「マッチング」★★★～マッチングとはアプリのことではなく・・・

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2024』の掲載にあたって」

マッチングとはアプリのことではなく・・・ ★★★

【あらすじ】

　恋愛に奥手なウェディングプランナーの輪花は、同僚の尚美に勧められてマッチングアプリに登録する。輪花とマッチングした吐夢という男に実際に会ってみるが、吐夢は輪花のストーカーと化してしまい、恐怖を感じる。

　そこで輪花は、取引先であるマッチングアプリ運営会社のプログラマー影山に助けを求め、次第に距離が縮まっていく。

　同じ頃、巷ではマッチングアプリによって結婚した夫婦が殺されるという事件が多発、その手は次第に輪花にも及んでいくが、次第に思いもよらない驚愕の真実を知ることになる―

【コメント】

　この日は「ジプシーキングス」という昔から大好きなバンドの来日コンサートがあるため、残業続きだった仕事の中一日くらい休んでもよかろうと有休休暇。メンタル維持のためにもワークライフバランスは大事よ。

　ということで、まだコンサートまで時間があるため動画配信サービス「U-NEXT」で映画でも観ようと、前から目を付けていた本作を鑑賞。

　今年2月に劇場公開された本作、公開当時ちょっと気になっており劇場で観ようかなーと思っていたんですが、この手の日本製スリラーものはティーン向けもライトな異常殺人鬼ものが多く、御多分に漏れず本作もそんな感じと読み取ったので、劇場で観なくてもよかろうとスルー。今般、U-NEXT独占配信ということで観てみようと思った次第です。

　あれ、ちょっと待てよ、意外とエグいぞこれ。

　所詮はティーン向けのライトなスリラー、マッチングアプリで出会った男がストーカータイプの異常快楽殺人鬼で主人公が餌食になってしまうよくあるパターンだろとタカをくくっていたんですが、真相が明かされるクライマックスのどんでん返しと何とも言えないバッドエンドに、そう来たかと感心しました。なかなかに楽しめましたね。

　そんな僕が感じた本作の感想は以下の3つです。

１．ライトスリラーと思いきや意外とエグい

２．マッチングとはアプリのことではなく・・・

３．内田英治監督のますますの活躍に期待

　これはもうネタバレになってしまうので語るのが難しい、とりあえず観てくれとしか言えないっす。ぶっちゃけて言ってしまうと、始まって1時間半くらいは本当によく見る王道のストーカー的な展開。アプリで知り合った男から付きまとわれて、そのうち周りの人間が次々と謎の死を遂げ身の危険を感じ始めて、巷では謎のカップル連続殺人が頻発していて・・・といったよく見かけるスリラーもの。クライマックスの真犯人も、どうせ実はやべーのはこいつなんだろ、とおおよその予想はできます。

　だけど本作の本領発揮はその後の展開で、「マッチングってアプリのことじゃなく、そう意味のマッチングってことなのか！」というどんでん返しが待っています。これはもうネタバレになっちゃうので言えませんが、主人公の父親の過去のシーンを注意深く観ていると見えてくることがあるかもしれません。あと、要所要所で登場する斉藤由貴と車椅子の老婆が一体何者なのか、そして初っ端で主人公にストーカーしてくる根暗男の正体が明かされた時のエグさはハンパないです。ちょいと出来過ぎとはいえゾッとしましたね。ヘタするとこういう関係の人間がもしかしたら世の中にいるかもしれない。

　世の男女よ、浮気はダメですぞ。