久々の『男はつらいよ』シリーズ

第三十八作、
遂に、残り十作を切りました。。

来年の新作公開に向けて寅さん熱が上昇中ですね👍私も乗り遅れない様、勝手にピーアール(笑)していきたいと思いますm(__)m

今回より、年代別ではなく一作品づつ、、
ゆっくりと噛みしめながら、感想を綴っていきたいと思いますので、宜しくお願いしますm(__)m

1987年【渥美 清】さん、ご自身が59歳時の作品です。

『男はつらいよ 知床慕情』

◇ 1987年8月公開(松竹)
監督・原作・脚本 : 山田 洋次
脚本 : 浅間 義隆
撮影 : 高羽 哲夫
音楽 : 山本 直純
出演 : 渥美 清、倍賞 千恵子、下條 正巳、三崎 千恵子、前田 吟、吉岡 秀隆、大宰 久雄、美保 純、佐藤 蛾次郎、笠 智衆
ゲスト出演 : 三船 敏郎、淡路 恵子、竹下 景子、すま けい、赤塚 真人、


〈簡単なあらすじ〉

寅次郎が久々に故郷の柴又「とらや」に帰ると、竜造が肺炎を拗らせ入院中で店は休業していた。
直ぐ様、病院に駆け付けると、竜造は快方に向かっているとの事で安堵するが、翌日から「とらや」を開ける事になり、本来の跡取りでもある寅次郎も帳場に出ては見たが、余りに要領を得ず、何も出来ないまま退屈になり、遂には源公らを連れて遊びに行ってしまった。。
そんな寅次郎に落胆したつねは、店じまいしてアパートに住むとまで言い出すが、それを立ち聞きしてしまった寅次郎は気まずくなり、また旅に出ることに、、
。。。。

それから、、
北海道に渡り知床に辿り着いた寅次郎は、ヒッチハイクをした所、止まってくれたポンコツ車に乗る獣医師・上野順吉(三船 敏郎)と出会い、その日から順吉の家に寝泊まりする事になる。。
順吉は妻に先立たれ男ヤモメの生活で、父の反対を押し切って東京へ駆け落ちしてしまった、一人娘・りん子(竹下 景子)からは、何年も音沙汰もなく、順吉は未だに怒りが収まらずにいる。。

りん子の代わりに順吉の世話をするスナック「はまなす」のママ・悦子(淡路 恵子)は、そんな強情で頑固な順吉にほとほと呆れているが、、
そんな時、りん子が夫と離婚の末、この知床に帰って来たのであった。。

そして、
美しいりん子と、出会ってしまった寅次郎は、このままこの知床での生活を続けて行く事になるが…‥


………………………………………

本作は、オープニングでのお決まりの「夢シーン」は無く、第一作目の原点に帰ったかの様に、寅さんの子供時代を懐かしむ風情ある口上から始まるオープニング、、これが逆に新鮮で、とてもいい(^-^)/

前半の、スッタモンダの一悶着では、おいちゃんがもしも亡くなってしまったら?とリアルに心配になる展開だが、、寅さんは跡取りとされながら、、どうしても「とらや」の仕事には、全く身が入らずおぼつかない。。?

そうなんです💡
寅さんは、「生活」の為ではなく「愛」の為で無ければ、まともには働けないのです。。

困った大人ではありますが(笑)、、第三作『フーテンの寅』の旅館、第五作『望郷編』の豆腐屋、そして第二十作『頑張れ寅次郎』の土産物屋等々、、「愛」さえあれば、実力以上に高いポテンシャルを発揮します(笑)☝

そんなこんなで、いつも通り旅に出る、寅さんは、、暑い夏の時期は北へ向かいます。
そして、北海道に上陸し、、もっと先の知床まで足を伸ばし、出会いがあります。。

しかし、寅さんは不思議な程、どの町に行っても、気が付くと、いつしか人気者になっていますね!

今回のマドンナ・りん子は、そんな寅さんの優しさと粋な振るまいに、ほのかな恋心が芽生えるが…‥どちらかと言うと恋愛話しはコチラ⬇がメインになります☝


悦子は、不採算である店を閉めて新潟へ行く決心をして、その事を順吉に話したが、、
無粋な順吉は悦子への思いを言えないまま…‥

最後のチャンスに、
寅さんから「今言えなかったら、一生死ぬまで言えないぞ!」と煽られて、ようやく腹を括った順吉は悦子へ、その思いを話した。。
「俺が惚れてるからだ❗」それが、順吉の精一杯の愛の告白になった!

このシーンは、何度観ても、「よっしゃぁ~❗」と嬉し涙が溢れてしまう。

老いらくの恋も、悪いもんじゃない👍
ホント羨ましいばかりですね…‥

しかし、肝心の寅さんの意気地無しは、惚れられるとまたまた腰砕けで退散…‥
いつもの様に、寅さんはきっと、りん子の幸せを思い、自ら身を引いたのだと思いたい…‥

愛があれば何でも出来る人なのに残念…‥(笑)

そして、、家族に対しては最後まで、反省・反省を繰り返していた寅さん、、
おいちゃんだって、おばちゃんだって、そしてさくらだって、寅さんの人の良さを誰よりも知っているから、いくら、お互い憎まれ口を叩いても直ぐに元通りになる。

そんなお人好しな車家が、大好きで堪りません👍

旅の恥をかき捨て切れなかった寅さんは、
柴又を素通りして岐阜へ、、

男の旅は続く。

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世界の【三船 敏郎】さんが満を持しての出演❗
【渥美 清】さんとのカラミは、正に贅沢の極みでしたm(__)m
★本作で日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞されました。


りん子役の【竹下 景子】さん、
「恋ってそんなに激しいものかしら…‥」という台詞に不憫な結婚生活を送ってきた寂しさが伝わります。。
2度目のマドンナでの登場ですが、今回も、寅さんの方が身を引く展開、、自然と手を繋ぐシーンや風呂上がりの、りん子さんと最後の会話をするシーン等は、いよいよか?とも思わせ、ドキドキものでしたが、残念…‥

また、本作は知床の美しい自然風景が素晴らしく、、自然と寅さんとのコラボレーションがホント絵になりますね❗
そして【森繁 久彌】さんの『知床旅情』をBGMに知床岬・カムイワッカの滝等を観光するシーンも良かった👍

⬆あの「とらや」の帳場で、全く役にたたず…居眠り…のシーン☝寅さん記念館でも再現されています!必見👍

⬆三船さんと淡路さん、黒澤明監督作品『野良犬』で共演されたお二人、、38年後の共演は素晴らしいの一言ですm(__)m

好きなシーン☝
知床から届いた、寅さんからの手紙を読むと、また女性の存在が(笑)。。すかさず満男がさくらに「予想通りの展開ですね❗」と興味津々に口を挟み、さくらに叩かれるシーン!その後も「貧乏はやだねぇ~」と寅さんのマネまでする満男くん、すっかり後継者らしくなってきました👍

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