「猿の惑星 キングダム」★★★☆~そして猿VS人類の戦いはまだ続く | そんなことより恋をしろ

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

 これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

『シネマ報告書2024』の掲載にあたって

 
そして猿VS人類の戦いはまだ続く
★★★☆
(C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
 
(2024年/アメリカ/145分/Kingdom of the Planet of the Apes
 
【 製作・監督 】
ウェス・ボール
 
【 出演 】
オーウェン・ティーグ

フレイヤ・アーラン

ケビン・デュランド

ピーター・メイコン

ウィリアム・H・メイシー

 

 

【あらすじ】

 

 ウイルスにより高い知能と言語を得た猿。自由を勝ち取った猿と人類の戦いから300年後、地球は猿が新たな支配者となり、人類は退化していた。

 かつて人類と戦いを繰り広げたシーザーの末裔である冷酷な独裁者プロキシマス・シーザーは、海辺に帝国を築き、平穏な村で暮らしている猿たちを拉致しては帝国を大きくしていた。

 イーグル族の若き猿ノアは、プロキシマス・シーザー率いる部隊によって故郷の村を滅ぼされ、家族や友と離れ離れになってしまい、仲間を助けるため帝国に向かう。

 道中、年老いたオランウータンのラカ、そしてノヴァと呼ばれる人間の女性と出会う。実は、ノヴァにはある秘密が隠されており、プロキシマス・シーザーから狙われていたのだった―

 

 

【コメント】

 

 あまりにも有名なラストシーンであるSF映画の金字塔『猿の惑星』。猿が如何にして地球の支配者となり得たのかを描いたエピソード0とも言うべき2010年代の「猿の惑星」シリーズ3部作の完結作である2017年『猿の惑星 聖戦記<グレート・ウォー>』から7年、満を持して、はたまたまさかの、なのかは分かりませんが、ともあれそこから続く待望の新作が公開!

 あれからもう7年経ったのかよという驚きを感じつつも、前シリーズ3部作が近年のSF映画の傑作と呼んでも遜色ないくらいの面白さと深いテーマを持った作品だったので、本作の公開を僕は非常に楽しみにしておりました。

 しかしながら今回、傑作である前3部作を監督したマット・リーヴスの参加はなく、あの「メイズランナー」シリーズを監督したウェス・ボールがメガホンを取ったということで若干の不安も感じつつも、あのラストから今度はどういった展開になっていくのか、映画ファンなら観ないわけにはいかないだろうと早速「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

 

(C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 

 いや~良かった!今回も面白かった!マット・リーヴス監督不参加のなかウェス・ボール監督の手腕を危惧していましたが、今回も十分に楽しませていただきました。145分というなかなかの長丁場もダレることなく、オープニングからラストまで時間を忘れ釘付けになって観ることができましたね。

 もっとも、戦争原理というマット・リーヴス監督が描いた奥深いテーマ性を持った前3部作ほどの重厚なものではありませんでしたが、前3部作からの流れとしては十分な出来、SFエンタテイメント作品として面白かったと思います。疑ってごめんよウェス・ボール。

 そんな僕が感じた本作の感想は以下の3つです。

 

1.階層社会は動物の本能が作る

2.新たな存在との共存は可能か

3.そして猿VS人類の戦いはまだ続く

 

 前3部作で地球上の全猿たちを率い人類に戦いを挑んだ英雄シーザー。本作のオープニングでシーザーの死を悼む猿たちのシーンから始まりますが、その末裔がよもや冷酷無比な独裁者として君臨している悪の設定になっているとはね。そして主人公はシーザーとは全く無関係のいち村人の若者ノア。本作は、村の仲間たちを救うべくノアがシーザーの末裔を討ち取るという構造になっています。

 

 前3部作が、いかにして戦争は始まっていくのかという戦争原理を描いた非常に見応えのあるテーマであったのに対し、新作となる本作は一体どんなテーマがあったのか、というのが今回の僕の見方でして、そこでいくとやっぱり“階層社会”と“共存”、これに尽きるかなと。

