「死刑にいたる病」 ★★★☆~阿部サダヲの怪演は必見 | そんなことより恋をしろ

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

 これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

『シネマ報告書2022』の掲載にあたって

 
阿部サダヲの怪演は必見
★★★☆
(C)2022映画「死刑にいたる病」製作委員会
 
(2022年/日本/128分
 
【 監督 】
白石和彌
 
【 原作 】
櫛木理宇
 
【 出演 】
阿部サダヲ
岡田健史
岩田剛典
宮崎優
鈴木卓爾
佐藤玲
赤ペン瀧川
大下ヒロト
吉澤健
音尾琢真
岩井志麻子
コージ・トクダ
中山美穂

 


 

【あらすじ】

 

 厳格な父親で育ち、鬱屈した日々を送るFラン大学生・雅也。

 ある日、雅也のもとに24件の未成年を拷問のうえ殺害し死刑判決を受けた連続殺人事件の犯人・榛村から1通の手紙が届く。雅也は中学時代、榛村が営むパン屋によく訪れており顔見知りだった。

 刑務所を訪れた雅也は榛村と面会をする。榛村は、立件されている9件の事件のうち最後の事件だけは冤罪だと訴え、犯人が他にいることを証明してほしいと雅也に依頼する。

 独自に事件を調べ始めた雅也は少しづつ真相に近づいていくが、それは雅也の想像をはるかに超えた残酷なものだった―

 

 

【コメント】

 

 GWも終わり連休ボケで1週間の仕事が大変だった週末。週末は疲れることをせずのんびり映画鑑賞でもしようぜと劇場に足を運んだのが本作。映画ファンならご存じ、精力的に映画作りに励んでいる白石和彌監督の最新作で、もともとGW中に鑑賞しようと思っていた作品です。

 同名原作の映画化ということで、いつもながら原作未読の身である僕ですが、事前情報でとても面白そうなミステリーだと興味を持ち、また、ネット上でもグロいグロいと評判?だったので、ちょいと気合を入れて「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

 

(C)2022映画「死刑にいたる病」製作委員会

 

 いや~面白かったです。さすが白石和彌監督、陰湿な空気感はバツグンです。これからどうなっていくのか片時も目が離せない展開や、もしかしてこいつが犯人と思わせたどんでん返しはミステリーの醍醐味として見応え十分でした。特にオープニングで榛村が桜の花らしきものを川に撒くシーンがあったんですが、ラストで実は・・・だったのは衝撃でした。

 なにより、連続殺人犯・榛村を演じた阿部サダヲのサイコパスな怪演は本作最大の見どころです。これまでお笑い専門だったり優しい男が演じることが多かった阿部サダヲでしたが、本作ではそれを逆手に取ったサイコパスがキャラクターがバッチリハマってたと思います。

 

 とても人当たりが良くご近所からの評判もすこぶる良い。パン屋では中高生たちを励ましたり相談に乗ったりととても優しい人間。そんな人間が、実は未成年を監禁し、拷問の限りを尽くしいたぶって殺害するサイコパスな連続殺人犯。そんな役柄を阿部サダヲは見事に演じ切っていましたね。こういう榛村みたいなサイコパスって、本作のように社会に溶け込んで何食わぬ顔で暮らしているんでしょうね。世の中は恐ろしい。

 榛村のような言葉巧みに人を操る人間というのも社会には存在していて、良く言えば“人たらし”、悪く言えば新興宗教などの“洗脳”、こういう芸当が無意識にできる人間って実は社会に多いですよね。心に傷があったり悩みを持ったりして弱っている人間に近づいて、優しく接して共感し慰めて信頼を勝ち取る。それが殺人鬼だったら格好の的なわけですね。

 

 内容的には十分楽しめるものですし、グロいグロいと言われるシーンも僕的には大したものではなかったですね。確かにエグイな~というシーンは要所要所にはありましたけど、語るほどのものではないです。最近多いですな、グログロ詐欺。このレベルでグロいって騒がれるんですね。優しい世の中になったもんです。

 そして、これは映画というより原作のほうなのかもしれませんが、展開にもいろいろとツッコミたいところがなかったわけではありません。というのも、本作で繰り広げられる一連の事件に対して、主人公・雅也の近隣者が関わり過ぎだったり偶然が多すぎたりと、ちょいとミステリーにしては都合がよすぎたかなと。母親だったり恋人だったり、母親の過去の写真を偶然見つけたり、偶然出会った長髪の男だったり。理由があるならそれでいいんですが、本作は偶然ありきのストーリーがちょっと目立ったかなと。僕的にはちょっとそこらへんがマイナスポイントです。

 

(C)2022映画「死刑にいたる病」製作委員会

 

 本作の原作者である櫛木理宇ですが、後で調べたところ「ホーンテッド・キャンパス」という作品で角川の日本ホラー小説の読者賞を受賞しているようですね。シリーズ化もされているようだし映画化もされているようなので、この小説家はホラー部門の人なんだなと勝手に思いました。考えてみれば本作もそれに近いところはありましたね。最近小説もご無沙汰なので、これを機会にまたホラー小説でも読みふけってみましょうかね。

 

 

【2022年度 Myランキング】(5/14時点)

 

 本作は、本年度のベスト10中8位(暫定)にランクイン。

 盛岡寒かったり暑かったり。

 

(ベスト)… ★★★☆以上が基準

 

  1位:スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム ★★★★☆

  2位:さがす ★★★★

  3位:ザ・バットマン ★★★★

  4位:ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス ★★★☆

  5位:ウエスト・サイド・ストーリー ★★★☆

  6位:SING シング ネクストステージ ★★★☆

  7位:TITANE チタン ★★★☆

  8位:死刑にいたる病 ★★★☆

  9位:ゴーストバスターズ アフターライフ ★★★☆

 10位:ナイル殺人事件 ★★★☆

  次点:ブラックボックス 音声分析捜査 ★★★☆

     クライ・マッチョ ★★★☆

     

     

 

 (ワースト)… ★★☆以下が基準

 

  1位:大怪獣のあとしまつ ★★☆

  2位:ホリック xxxHOLiC ★★☆

  3位:

 

<その他ランク外一覧>

ノイズバイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ嘘喰いコーダ あいのうたヤクザプリンセスHOMESTAY ホームステイアクセル・フォールレッド・ブレイクガンパウダー・ミルクシェイクKAPPEI カッペイ特捜部Q 知りすぎたマルコモービウスナイトメア・アリーTUBE チューブ 死の脱出


 
 
『死刑にいたる病』の公式サイトはこちら

 

 

 

 

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