「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。
これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。
島袋美由利
大木咲絵子
和氣あず未
白石涼子
入野自由
内山昂輝
津田健次郎
竹中直人
【あらすじ】
東京上空に巨大な宇宙船が飛来し、軍の攻防により多数の被害が出た8.31から数年後。
同じ大学に通い始めた小山門出と中川凰蘭たち仲間は、竹本ふたばや田井沼マコトという新しい友達とともにオカルト研究会に入ることに。
一方で、自衛隊は都内各地で宇宙船の住人を“侵略者”と呼び駆除活動を繰り広げており、過激派グループによる侵略者狩りも蔓延っていた。
そんな中、宇宙船から煙が立ち上り、世界の終わりに向かってカウントダウンが始まっていた―
【コメント】
今年3月に公開された『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』、この後編となる本作がいよいよ公開!ということで、前章をとても興味深く楽しんだ僕としては、この後章を待ちわびておりました。
陰キャ女子高生のゆるゆるな日常と、東京上空に突如飛来した宇宙船と国の膠着状態が続く緊迫した世界とのギャップが新鮮で、前章で残した数々の謎が後章でどう昇華されるのか、とにもかくにも観ないわけにはいかないぞとさっそく「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。
さすがの話題作、レイトショーの時間帯でもなかなかに席が埋まっておりました。
(C)浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee
いやー面白かった!前作に引き続き後編も取っても面白かったです!これまで観てきたSFアニメとは確実に一線を画す、奇妙奇天烈だけどどこか緩く、それでいてとても壮大なスケールのアニメ。近年の青春SFアニメの傑作と言っても過言ではないでしょう。前編から間髪入れず本作が公開されましたからね、前編の内容が色褪せることなく観ることができたのも良かったと思います。
そんな僕が感じた本作の感想は以下の3つです。
1.近年の青春SFアニメの傑作!
2.未来は不確定、気にせず好きなことをしなさい
3.様々な謎は他の考察ブログへどうぞ
面白かったとはいえ、これは一回観ただけじゃ分からない細やかなギミックがちりばめられているので、色々と「ん?どういうことだ?」と説明できないところはあります。なので、そういうギミックはもう華麗にスルーし、本2部作を俯瞰して考え、どういうことを言いたかったんだろうかというところについて考えてみました。
本作の言わんとしていることって「未来なんて不確定、決まっていない未来を心配するよりも自分の好きなことやりたいことをしなさい」ということだったのかなと。
ちょっとネタバレになってしまいますが、門出とおんたんが宇宙人と出会ったことで、門出が間違った正義に目覚めてしまい最終的に自死してしまう。これは前編で描かれた謎のシーンで、おんたんのことを“シフター”と呼んでいましたね。
そんな門出の暴走を止められず悔やんだおんたんは、宇宙人が持つ“違う時間軸に意識を飛ばす装置”を使って、門出と出会った時期に戻る。それによって、本来は侵略者が来訪することがなかった未来がリセットされ、門出は死なず仲良しの親友となった代わりに結果的に侵略者が来訪し人類が危機にさらされる未来になってしまうわけです。
ここで大事なのは、未来が変わったのではなく、あくまで違う時間軸に意識を乗り換えたということで、もちろん侵略者が来なかった未来も存在するし、門出が死ななかったことと人類滅亡の危機とは全く因果関係はない(たぶん)ので、どこかのタイミングで侵略者が地球には来なかった未来もあったと思われる。
要するに、誰かのせいでこうなったなんてのは屁理屈に過ぎなくて、未来なんて人一人の小さな行動の積み重ねでどうとでも転んでしまう。そんな自分一人の行動をいちいち気にしてどうするのよ、未来なんてどうとでもなる、今ここで自分の気持ちに正直になって行動しなさい、ということなんだと感じ取りましたね。そういうことを理解していたから、おんたんは人類滅亡の日を達観して見ていたんだと思います。
いやーしかし、今回も声優としてのイクラちゃんとあのちゃんの力量は素晴らしいものがありましたね。二人とも声優として全然イケてる。特にあのちゃんですね、やっぱり。彼女のアーティストとしての音楽アルバム「猫猫吐吐」(ニャンニャンオエーと読むらしい)も今僕の中で絶賛ヘビロテ中。アーティストとして、そして声優として、特徴的な声質を思う存分発揮していってほしいですね。
(C)浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee
ということで、2024年の、というよりここ数年でも屈指の青春SFアニメの傑作として名を残すであろう本2部作。原作は既に完結しており、本作は原作とは異なったエンドということなので、これを機会に原作のほうも読んでみようと思う今日この頃。
ちなみに、本2部作を観ただけではまだ分からない様々な謎があったと思っています。侵略者の宇宙服からのぞいた顔が不気味なリアル顔とか、あれは未だになんだったのかなーと考えたりしてました。
そんな細かいギミックについては、他のブログや動画で考察している人がたくさんいるので、それをチェックしながら自分なりの答えを考えてみるのも面白いかもしれません。おそらくはそういう作品だと思うのでね、鑑賞した人たちとあれやこれや議論して楽しんでください。
【2024年度 Myランキング】(5/25時点)
本作は、本年度のベスト10中3位(暫定)にランクイン。
ジプシーキングス最高だった・・・
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
3位:デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章 ★★★★
4位:デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章 ★★★★
7位:カラオケ行こ! ★★★☆
(ワースト)… ★★☆以下が基準
<その他ランク外一覧>
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