えていため、ホロだけになったとはいえまずは一記事の完成を見て絶対的な委縮も取り払えたはずと自己満足は一定水準以上です。

 

 ただ、自分は箱推し的な楽しみ方をしている*15ので誰とは問わず普段のゲーム配信や雑談配信も積極的に視聴しており、そちらの方面でも語れることは多くあるはずなのに本記事のように音楽とライブをメインにしていると盛り込み難かったところはもどかしいですね。音楽レビューブログという性質上割り切らなければいけない部分もあるとはいえ、企業コラボ系のレポとかグッズ紹介とか推し活的な記事も書こうと思えば書けるのになと。

 

 ※ 15 それでも現実的にはある程度対象を絞らないととても時間が足りませんから、リアタイではみこスバのどちらかを視聴している率が最も高く、次いでゲマズと4期生が比較的多いと明かしておきましょう。あとはもう切り抜き様様です。

 

 フォーマットにも反省点があり、本当はもっとYouTubeの埋め込みや商品リンクを多くして画面構成にメリハリをつけたかったのだけれど、クラッシュが怖いのと(経験上一記事に10~12本あたりが限界に思う)例によってバイト数がカツカツなので、やたら文章だけが続く箇所が散見されたことをお詫び致します。

 

 ということで、僅か一ヶ月分だけを切り取ってもこれだけバラエティ豊かな3Dライブを無料で楽しめることの有難みを噛み締めつつ、あずきちから始まる来月のラッシュも期待大ですとまとめましょう。魔王衣装気になり過ぎる。

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