『男はつらいよ』シリーズ

1984年、
私はこの年、19歳でした。。

恥ずかしながら、、高校時代は知人からの誘い等もあり、、一瞬、役者を志してオーディションに応募したり、エキストラ等をしていた事もありましたが、、f(^_^;

結局は、元々、続けていたバンド活動に戻り、、それからは、ライブやレコーディング等に熱中していた、、1984年頃。。

しかし、どれも叶わぬ夢に終わり、、

その後、クソ真面目なサラリーマンになろうとは、、、

当時は、考えもしませんでした。。(ToT)……

そんな、しがないサラリーマンの哀愁が、所々漂う二作品(苦笑)、他人事とは思えず、見入ってしまいました。。。m(__)m

今回は1984年公開の第三十三・三十四作を、紹介します。

『男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎』


◇ 1984年8月公開
ゲスト出演 : 中原 理恵、渡瀬 恒彦、佐藤B作、秋野 太作、加藤 武、
★本作よりタコ社長の娘あけみ : 美保 純


〈簡単なあらすじ〉


寅次郎は旅先の盛岡で売の最中、昔の舎弟だった登(秋野 太作)と偶然の再会をした。登は食堂の店主となり結婚して子供も居たが、寅次郎を酒盛りでもてなそうとした所、その家族に気を使い、堅気になった登を諭し、直ぐにその場を去った。。

それから寅次郎は、青森から北海道釧路へ渡って間もなく、風子(中原 理恵)と出会った。
風子は、理容師だがお店を転々としており「フーテンの風子」と呼ばれていたと話した事で、寅次郎と意気投合し旅を共にする事になった。


そして、二人が泊まる宿屋の女将から、、相部屋を頼まれ渋々受け入れると、、その相手は、何やら訳ありの暗いサラリーマン・福田栄作(佐藤 B作)だった。事情を聞くと、妻が男を作って逃げてしまったが、行方が分かった為、わざわざ釧路まで尋ねて来たのだった。


仕方なく、栄作に付き添い、妻捜しを手伝う二人だが、、結局、妻には既に子供が出来ていた事が分かり、栄作は已む無く諦め帰って行った。

その後、風子の伯母を頼りに根室へ向かう二人、伯母の紹介で仕事も見つかった風子だが、

そこで、サーカス団のバイク乗りのトニー(渡瀬 恒彦)から声を掛けられた。。


若い二人は恋に落ちてしまうのか………?

…………………………

『男はつらいよ』シリーズでも異色と言える作風だった、、色々なエピソードが重なり過ぎてしまった感もあるが、、寅さん➡風子⬅トニーの三角関係が主体でドラマは進行します☝

旅先の北海道で出会った風子。。
「フーテンの風子」と言われ、理髪師の定職を持ちながらも、方々の店を転々とする生活は、寅さんと同じで、、すごくお似合いにも見える二人だったが、、流石に歳が離れ過ぎだった……

風子は「寅さんが、もう少し若かったら、私、寅さんと結婚するのに……」
そこまで言われるが、風子の将来の幸せを思い別れを選択する寅さん。。切ないが仕方ない、、

その後、、
サーカス団の曲芸バイク乗り・トニー(渡瀬恒彦)が、「とらや」を訪れるが、、実は、風子はトニーに付いて東京に来ていて、、病気になり寅さんに会いたいとトニーに頼んだのだった。。


複雑な思いがありながらも寅さんは、風子を連れ出し「とらや」で面倒をみる事になるが、、


寅さんは、トニーに風子から手を引くように頼みに行く、、珍しい展開、、

「見掛けによらず、純情ですね、、」なんて慰み言葉を掛けられながらも、トニーに頭を下げる寅さん、、

しかし、寅さんの親心から親切でやった事が、
完全に裏目になり……風子と寅さんは喧嘩をする形で再び別れる事になる、、

風子はいつしかトニーを愛していたのか。。?

振り回されっぱなしの寅さんにはホント同情します。。m(__)m

結局はその後、トニーとは分かれ、北海道の田舎に帰って縁談が来まり結婚する事になった。

なんじゃそれ👊と思ったが………
そんな結末が『男はつらいよ』らしいですね👍

どう見ても、風子とトニーが一緒になっても幸せになるとは思えませんからね、、

マドンナは基本、幸せになる事がマストです❗

そして、最後のドタバタも『男はつらいよ』にしては、まさかのエンディングでした。。

熊にまで、追い掛けられ、
正に☝踏んだり蹴ったりの寅さんでした(笑)


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⬆風子役の【中原 理恵】さん、、『東京ららばい』のヒットから、、イメチェンしてコメディエンヌとして人気を博していた頃でしょうか。。本作では、かなりシリアス寄りでしたね、、


⬆ニヒルな二枚目トニー役【渡瀬 恒彦】さん、
『男はつらいよ』では珍しい悪役でした。。
💡悪役が殆ど出て来ない『男はつらいよ』の中で『夕焼け小焼け』で、ぼたんさんを騙し金を借りた男【佐野 浅夫】さんは、強烈な印象がありましたが………トニーはこの人程悪くは無い感じでしたね。。女が勝手に騙される感じかな?


