イメージ 1 「一億をこえる数」の単元に入ります。整数の「記数法」「命数法」が完結することになります。いきなり,
「大きい方が勝ちゲーム」
と板書すると子どもたちは大喜びです。0~9までの数字が書かれた10枚のカードを裏返し,適当に引いて6桁の数を作り,大きい方が勝ち,という至極単純なゲームです。引いたカードはどの位に入れてもよいことにしたので,いろいろと考えながら進めていけます。
イメージ 2 試しのゲームでルールを確認します。この段階で,「十万の位」「不等号」「等号」などの言葉が子どもたちから自然に出てきたので,板書しておきます。どうして「十万の位」というのかを確認する中で,隣の位同士が10倍の関係になっていることも押さえることができました。
 本番の第1ゲームは,私が勝ちました。悔しがる子どもたちに,
「上に位を付け足してあげようか。」
と挑発します。これで「百万の位」まで広げることができました。今度のゲームは子どもたちが勝ちました。そこで,
「さっきは,位を上げてあげたんだから,今度は先生の泣きの要求で,次の位を作ってよ。」
というと子どもたちは偉そうに,
「いいよ。やってあげるよ。」
という上から目線で認めてくれました。これで「千万の位」まで広げられました。今回は私が勝ちました。カードがまだ2枚残っています。予想通り,
「先生,もうちょっと上に進めてよ。」
という声が出ます。これを待っていました。それに対して,
「じゃあ,みんなが人の気持ちの分かる子であるならば広げてあげよう。」
と,この段階では意味不明のことを言います。それでも子どもたちはゲームをやりたいので「お願い。」などといっています。そこで,
イメージ 3「次の位の名前は,みんなは知ってるよね。でも今の3年生の子は知らないと思うんだよ。ではそれを知らない3年生がこの位の名前を聞かれたら,何と答えるか,気持ちを想像してください。」
と言って,小集団で話し合わせました。これは以前から利用している学習の進め方です。
イメージ 4 最初に出たのは「万万」「一万万」という意見でした。位の呼び方の作られ方をよく見るとそうなっています。「一・十・百・千・万」と並んでいるので「一万・十万・百万・千万・万万」と考えるのは自然です。さらに別の児童は,
「十千万」
と言いました。今度はこの意見の「気持ち」を考えます。このときに板書にある,
「となりが10倍になると位が左へ行く」
という言葉がイメージ作りの参考になります。
イメージ 5 これらの言葉の「イメージ」が共有できればこの時間の目的は達成されたと言えます。後は「4つずつの部屋」に分かれた「アパート」「万ション」と指導していけばよいのです。今まで使っていた次の部屋を表す「億ション」を言おうとすると子どもの方から,
「屋上だ。」
という声が挙がりました。なかなか上手い表現なのでそれに乗っかかり,「億じょう」と名づけてみました。
 このあと教科書で,いくつかの数字の読み方を練習して終了しました。

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