『男はつらいよ 寅次郎の休日』
遂に『男はつらいよ』50周年記念作品『お帰り寅さん』の公開までヒト月を切りましたね。。
以前から、新作公開までに、全作分のレビューを終わらせる!と公言して参りましたが、、
この期に及んで、「ギブ」m(__)m、、
体調やら、仕事の関係やら、言い訳は幾らでもあるのですが……
一つの目標も達成出来ない、ダメ人間な私を、どうぞナジって下さい。。( ;∀;)
…と、言う訳で、勝手に気を取り直して☝
今回は、第四十三作を紹介したいと思います❗
\(^o^)/
本作も、前作『ぼくの伯父さん』に引き続き、満男のガールフレンド「泉ちゃん」が公式さん的(笑)には、マドンナと言われていますが、、
寅さんにもれっきとしたマドンナがおりまして……それがナントモ意外な方☝でした!
相変わらず、満男の青春の暴走を止められない両親・博&さくら。。
今回も救世主、寅伯父さんの出番です👍
◇ 1990年(平成二年)12月公開(松竹)
監督・原作・脚本 : 山田 洋次
脚本 : 浅間 義隆
撮影 : 高羽 哲夫
音楽 : 山本 直純
美術 : 出川 三男
出演 : 渥美 清、倍賞 千恵子、下條 正巳、三崎 千恵子、前田 吟、吉岡 秀隆、大宰 久雄、北山 雅康、関 敬六、佐藤 蛾次郎、笠 智衆、笹野 高史
ゲスト出演 : 後藤 久美子、夏木 マリ、寺尾 聰、宮崎 美子
《簡単なあらすじ》
一浪したが…
何とか念願の大学に入学出来た満男 、
しかし、八王子にキャンパスがあり自宅通学が大変な為、近くにアパートを借りたいとさくらに懇願するが、反対されてしまう。
その晩、満男は博に反抗的な態度をとり「家を出て行け」と怒鳴られるが、、好都合の満男は、次の日早速、大学の近くのアパートを見つけ契約をしてしまった。
友達とレンタカーを借りて引越し荷物を取りに帰ると、そこには、、
泉(後藤 久美子)が上京して満男の家に来ていた。
泉は、佐賀の叔母の家から母・礼子(夏木 マリ)の住む名古屋に戻っていたが、、
離別して、東京に残っていた父・一男(寺尾 聰)に会って、また家族三人で暮らす為に説得しようと、母の反対を押し切って上京していたのだった……
しかし、、
翌日、秋葉原の電器店に勤める父を訪ねたが、父は既に退職していて、交際をしていた幸枝(宮崎 美子)の実家がある大分に引っ越していたのだった。
意気消沈して柴又に戻る二人…
そんな時、偶然にも、、
寅次郎が久しぶりに柴又へ帰郷して来た!
泉とも久々の再会を果たし、
家族の問題等、優しく相談に乗ってあげた寅次郎。
そして、翌日、
已む無く、名古屋へ帰ろうと
新幹線に乗り込む泉、、
満男との別れ際、
しかし、どうしても諦めきれない泉は・・?
↓↓………………(★ネタバレ注意)………………↓↓
父のいる福岡行きの切符を満男に見せる泉、、
やはり、大分に居る父に会って話したい……
泉の気持ちを聞いた満男は、、
心配で、いたたまれずに、、その新幹線に出発ギリギリ飛び乗った 。。
前作に引き続き、、(笑)、無謀とも思える突飛な行動をする満男。
それでも満男は「ああすれば良かったなぁという後悔」ではなく「どうしてあんなことしてしまったんだろうという後悔」を選び疾走する。青臭くも男らしさを感じた。
胸が詰まる程に素敵なシーン、
この「満男立志篇」(勝手に呼んでスミマセンm(__)m)にも多くの名シーンがあるが、このシーンは特別で!一番好きかも知れません☝
特に、泉・後藤久美子さんの驚きと安堵の表情は控えめながらも、泉の心細い心情を表現していて、素晴らしかった!
若さってウラヤマシイねぇ!!
一方、、
泉と大分の父の元に向かった事を、電話で満男から聞いた、博とさくらは、心配で気が気ではないが、、寅さんは「満男はもう子供じゃない、もっと大人として見守ってあげろよ」と二人を諭した。。
そこに、
泉の母・礼子が、くるまやにやって来た!
その、ハデハデな容貌と色っぽさに、ヒトメボレした寅さん……(笑)
マドンナ登場で、
「満男じゃ頼りなくて心配だから、、」と、礼子に二人を探しに大分まで行こうと促す寅さん。。(★さっきと言ってる事が、180度違う、、お決まりの流れですが、、何度観ても可笑しい☝)
言い出したら聞かない寅さん、
博とさくらの説得も虚しく、、(笑)
結局、寅さんと礼子は二人で大分へ向かった。しかも、新幹線の切符が取れず、、寝台列車。。
こうなると、、博&さくらは、満男&泉よりも、寅次郎&礼子の方が心配になる……(笑笑)
相変わらず、さくらに心配を掛ける寅さんだが、、まだまだ健在👍で、何故かホッとしてしまった(笑)
・・・そして、翌朝❗ 🐔🐔・・・
泉と満男は、幸枝の実家に着き、
父と再会した泉、、
思いの丈を父に話す為にやって来たのだが…
父と幸枝の仲睦まじい姿を見て、
三人で暮らす事を断念する泉……
「おばさん、パパを宜しくお願いします。。」
と言ってその場から逃げるように去って行った。。
子供に何てツラい思いをさせやがるんだ!この親父め!(`Δ´)……
「泣くなよ…」と慰める満男。
おっっ!ラブシーンか?ヒューヒュー♪
と思うも束の間。。
海岸の方から聞き覚えのある、あの声が?