⬆準レギュラー、タコ社長の娘・あけみとして初登場の【美保 純】さん、、本作以降も、かなりお騒がせしてくれます。。(笑)

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好きなシーン☝
満男のブラスバンド部の演奏をさくらと風子が土手から見ているのを、、恥ずかしいから見ないでといいに来る満男だが、、
その後、土手ですっ転んでしまう。。分かり易い王道ギャグでした👍(笑)


◎○▲△◎○▲△◎○▲△◎○▲△

『男はつらいよ 寅次郎真実一路』

◇ 1984年12月公開
ゲスト出演 : 大原 麗子、米倉 斉加年、風見 章子、辰巳 柳太郎、津島 恵子



〈簡単なあらすじ〉

寅次郎は「とらや」に帰ると直ぐに、、夫婦喧嘩をして実家に帰っていた、あけみの肩をもった事でタコ社長と一悶着、、


面白くないと、上野の焼鳥屋で一人酒をしているが金の持ち合わせが無い寅次郎は、、斜向かいに座る、証券会社に勤めるサラリーマンの富永健吉(米倉 斉加年)と知り合いとなりご馳走になってしまった。
後日、健吉に礼をする為に、貰った名刺を頼りに会社を訪れ、再び酒を酌み交わすが、寅次郎は泥酔してしまい、茨城県牛久沼にある健吉の家に世話になった。。

翌日、健吉の妻・ふじ子(大原 麗子)と、対面すると、その美しさに見惚れてしまった寅次郎だが、その家に二人きりで居る事に慌てふためき直ぐ様、家を飛び出し帰って行った。。。


数日後、寅次郎は、ふじ子から「とらや」に連絡が入った事を聞き健吉の会社に電話を入れると、ここ数日健吉は会社を休んでいると言う、

心配になった寅次郎は、ふじ子の元へ行くと、、健吉が蒸発してしまったと聞かされる。

複雑な気持ちを隠しながら、ふじ子と共に健吉捜しを始める寅次郎だった。。


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前作とは、打って変わって、登場人物が少なく一つのストーリーに絞られている、、

ふじ子と出会った寅さんは、人妻であると知りながらも、すっかり勝手にラブモード。。

「仮に俺があんな綺麗な奥さんを貰ったとしたなら、、、一日中その顔をじ~っと見てる☝」

なんて、、森川のおいちゃんだったら一言「バカだねぇ~」と頭を抱えられる所だが、、下條のおいちゃんは優しいですね👍

もとい☝

ふじ子を愛するがあまり、何も見えなくなり暴走する寅さん、、特に「とらや」の金庫から金を持ち出そうとしたり、家族に対しては、醜態を晒す程に情けない男に成り下がる。

完全に禁断の愛に思い悩む寅さんが、痛々しかった。。

健吉が、このまま見つからなければ、、
ふじ子と一緒になれるかも知れない?と、
不埒な気持ちに苛まれていく寅さんだが、一方で義理堅く健吉を思う気持ちも強く、、、

そこが『男はつらいよ』で、結局は、二人の為に尽力し奔走するいつもの寅さんという形で終わる。。

ふじ子が、車家に招待された時の言葉、、
「家族が揃って賑やかに食事をする。。
何でもない事の様だけど、考えたら、幸せってそんなものかも知れないわね。。」

健吉は、毎日朝早く出勤して、夜遅く帰る生活を送っており、、家族と一緒に食事をする等、皆無であった……そんな仕事ばかりの生活に虚無感を覚え、蒸発してしまった。。。。


そして、
健吉が戻り、自宅近くに転勤となり、
ふじ子の願いが叶い、富永家の一家団欒の生活が始まった❗メデタシめでたし🎵

この二作品では個人的に、『夜霧に~』の栄作や健吉に感情移入してしまい、、

色々と、胸が痛くなる話しだった……( ´△`)

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⬆【大原 麗子】さんは、、二十二作『噂の寅次郎』以来二度目のマドンナ✌
前作と役違いでの出演となるのは、この時点では、大原さんが初めてとなりますが、、
やはり、寅さんの惚れ方の本気度が違いますね!(笑)


⬆【米倉 斉加年】さん、、堅物の大学教授から警官等、何度も出演されていますが、、本作が一番シビアな役柄でしたね。。

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好きなシーン☝
寅さんと健吉、焼鳥屋での酔っぱらい演技が素晴らしい❗
泥酔状態で無意識にキュウリを酒に漬けて、人に食べさせる寅さんは、アドリブとしか思えない究極の酔っ払い芸でした👍
周りが、素で笑ってしまってましたね(笑)


★以下のレビューもヨロシクどうぞm(__)m