
「スープラ」という車名の車が再び販売されるようになるとはねえ・・・このハイブリッドカー全盛の時代に。
私の中では、フェアレディZは印象に残っていても、スープラという車名は・・・
「別に。」
フェアレディZは、街で見かけることが多いせいかもしれません。それも現行生産モデルのZ34よりもZ33の方が、見かけることが多い。通勤途中に必ず2台のZ33が走っているのを見かけますから。どちらも女性の運転。(車通勤のようです。)
自宅周辺にもZ33は多数駐車されていて・・・Z34は・・・あったかな?
スープラなんて・・・最後の生産モデルをずっと大事に乗っていた家があったけど、ここ数年でレクサスのLSに入れ替わっていた。
そんな「スポーツカー受難の時代」にまさか「昔、そんな車名の車があった」という車両が復活してくるとは・・・ノスタル爺?この企画の関係者。
格好も・・・まあ、トヨタデザインですから。
全くかっこいいと思いません。そこに輪をかけてBMWが絡んでいるとなると・・・無駄な線を入れたがる外観デザインになります。
穴がたくさん開いています。



とにかく穴が開きまくり。

でも、実際にはダミーパネルなんです。

競技用車両に改造することを考えて、「黒い樹脂パーツを外せば、空気を利用できるようになるよ。」という構造になっているみたいです。

ボディー後端部は、ディフューザー形状になっていますが・・・

マフラーが窮屈そうに収まっています。色々な規制に対応しようとするとマフラーはこの位置に追いやられてしまうようです。エンジンパワー最優先で考えれば、できるだけ配管は曲げたくないものなのですが。

この車両、国土交通省審査は比較的古い時期に通したようです。今では撤廃された後輪周辺のおバカカバーが強制的に取り付けられてしまっています。

装着タイヤは、ミシュランの最高峰スポーツタイヤです。

極薄扁平タイヤなのですが、シビックタイプRのように「接地面積の広い広いタイヤが旋回を開始するまでの間」を感じることはないセッティングです。
(あの「間」は、タイヤの特性だったのか、電子制御によるものなのか・・・)
ミシュランタイヤって、タイヤ表面の刻印(フォント)のエッジが立っていますよね。日本メーカや韓国メーカー製に比べるとすごく写真写りがいいデザインです。
「今も我々は、ほぼ全ての世界選手権を制覇し続けている世界トップクラスのタイヤメーカーだ。」という自信の現れなのか・・・
というか、ここ数年の日本自動車メーカーの装着タイヤをチェックしていると・・・日本のタイヤメーカーって生き抜いていけますかね?大丈夫かな。ほんと。

リヤゲートを開くと・・・

ゴルフバックを入れようとは思いません。絶対。
あのマツダロードスターに比べると・・・少しはゴルフバックを入れやす・・・多分。いや・・・試そうと思わない構造・・・

ぐいぐいカバーをめくっていくと・・・多分・・・スピーカーかな。っていうか、スープラって二人乗りなんですね。フェアレディZも二人乗りだったけど。
車体が大きいので、ちんまりした後席シートでもあるのだと思い込んでいました。

非常に不思議だったのが、この大きな大きなリヤゲート。
軽いんです。
フェアレディZに比べたら、格段に軽い。
でも、プリウスPHVのような複合材ではないです。全部スチール材というわけではないのでしょうが、非常に不思議な造形と重量のリヤゲートになっています。

大柄な車体に似合わず、シートは・・・人によっては「小ぶり」「幅が狭い」と思うかもしれません。
ヘッドレストも調整式ではないので、セミバケットシートのような感覚なのですが、シビックタイプRや、アルファロメオのように「シートが体の動作を妨げる。」ことがないため、非常に好印象でした。
このシートの取り付け位置は、「サイドシルよりも下部にシートを取り付ける」ことを意識しているデザインです。

サイドシルそのものが乗り降りの際に手をつけるぐらい幅広いだけでなく、完全にシートがサイドシルに食い込むような位置に取り付けられています。

正直、シートに収まってしまえば、そんなに低い着座位置とも思えないのですが。
(腰を下ろすまでは、”普通の車よりも全然低い”と思わされます。)
座った後も、「ヘルメットを被って運転できる頭上空間が確保されているよな。」と思わされたのですが・・・

この特殊なルーフデザインのおかげでした。
かっこいい車両だとは全く思えないのですが、機能を反映している形をしています。
テールエンドの空力的な造形処理とかね。

シートの幅が狭い理由は、この広大なセンタートンネルのせいです。

iPad mini5を楽々横置きできてしまうようなスペースに後輪駆動用トランスミッションが収納されています。
正直、この車両、どこまでトヨタが関与しているのかな?と思うところが多々あって・・・

ごっついドアヒンジデザインが、BMW設計であることを示しています。

ずらっと並んだボタン。

ボタン。

ええ。ボタンの文化の国からやってきた右ハンドル車です。この写真に写っているのは、ウインカーレバーではありません。
(ウインカーレバーは、ISO規格として左側設置が正しかったはず。)