寅さんと礼子も大分に着いていた☝
こうして四人はめでたく合流❗
(ラブシーンはオアズケ・・笑)
案の定、、
礼子は昨日の泥酔が気恥ずかしいと泉を連れて、先に旅館を出て名古屋に帰ってしまった…………
またまた寅さんの夢見物語に終わってしまったが、、、
今回は、名残り惜しそうに我慢・我慢のお別れになりました。。
それでも、寅さん、、
その後、礼子の店に立ち寄り花束のプレゼントは流石でした☝(★見習いたいところですね)
最後に寅さんを「私の恋人。。」と言う礼子の憂いを帯びた穏やかな笑顔が、、素敵でした。
そして、柴又の車家・諏訪家は、いつものお正月を迎える。
満男は、
「幸せってなんなんだろう~人間はホントに分かりにくい生き物なんだと、近頃しみじみ僕は思うんだ。。」
若者よ!大いに悩みなさい!
そして、焦らず一歩ずつ大人の階段を登って来なさい。君達が経験した事は決して無駄じゃないよ、、
……………………………………………………
《なるほどエピソード①》
本作でも「寅のアリア」は格別で最高でした!
満男と泉が、結婚して子供が産まれるまでの未来予想図を、情緒たっぷりに語っていきます、
すると、あまりの素晴らしさに、おばちゃんが「涙が出てきちゃったよ…💧」、、もしかしたら、あの涙は本モノでは?(笑)
甥っ子思いの寅さんの愛情が、ひしひしと伝わる、、これだから『男はつらいよ』はやめられない!と唸ってしまうシーンでした!
《なるほどエピソード②》
泉の父が、働いていたのは、今は懐かしき秋葉原が電気街だった頃(?)の「ヤマギワ」だと思いますが、、当時からアキバらしからぬ洒落た店構えで高級指向なお店だったと思います。。
そこで、父の同僚役の【笹野 高史】さんの登場!ですが、今回はちょっと控え目な役柄で、もう少しキワモノ感が欲しかった気がしましたm(__)m(笑) が、それでも個性的な演技でしっかり足跡を残してました👍
《なるほどエピソード③》
泉の母役【夏木 マリ】さんの酒酔いの演技は、昭和の名残を感じさせていて、色っぽくて素晴らしかった☝
寝台列車のベッドから手を差し出す?シーンは、正にあの『絹の靴下』!子供ながらに興奮していた事を思い出します。。(笑)
この、尋常じゃない程の色気(笑)に寅さんもオチそうになりますが、、甥っ子のガールフレンドの母親とは、禁断にもホドがある…でしたね(笑)
そろそろまとめ\(__)
本作は、前作から凡そ一年後の、互いに環境の変わった満男&泉の恋愛と、寅&礼子の大人の恋愛を対比させていますが、、その差が少しずつ縮まって行き、、若者から大人の愛に成熟しようとしている様に思えました。
なにせ、寅さん恋愛に関しては純情一途で、満男にまで諭される始末で(笑)、
どっちが、大人か分からない様な展開でしたね(苦笑)。、
それでも、寅さんは満男にとっては頼りがいのある伯父さん。
「満男、困ったことがあったらなっ、風に向かって俺の名前を呼べ、伯父さんはどっからでも飛んできてやるから」
別れ際、寅伯父さんの言葉は温かく涙を誘う💧
何といっても、泉ちゃん役の【後藤 久美子】さんが、まだ高校生なのに、所々、大人っぽい表情が見え隠れしだして、親心で観たり、若い頃を思い出してドキドキしてみたり、、オジサンは大変でした 😅
そして、嬉しいのが、
本作は久々に、寅さんのウブな恋愛感情が垣間見れる所ですね☝
前作『ぼくの伯父さん』にヒケをとらない、隠れた名作を、しかと堪能致しました。
しかし、、『寅次郎の休日』の『休日』って、何の事だったんだろう……?
◎○▲△◎○▲△◎○▲△◎○▲△
好きなシーン☝
久々の夢シーンから、
車小路寅麿、さくら式部、
「そのお顔は、もしや兄者人(あにじゃびと)」
「さくら!苦労かけたなぁ~」
好きなシーン✌
泉ちゃんが満男の家に来た事を知ると、、
引越しの予定を変更して友達を帰らせてしまう、やる事なす事、寅さんと行動パターンが似ていて笑える❗
★源公&備後屋的 満男の友達、、本作も散々振り回されてお疲れ様でした(笑笑)
もう一つ☝✌
寅さん&泉の母が満男&泉を見つけて感動の抱擁をするシーン(笑)、、寅さんと満男もノリで抱き合ってしまい、ふと我に帰り慌てて突き飛ばす所はホントに絶妙でした!
そういえば、、いつの間にか、タコ社長の娘・あけみ(美保純さん)がフェードアウトしてましたね。。残念……
★宜しければ他の作品レビューもどうぞ🎵