「ボーはおそれている」★★★~毒親で育った子供の末路 | そんなことより恋をしろ

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

 これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

『シネマ報告書2024』の掲載にあたって

 
毒親で育った子供の末路
★★★
(C)2023 Mommy Knows Best LLC, UAAP LLC and IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved.

 

(2023年/アメリカ/179分/Beau Is Afraid
 
【 製作・原案・脚本・監督 】
アリ・アスター
 
【 出演 】
ホアキン・フェニックス

ネイサン・レイン

エイミー・ライアン

スティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン

ヘイリー・スクワイアーズ

ドゥニ・メノーシェ

カイリー・ロジャーズ

 

 

【あらすじ】

 

 治安の最悪な街のアパートで独り暮らしをしている臆病な男ボー。

 ある日、母親に帰省の電話を掛けたところ、母が怪死したことを知る。

 急いで母のもとへ向かおうとするボーだが、それは果てしない旅の始まりでもあった―

 

 

【コメント】

 

 さて、今回劇場で鑑賞した作品は、2020年『ミッドサマー』で一躍名を轟かせた監督アリ・アスターの満を持しての最新作。これまでのアリ・アスター監督作品はとても独創性に溢れる不気味な作品で面白いので、本作の公開は僕も楽しみにしていました。

 ホアキン・フェニックス主演の本作は、これまでのホラーテイストとは違った趣のようですが、怒涛の3時間上映ということで、今回はちょいと気合を入れて「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

 

(C)2023 Mommy Knows Best LLC, UAAP LLC and IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved.

 

 ・・・やってくれたな・・・やってくれたな!アリ・アスター。アリ・アスター監督、ご丁寧に訳分かんねー映画作ってくださったぜ。とにかく全編難解、展開にどういうつながりがあるのか、頭が混乱する3時間です。

 まるで子供が大人になったかのような中年の主人公が、母親の怪死を知って実家まで向かう道中を描いた3時間。その道中で交通事故に遭って見知らぬ家庭に世話になったり、旅役者集団と合流したり、やっとこさ辿り着いた実家で真実を知ったり。一体全体何が起こっているのか、久しぶりに頭を抱えちゃいましたね。

 そんな僕が感じた本作の感想は以下の3つです。

 

1.頭が混乱する難解な3時間

2.毒親で育った子供の末路

3.あとは考察部隊よろしく

 

 兎にも角にもアリ・アスター監督のことだから、細部にまでギミックにこだわって作った作品であろうとは思いますが、僕はもう細やかなギミックは考えず全体を俯瞰して、これは一体どういうことを言いたかったのか?という部分のみを考えてみました。

 僕は本作、所謂“毒親”で育った子供がどうなってしまうのか、ということを語っているんだと思いました。“毒親”とは毒のある親、つまり、過保護・過干渉により子供の成長に悪影響を及ぼす親のことで、行き過ぎた愛情と躾によって子供をコントロールし、子供の人生に踏み込み過ぎてしまう親のことを指します。

 そんな毒親育ちの子供がどうなるか、というと、自主性や主体性の乏しい大人に成長してしまい、自分で物事の些細な判断をすることができず、いつまでも親に頼りっきりになってしまう。体はいい大人なのに精神は親に支えられたままになってしまうので、結果どこか頼りなく子供っぽい大人になってしまうわけです。

 本作の主人公もまさにそんな感じで、いい大人なのに親からの呪縛から逃れることができず、自分がどう行動すればよいかという判断ができない。母親も母親で、いつまでたっても息子を子供扱いし、常に自分の目が届くよう莫大な費用をかけて監視し続けている。ここまでくるともう子への愛情云々のレベルではなく、子供の監視こそが目的になってしまっている。毒親って結局、子への愛情が行き過ぎてコントロールしてしまっている自分自身に気付いてないんでしょうね。親も子も自覚がなくこんな関係が永劫的に続いてしまっているわけです。

 クライマックスで屋根裏で見つける父親が、よもや擬人化されたでっかい●●●だったのは度肝を抜かれてしまいましたが、これって結局、母親の父親に対する卑下したイメージだったんでしょう。お前の父親は股間でしか物事を考えない下劣な人間だった、ということだったんじゃないでしょうかね。

 毒親の家庭って、やっぱり家庭内での不協和音が鳴り続いていた、決して楽しい家庭ではないところなんですね。

 

(C)2023 Mommy Knows Best LLC, UAAP LLC and IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved.

 

 そんなわけで、あくまで僕の感じたことなので真意は違うかもしれません。

 本作については色々なサイトで考察・解説されているブログがいくらでも出てくるので、細かなギミックや本作のテーマについては考察部隊よろしくということで。

 なんでしょうね、これからアリ・アスター監督はデビッド・リンチのような方向性に向かっていくのでしょうか。難解な映画はやっぱり苦手ですわー。

 

 

【2024年度 Myランキング】(2/18時点)

 

 本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。

 有休満喫するでー。

 

(ベスト)… ★★★☆以上が基準

 

  1位:PERFECT DAYS ★★★★★

  2位:ゴールデンカムイ ★★★☆

  3位:カラオケ行こ! ★★★☆

  4位:

  5位:

  6位:

  7位:

  8位:

  9位:

 10位:

 次点:

     

     

     

 

 (ワースト)… ★★☆以下が基準

 

  1位:ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ ★★☆

  2位:

  3位:

 

<その他ランク外一覧>

エクスペンダブルズ ニューブラッドコンクリート・ユートピアアクアマン 失われた王国ある閉ざされた雪の山荘でLift リフト(未)バッドランド・ハンターズ(未)哀れなるものたち身代わり忠臣蔵雪山の絆(未)ボーはおそれている

 


 
 
『ボーはおそれている』の公式サイトはこちら

 

 

 

 

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