 人類からの解放を目指して戦い自由を勝ち取って安住の地で平穏な日々を過ごす・・・というわけにもいかず、平和が続くとそのうち支配する側とされる側に徐々に階層化されていく。圧倒的カリスマを持つシーザーと彼に心酔し従う者たち、それらが支配のために徐々に暴走し始め、人類と力を合わせて戦った猿だったはずが猿同士の殺し合いの世界となってしまう。

 これって結局、動物の本能だと思うんですよね。強いものが支配し、それに同調して力を持つ者たちと、弱き者たちは恐怖で従わざるをえなくなる。人間も結局のところ長い人類史の中で互いに殺し合い、階層社会が今現在も続いているわけですから。

 

 加えて、猿と人間の共存というテーマについても、本作のみならず全シリーズから読み取れるところですね。人類が支配している地球に、もし未知の新たな存在が勢力を伸ばして来たら果たして人類は共存という道を選ぶことができるだろうか。今の人類なら容赦なくそれらに牙をむくことになるでしょう。

 まあ宇宙人的な話は飛躍しすぎかもしれませんが、世界にいるマイノリティーに対する人権が叫ばれている中で、今果たしてマイノリティーが住みやすい世界になっているだろうか、それぞれが互いに認め合い支え合っているだろうか、というのが軸にあったんじゃないかなと感じました。

 

(C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 

 ということで、あのラストシーンを観るとまだまだ猿VS人類の戦いは続きそうな終わり方ですね。1968年のオリジナルでは人類は完全に言語を失い、知性を持った猿に追いかけ回される野生動物と化していましたからね、今後も続編、あるいは新3部作を目論んでいることと思います。

 個人的には、あれからオリジナルまで一体どうつなげていくのか、人類はラストシーンからどう巻き返しを図ろうとしていくのか、続きが非常に気になりますので、今後もシリーズを続けていってほしいところです。

 

 

【2024年度 Myランキング】(5/12時点)

 

 本作は、本年度のベスト10中7位(暫定)にランクイン。

 またまた残業の連続。

 

(ベスト)… ★★★☆以上が基準

 

  1位:PERFECT DAYS ★★★★★

  2位:DUNE デューン 砂の惑星 PART2 ★★★★☆

  3位:デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章 ★★★★

  4位:シティーハンター(未) ★★★★

  5位:ゴールデンカムイ ★★★☆

  6位:カラオケ行こ! ★★★☆

  7位:猿の惑星 キングダム ★★★☆

  8位:ネクスト・ゴール・ウィンズ ★★★☆

  9位:ロードハウス 孤独の街(未) ★★★☆

 10位:ポップスが最高に輝いた夜(未) ★★★☆

  次点:サンクスギビング ★★★☆

     ゴジラ×コング 新たなる帝国 ★★★☆

     

     

 (ワースト)… ★★☆以下が基準

 

  1位:映画 マイホームヒーロー ★★☆

  2位:エクソシスト 信じる者 ★★☆

  3位:ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ ★★☆

 

<その他ランク外一覧>

エクスペンダブルズ ニューブラッドコンクリート・ユートピアアクアマン 失われた王国ある閉ざされた雪の山荘でLift リフト(未)バッドランド・ハンターズ(未)哀れなるものたち身代わり忠臣蔵雪山の絆(未)ボーはおそれているマダム・ウェブARGYLLE アーガイル落下の解剖学変な家TALK TO ME トーク・トゥ・ミーゴーストバスターズ フローズン・サマーオッペンハイマー恐怖の報酬(未)DIVE ダイブ 海底28メートルの絶望REBEL MOON パート1:炎の子(未)REBEL MOON パート2:傷跡を刻む者(未)エレベーター・ゲーム劇場版 マーダー★ミステリー 探偵・班目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血

 


 
 
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