「牛首村」　★★～ある意味安定の意味不明ホラー

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2022』の掲載にあたって」

ある意味安定の意味不明ホラー ★★

Koki,

萩原利久

高橋文哉

大谷凛香

莉子

松尾諭

堀内敬子

田中直樹

麿赤兒

【あらすじ】

　女子高生の奏音は、友人の将太から見せられた心霊動画に自分そっくりの女子高生を発見する。

　胸騒ぎを感じた奏音は、動画の撮影地である富山県の坪野鉱泉に向かい、そこで蓮と出会う。彼は、動画に映った奏音そっくりの女子高生を知っている人物であり、行動を共にすることに。

　しかし、その地には古い風習が残る“牛首村”と呼ばれる狂気の場所だった―

【コメント】

　行きつけのTSUTAYAが閉店だとぅ～！？今年一番の大事件ですよ！

　TSUTAYAにはいろいろと言いたいことはあるものの、個人レンタル店が軒並み閉店に追い込まれた中で、唯一品揃えが良く懇意にしていたレンタル店だったのに・・・

（というか個人レンタル店を閉店に追い込んだのは、独占レンタルとかやりやがったTSUTAYAだと思ってますが）

　もう世はサブスクの時代に移行し始めてるんだな～と改めて実感しつつ、懇意にしていたTSUTAYAで最後の追い込みレンタルをすべく、新作の中から手に取ったのが本作です。

　2020年『犬鳴村』、2021年『樹海村』に続く、Jホラーの担い手、清水崇監督の「実録！恐怖の村」シリーズ、待望？の第3弾ですが、前作がすっげーつまんなかったので本作も全く期待はしていませんでした。それでも観てしまうのは映画ファンであるからに他なりません。

　しかも本作は、キムタク＆工藤静香の次女であるKoki,のデビュー作ということなので、彼女がどんな感じなのかという興味もあり、鑑賞してみた次第です。

　うん、まあ予想どおり。前作『樹海村』と同様、何やってんだこれっつー映画でしたね。ほんと意味が分からん。『犬鳴村』に手ごたえがあったからと言ってムリヤリ村シリーズ作った感じが見え見えです。まあでも、ある意味安定したつまらなさなので、Jホラーらしいといえばらしい作品ではありますが。

　本作でキーとなるのが、古来から日本に伝わる“牛の首”という怖い話で、それを聞いたものは全員呪い殺される、だから木の話は誰も知らない。そんな都市伝説的な話をキーにしつつ、世間から隔離された村に土着した風習と、なぜかタイムスリップ的な要素も加えられて、ホラーとしては奇想天外な感じはあるんですが、なにぶんゾクゾクとするような怖いシーンがあるわけでもなく、展開のメリハリも効いてないので飽きるんですよね。肝心の牛首村も最後の最後に出てくるだけだし、ラストの崖のシーンも仮面ライダーの怪人に襲われてるんじゃないかと思うような安っぽすぎる展開。

　1年に1回の風物詩として村シリーズの命題でも課せられているのか、清水崇監督は。シナリオが雑なうえに、おそらくイメージもできてないまま撮影しちゃったのかな。本作もやっぱり、売り出し中のアイドル役者の登竜門的作品という位置付け以外の何物でもなかったですね。