「バイオレンスアクション」　★★★～ピンクの橋本環奈は違和感あり

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2022』の掲載にあたって」

ピンクの橋本環奈は違和感あり ★★★

(C)浅井蓮次・沢田新・小学館／「バイオレンスアクション」製作委員会（2022年／日本／111分） 【　監督　】 瑠東東一郎 【　原作　】 浅井蓮次 沢田新 【　出演　】

橋本環奈

杉野遥亮

鈴鹿央士

馬場ふみか

森崎ウィン

大東駿介

太田夢莉

佐藤二朗

高橋克典

岡村隆史

【あらすじ】

　日商簿記検定2級合格を目指して専門学校に通う菊野ケイ。彼女は、実は指名ナンバーワンの実力を誇る凄腕の殺し屋の顔を持っていた。

　ある日、学校帰りのバスで青年テラノと出会ったケイは、ほのかな恋心を抱く。しかし、彼はヤクザ伝馬組の会計士だった。

　そして、殺しの仕事の依頼を受けたケイは、次のターゲットがテラノと知り動揺する―

【コメント】

　都会の喧騒を離れ、夏休みで久々の実家帰省。盛岡は灼熱の晴天と集中豪雨のテレコの1週間でして、エアコンの避暑地として快適に過ごせたかと。まあ、他に家庭の課題が色々とあってあまり落ち着きませんでしたが。なんだかんだで飲み歩いたけどね。

　夏真っ盛りの8月はあまり目ぼしい映画が公開されない中、ちょいと前から気になっていたのが本作。千年に一人の美女ハシカンこと橋本環奈主演のアクションもので、これも漫画が原作。言わずもがな原作未読どころかタイトルすら知りませんでした。

　実写版「銀魂」シリーズでちょっと話題になった“ドテドテした走り方”をする橋本環奈がアクション？と懸念を持ちながらも、まあ避暑地で気楽に楽しめそうだなと地元のシネコン「盛岡フォーラム」に足を運んだ次第です。

(C)浅井蓮次・沢田新・小学館／「バイオレンスアクション」製作委員会

　うむ、なるほどね。まあこんなもんでしょう。ストーリーはともかく、アクションにキレはあるし、登場するキャラもユニークで楽しい。原作ファンがどう感じたのかは分かりませんが、個人的にはまずまず楽しめたかなというところです。当初懸念があった橋本環奈のアクションですが、そこはさすが遜色ないキレを見せていて見応えありましたね（いろいろと編集してるでしょうけど）。もっとも、個人的にピンクヘアの橋本環奈はすっごく違和感があったんですが。もともと美形の人間が服装や装飾品で派手にすると、取ってつけた感があって似合わないんですよね。そう考えると本作の主役は橋本環奈じゃないんじゃないかな～とも思います。ハシカンはやっぱりナチュラルが可愛らしいです。

　原作未読のまま単純に本作の感想を書くと、要は今時の普通の女子が実は凄腕の殺し屋で、そこに恋心をくすぐる男子が現れ、だけどそいつが殺しのターゲットでどうするハシカン！？といった流れ。そこにヤクザ同士の思惑が絡みつつ、城田優の最強ラスボスも登場しつつ、といった言わば胸キュン青春ハードアクション映画というわけです。まあジャンルとしては魅力的ですね。

　とはいえ、おそらくは原作をかなり端折っているんでしょう、いろいろと説明不足な部分、例えば如何にしてハシカン演じる菊野ケイが殺し屋なったのかとか、仲間のダリアが持つ過去のトラウマとか、会員制ラーメン屋のテイを持つ殺し屋請負事務所の設定とか、馬場ふみかやナイナイ岡村のポジションとか、原作読んでないと分からない部分が多かったですかね。鈴鹿君は果たして必要だったのか？という疑問もあります。

　まあ、ヤクザ組長の佐藤二朗や高橋克典、お笑いコンビ矢野。兵藤の兵藤なんかも含め、それぞれにキャラが立っていて飽きはしなかったので良しとします。