「TITANE チタン」 ★★★☆~この世のすべては“愛”で救われる | そんなことより恋をしろ

そんなことより恋をしろ

『映画を観るよりもお前は恋をしろ恋を』
…そんな感じのブログです。

※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

 これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

『シネマ報告書2022』の掲載にあたって

 
この世のすべては“愛”で救われる
★★★☆
(C)KAZAK PRODUCTIONS - FRAKAS PRODUCTIONS - ARTE FRANCE CINEMA - VOO 2020
 
(2021年/フランス・ベルギー/108分/Titane)
 
【 脚本・監督 】
ジュリア・デュクルノー
 
【 出演 】
アガト・ルセル

バンサン・ランドン

ガランス・マリリエール

ライ・サラメ

 

 

【あらすじ】

 

 小さい頃交通事故に遭い、頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれたアレクシアは、車のショーガールとして働いているが、陰では、衝動に駆られ殺人を犯す殺人鬼だった。

 車に対して異常なほどの執着心を抱くアレクシアは、ある時、車と愛し合い妊娠する。しかし、殺人鬼として指名手配されてしまい、逃亡生活をすることに。

 アレクシアは、10年前に行方不明になった息子を探す消防士のヴィンセントに近づき、息子になりすまして共同生活を始める。

 ぎこちない生活を送る二人だったが、次第に奇妙な絆が芽生え始めていく―

 

 

【コメント】

 

 さてさて、今回、覚悟を決めて劇場鑑賞に至った作品が、映画芸術の祭典である第74回カンヌ映画祭において見事最高賞であるパルムドールを受賞した本作。

 なぜに覚悟?と言うと、前評判でかなりのエログロでぶっ飛んだ作品であるとこのとで、噂ではカンヌ映画祭で何人もの退場者を出し、中にはゲロった人もいるとかいないとか。そんな事前情報を耳にしていただけに、予告編は非常に興味をそそったものの、こりゃあちょいと気合を入れる必要がある作品のようだなと認識していたわけです。

 スルーすることも考えましたが、パルムドールなんだからやっぱりこりゃあ観なくちゃならんと、気合を入れて一路「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

 

(C)KAZAK PRODUCTIONS - FRAKAS PRODUCTIONS - ARTE FRANCE CINEMA - VOO 2020

 

 ああ、こりゃあ・・・また訳わかんねぇ映画観ちまったぜ・・・。一体全体これはどこに映画芸術の最高峰である所以があるのか、相も変わらず解釈に非常に困る映画作ってくれるもんだ・・・とはいえ、終始一体何が何なんだという気分で観ていたもののインパクトは確かに強いし、訳分かんないのにラストで鳥肌が立つくらいの感動がある、とても摩訶不思議、奇妙奇天烈だけど魅力がある作品には違いないですね。

 

 まず、前評判のかなりのエログロで退出者続出なんてのは単なる客寄せの宣伝文句であることは理解できました。エロくもないしグロくもない。グロ耐性が絶賛低下中の僕を持ってしても全然余裕レベル。摩訶不思議な作品ではあるものの、思ったほどぶっ飛んだものではないです。生々しく痛々しいシーンは数々ありますが、そんなシーンを長々と見せるような悪趣味な編集はしていないし、そもそもそんなことを期待する作品ではないことはカンヌ最高賞という肩書を知れば理解できること。エロへの期待もグロへの心配も全くもって杞憂です。

 

 じゃあ映画芸術の最高峰たる本作の意味は一体何だったのか。僕は分かりませんでした。他のブログの解説をもってしてもよく分からん。なので、小難しく考えずシンプルに考えようと。

 シンプルに考えると、要は愛を知らぬ女性が愛を知る物語、この世のすべては“愛”で救われる、結局のところ、主軸は“愛”なんです。幼少期に遭った交通事故により感情を失った主人公アレクシア。衝動的に殺人を犯し続け、同じ車のショーガールとの百合シーンを見ても愛というものに不器用なのが分かる。そこで、老いに絶望する消防士のヴィンセントと出会い、次第に愛情と絆が芽生えていく。車とセ●クスして車の子供を妊娠・出産するというぶっ飛んだ内容についても、映画的な極端な表現方法で、人間と車のアイノコのような赤ちゃんが生まれても「俺がついている」と、どんなものだろうと精いっぱいの愛を注ぐ。この世の万物すべては愛で出来ている、と言ってるんじゃないかなと。

 

(C)KAZAK PRODUCTIONS - FRAKAS PRODUCTIONS - ARTE FRANCE CINEMA - VOO 2020

 

 まあ受賞のポイントは全然違うだろうし、映画芸術という部分を考えるとまるでさまざまなギミックに意味がありそうな気もしますが、とりあえずはそのまんまを観てシンプルに考えると伝わってくるかもしれませんね。決して小難しいことを言ってるんじゃなく、愛という普遍的なテーマを極端な描写で描いたものだったのかなと僕は感じます。

 それにしても、この手の作品の感想は難しいッス・・・

 

 

【2022年度 Myランキング】(4/9時点)

 

 本作は、本年度のベスト10中6位(暫定)にランクイン。

 新年度スタート!

 

(ベスト)… ★★★☆以上が基準

 

  1位:スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム ★★★★☆

  2位:さがす ★★★★

  3位:ザ・バットマン ★★★★

  4位:ウエスト・サイド・ストーリー ★★★☆

  5位:SING シング ネクストステージ ★★★☆

  6位:TITANE チタン ★★★☆

  7位:ゴーストバスターズ アフターライフ ★★★☆

  8位:ナイル殺人事件 ★★★☆

  9位:ブラックボックス 音声分析捜査 ★★★☆

 10位:クライ・マッチョ ★★★☆

 次点:

     

     

     

 

 (ワースト)… ★★☆以下が基準

 

  1位:大怪獣のあとしまつ ★★☆

  2位:

  3位:

 

<その他ランク外一覧>

ノイズバイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ嘘喰いコーダ あいのうたヤクザプリンセスHOMESTAY ホームステイアクセル・フォールレッド・ブレイクガンパウダー・ミルクシェイクKAPPEI カッペイ特捜部Q 知りすぎたマルコモービウスナイトメア・アリー


 
 
『TITANE チタン』の公式サイトはこちら

 

 

 

 

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村
 
映画 ブログランキングへ