「哀れなるものたち」★★★~固定観念から脱却せよ、ということ | そんなことより恋をしろ

そんなことより恋をしろ

『映画を観るよりもお前は恋をしろ恋を』
…そんな感じのブログです。

※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

 これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

『シネマ報告書2024』の掲載にあたって

 
固定観念から脱却せよ、ということ
★★★
(C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 

(2023年/イギリス/142分/Poor Things)
 
【 製作・監督 】
ヨルゴス・ランティモス
 
【 原作 】
アラスター・グレイ
 
【 出演 】
エマ・ストーン

マーク・ラファロ

ウィレム・デフォー

ラミー・ユセフ

ジェロッド・カーマイケル

クリストファー・アボット

 

 

【あらすじ】

 

 橋から身を投じ自ら命を絶った身重の女性ベラ。しかし、天才外科医ゴッドウィン・バクスターの手によって胎児の脳を移植され奇跡的に蘇生、驚くべき早さで成長していく。

 ゴッドウィンの屋敷から出ることを許されなかったベラは、世界を見たいという欲望にかられ、女好きの弁護士ダンカンとともに大陸横断の旅に出る。

 旅先でも破天荒な行動をするベラに手を焼くダンカン。しかし、ベラは新しい体験を通し時代の偏見から解放されていく―

 

 

【コメント】

 

 さて、今回劇場で鑑賞した作品は、2023年度ヴェネツィア国際映画祭で見事金獅子賞を受賞、その他数々の賞レースを席巻している話題の本作。主演のエマ・ストーンの身体を張った熱演も話題となっています。

 この時期は何かと賞レース系の作品が立て続けに公開されており、エンタメ好きな僕としては小難しい作品はちょいと苦手ではあるんですが、ここは映画ファンとしては観ないわけにはいかんだろうと「田近シネマシティ」に足を運んだ次第。

 R18+指定という刺激的?な基準となっているものの劇場はかなりの入りでパンフレットも売り切れ状態。話題の高さが伺えます。

 

(C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 

 本作は所謂“フェミ系”の映画と巷では言われております。主人公ベラが、生まれ育った屋敷からの外出を許されなかったことや、女好き弁護士とともに世界に飛び出してもなお女性としての振る舞いを強要されること、それに対してなぜ?何がいけないの?そんな生き方楽しくないじゃない!と、人目もはばからず破天荒に自由気ままに振る舞いつくす。

 女性とはこうあるべき、といった世間の固定観念に対し、ベラの行動はあまりにも奔放過ぎる生き方ではありますが、女性だって自由気ままに生きたい、男だってこんな振る舞いをたくさんしてるじゃない、といったメッセージと捉えられるところはあると思います。

 

 ただ僕としては、そんなフェミ系の映画というよりも、もっと広い視点で、これまで世間に溢れかえっている人間が持つ固定観念に対する疑問と、それを当たり前のように思っている人たち、それらに対して疑問に思っていても声を出せず合わせざるを得ない立場の弱かった人間たちの叫びや訴えをファンタジックに映画いた作品だったんだと思います。

 

1.フェミ系のようでそうではない

2.固定観念から脱却せよ、ということ

3.エマ・ストーンの強烈な熱演

 

 要するに古いしきたりや固定観念と、それに疑いもせずそれが常識のように振る舞う人間たちこそがPoor Things“哀れなるものたち”ということ。時代は今変わり始めてきているぞと、古い観念に縛られていると時代に取り残されてしまうぞと、そういうことなんだと感じましたね。

 ラストシーンのとおり、古い観念から解放され自由に生きる人たちと、そこから脱却できず囚われたまま家畜のような状態になってしまった人たちのシュールな対比、これこそが精神的な二極化なんだと思いました。

 

(C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 

 そんなメッセージが込められた作品でありながら、一体どこら辺がR18+なんてハードルの高い指定があるんだろうと思っていたら、まあ映像的な刺激の多いこと。ちょっとしたグロい描写もありますが、なんといっても主演エマ・ストーンの身体を張った強烈な熱演でしょうね。とにかく素っ裸のシーンが多いし、セ●クスしまくってるシーンも多々。モザイクも本作には一切なく性器は丸映りです。まあ本作に限ってはモザイクなんて無粋ですね。

 もっとも、個人的には中盤あたりはちょっと長すぎて退屈してしまいましたが、メッセージは十分に伝わってきました。本作のようなメッセージを込めた作品が増えてきていることに時代の動きを感じさせます。

 

 

【2024年度 Myランキング】(2/4時点)

 

 本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。

 東京久々の大雪。

 

(ベスト)… ★★★☆以上が基準

 

  1位:PERFECT DAYS ★★★★★

  2位:ゴールデンカムイ ★★★☆

  3位:カラオケ行こ! ★★★☆

  4位:

  5位:

  6位:

  7位:

  8位:

  9位:

 10位:

 次点:

     

     

     

 

 (ワースト)… ★★☆以下が基準

 

  1位:

  2位:

  3位:

 

<その他ランク外一覧>

エクスペンダブルズ ニューブラッドコンクリート・ユートピアアクアマン 失われた王国ある閉ざされた雪の山荘でLift リフト(未)バッドランド・ハンターズ(未)哀れなるものたち

 


 
 
『哀れなるものたち』の公式サイトはこちら

 

 

 

 

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村
 
映画 ブログランキングへ