他のどの車両とも似ていないメーターデザイン。

ペダル類は大きく、非常に操作がしやすいです。

大きなトヨタマークがついたステアリングホイールを操作してドライブ開始。
ナビシステムの設定を・・・すぐに諦めた。
いつものことだけど、BMWのジョグダイヤル式はどうしようもない。
話しかけて目的地設定をしてもらいたかったんだけど、それもできなかった。
非常に独特なデザインのATシフトゲートを操作して、最初の交差点をターンした時・・・
「軽い・・・」
本当に全く想像していなかった言葉が、口をついて出てしまった。
鈍重な外観デザインに似合わず、すごくフロント側が軽い。
それだけではなくて、フロント側の重量物が非常に低い位置にあることがわかる。
リヤタイヤの位置が、ドライバーに近いことといい、色々な点でフェアレディZを思い浮かべてしまうんだけど・・・
あちらは、「重心が高く、重いもの(エンジン)が分厚いボンネットに収納されている。」感を常に意識させられた。
視界は良好。
といっても、最新鋭Fitのような「広い広いグラスエリア」の取り方ではなくて、「車をきちんと走らせるための視界の取り方」が、非常に良好です。

非常によく文字が見えるホログラム機構が収納されたフロントガラスからは、ボンネット両端がよく見えます。(そうなるようにボディそのものがデザインされている。この辺りはトヨタ86/BRZと同様の流儀)

サイドスクリーンも後方までガラスでデザインされているので、車線変更がしやすいです。

リヤゲートから見える視界も・・・まあ、許せるかな。
このリヤゲートからの視界が必要になる場面は、車庫入れなのですが・・・

立体駐車場は慎重に操作する必要があります。
フリップユニットは、完全にボディに干渉する高さです。

バックで車止めに近づけ・・・ここまで。ここまででギブアップです。
運転席からの視界だと。

前入れ駐車をしてしまった方々は、こんな感じでボディ前端部を擦ることになります。
トヨタ86/BRZほど気楽には扱えない車です。
車両の振る舞いにもその辺りの考え方は現れていて・・・
正直、「どこまでお前はできるんだ?」が、私には掴めなかった。
ジャガーXE Sをドライブしていた時の事を頻繁に思い出しました。運転中に。何度も。
あの車両は、ドライバーを脅すようなパワーの出し方をしてきたけど、車両そのものは非常に素直に動いてくれました。
他のFR車や、ミッドシップカーだと「自分が思っているよりも内側を旋回したがる。」セッティングの車両が多いのですが、このスープラは「自分が想像している通りのラインを通ってくれる。」セッティングになっています。
正直、非常に乗り心地もいいです。体もそんなに揺さぶられない。
ただ、アクセル全開操作を行うと・・・少しでもステアリングに舵角がついていると、強烈にトラクションコントロールがかかっていることを伝えてきます。
「俺たちの車両で、事故は絶対に起こさせない。」
ものすごく強い意志を感じる電子制御セッティングです。
フェアレディZに比べれば、「踏ませてくれる。」セッティングではあるのですが。
Zの場合、「バカな操作をしたドライバーに罰を与える。」ような反応を示します。
このスープラは、スロットル自体は踏ませてくれるんです。ただ、「バカなスロットルコントロールをしていてもいいよ。どっちにしろこっちがアウトプットコントロールをするんだから。」というような電子制御の動きです。
なんていうか・・・「スロットルペダルとドライブシャフトの間に常に1枚モノが挟まっている。」感覚がついて回りました。ドライブしている最中。ずっと。
あまりそれを信じられない自分がいるんです。
「ここまでステアリングホイールを回していて、スロットルペダルに力を加えた場合に、ソフトウエアはどのように制御してくるのか?」
車体の動きを予測してアクションができないというか・・・「機械任せの行き当たりばったりが一番速いということか?」と思ってしまうというか・・・
どうにもね。
「すごい車だろう?」
と言われれば、「はい。そうですね。」とは答えられるんだけど、「運転、楽しい?この車。」と問われると・・・「わからない。」
「楽しくない。」ではなくて、「わからない。」
走り回りすぎて、店舗営業終了時間を少々オーバーして車両を戻す。
「どうでした?この車両?」
「ああ、いい車だね。いい車に乗ったって感じがする。ものすごく。」
「でしょう?これ、2000cc仕様なんですよ。十分速いですよね。もっと排気量が大きい仕様も売っているそうですけど、そっちになったらどうなっちゃうんでしょうね。」
う〜ん・・・
できるだけ長く生産してください。
多分、これから先、何度もこの車両を借りて・・・底がどのあたりにあるのか知りたい。
拒絶はできない車両だと思いました。
人の本能。
「もっと速く!もっと高く!!もっと遠くへ!!!」
確かに・・・私自身も、その本能に従える車両だと思ったよ。この21世紀のスープラは。
(実際、その後、相当な回数を借りることになります。2023年6月18日に写真を増やして、加筆しました。86やGRヤリスほど気楽に操作できる車両ではありませんが、非常にいい車だと思います。)
燃費は、13.7km/Litterでした。